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アニメとGAMEとマンガな日々

賛否両論 ~スターウォーズ最後のジェダイ  



見終わった後、私たちは、ルーク・スカイウォーカーの人生を見届けたんだなって思いました。

ぶっちゃけ、キャラクターの造形に深みはないし、なんでそういうことするの?とか、なんでそうなる?みたいな部分も満載。
いや、いきなりそこでそれって、は???でしょ?みたいな部分も大量にありますが、まぁ、スターウォーズにそういうものを期待してません。
以前オタ友が、「あれはルーカスの壮大な同人誌映画だから」と言ってて、それですべてに納得しちゃってまして。
あれは、ジョージ・ルーカスが帝国とレジスタンスの戦いを、かっこよく描きたいだけの映画と思ってます。

正直、エピソード1~3で、ダースベーダーってほんっと馬鹿でアホで、キチガ●に刃物なフォースの持ち主で、お前のせいで、宇宙が大変なことになったんだよ!ってそれだけだったのですが、その馬鹿でアホが、前作フォースの覚醒で、孫のカイロ・レンに引き継がれているのがわかって、頭かかえてました。
えー・・・超迷惑な家の話になってんじゃん・・・とか思っていたら、最後のジェダイって、その迷惑なご一家の存在をブレイクスルーするエピソードになってました。

強大なフォースを持つレイは、その系譜とはまったく関係ありません。
そして、彼女とともに立ち上がったフィン、ともに戦うポーは、ふつーの人です。
系譜とまったく関係のない彼らが主人公ってところで、スターウォーズ、新しい物語になってるのでした。

思わぬ超名作だった「ローグワン」の流れが、この映画にありました。
多くを救うために、命を投げ出す人々の姿が、きっちり描かれています。
過去のスターウォーズって、そういうシーン、実はあまりない。
死というものを描いていません。
今回は、そういうシーン満載でした。

そしてさらにもうひとつ、今までのスターウォーズになった新しい大きな変化が、今作であります。
主要キャラに、アジア人俳優が投入されました。
端的にいえば、中国人俳優です。(中国系アメリカ人かもしれない)
これはもう、ものすごく画期的なことです。
スターウォーズシリーズ、宇宙人までいたのに、アジア人がいませんでした。
記憶にある限り、主要な登場人物ではとにかくいなかった。
それが今回、いきなり重要な役で登場です。

これには、はっきりとした背景と理由があります。

今や、中国市場は、ハリウッド映画にとっては重要で、無視できないマーケットとなっています。
多くの映画で、中国人俳優の起用、映画の中で中国が舞台になることが増え、さらには、中国上映用に、わざわざ別のフィルムを作っているのだそうです。
これは、ハリウッド映画の仕事をしている人から実際聞いた話。
つまり、中国系の俳優を出すことが、今やハリウッドの常識と化しています。
金の力、すげー!!!

正直、彼女たちの登場は、ずっとスターウォーズ見ていた私の目には、新鮮に映りました。
そういえばいなかったよ!アジア人!!って思いました。
ハリウッドで活躍する日本人俳優もいますが、ここまでがっちり、当たり前みたいにアジア人俳優登用するって状態には、過去のハリウッドはなっていませんで。
もうねー、中国マネーでこうなるのなら、がんがん金の力でやってほしいわ、マジで。

今作は、レイア姫を演じたキャリー・フィッシャーの遺作でもあります。
びっくりするくらい、レイアの登場シーン多かったです。
彼女は永遠のプリンセス。
そして、マスターヨーダの登場に、私はうっかり泣きました。

賛否両論あるそうで、まぁ、否のほうの意見を述べたい気持ちもわからなくもないけれども。
スターウォーズは、なぁんにも考えず、期待もせずに楽しんでみるのがいいと思います。

Posted on 2017/12/20 Wed. 23:35 [edit]

category: 映画

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胸熱だった ~パトリオットデイ  

たまたま日程が合わず、映画館で見れなかった映画、PS4の配信レンタルで見ました。
いやぁ、映画館で見なくてよかったよ。
泣きすぎて、顔腫れた。

ボストンマラソン最中に起きた爆弾テロ事件、その後犯人逮捕までの経緯を描いた映画です。
ほぼ、事実に基づいた展開。
散らばるそれぞれの人物のエピソード、最初は「この人は?」って感じです。
警備にあたる荒くれ刑事、几帳面でまじめそうな町の警察署長、中国からきている留学生、仲のよさそうな若い夫婦、MITの学生に好意を寄せる大学の警備の警察官。
彼らがどこで、どういう形で事件に関わることになるのか、冒頭ではまったくわかりません。
なんてことのない彼らの日常が描かれていきます。
だからこそ、この映画は、テロの恐怖を如実に見せる結果になります。
”なんてことのない当たり前の日常”は、一瞬にして破壊されることになる。
それを、この映画は描いています。

ボストンのこの爆弾事件はもちろん知っていましたが、こんな経緯があったというのは知りませんでした。
実はこの爆弾事件があった現場、事件発生数年前に実際私も歩いていて、ニュースを見たときは少なからず衝撃を受けました。
犯人はイスラム教徒でしたが、アラブ系国籍の人ではなく、チェチェン人兄弟。
彼らが、誘拐監禁した相手に「911はアメリカのメディアと政府が作り上げた嘘だ」と言い、「シリアではたくさんの無実の人が殺されてる」から、「自分たちのやっていることはそれを正す正義だ」と言って、それこそ無関係の人間を大勢巻き込んで殺そうとしている様は、テロリストそのものでした。
最近、日本でも似たような理論展開をしている人を多く見かけるので、正直、ぞっとしました。

ここ映画、いちいち説明してこないし、わざわざ大仰な演出をしてこないのですが、その分、はっとする、胸にせまるシーンがたくさんありました。
犠牲となった8歳の男の子の遺体、証拠を取るためにビニールをかぶせられ、しばらくそのままにされるのですが、そのそばに付き添う警官の姿を何度か映します。
台詞はいっさいありません。
ただ、その警官の表情を映すだけ。
私はこのシーンで、声あげて泣きました。

犯人の顔を公開して捜査に踏み切ろうという地元警察に対し、FBI捜査官が言います。
「完全に確定できていないうちは、それは絶対にしない。むやみにイスラム教徒への憎悪をあおるだけになる」
台詞であっさり言わせて終わっていますが、アメリカが抱える大きな問題をつきつけている重要な台詞です。

犯人の妻を尋問する謎の女性の存在も、印象的でした。
あれは何者だ?という問いに、FBI捜査官も随行した人間も無言です。
公にされていない専門機関があることを示唆するシーン。

映画の最後、それぞれの登場人物、本人が出てきます。
最後に映し出されたのは、警官がずっと見守っていた遺体の男の子でした。


Posted on 2017/12/17 Sun. 23:21 [edit]

category: 映画

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超名作だった ~KUBO 二本の弦の秘密  

そもそも公開されていることすら知らなかったのですが、Twitterで話題になっているのを見て、速攻行ってきました。
上映館が少なく、短期間で終わりそうな気配満々だったもので。

いやもうなにこれ!!!
すっげー傑作。
超名作でした。

物語は、心を病む母親と、海のそばで隠れるようにして暮らしている母親クボ。
三味線を使って折り紙を操る力を持つ彼が、ある時、母から言われていた禁忌をうっかり犯し、その結果、得たいのしれないものに命を狙われることになります。
3つの武器を求めて旅に出ることとなったクボには、不思議な力で人形から生物になった猿と、記憶を失った昆虫男が同行することになります。

ライカはストップモーションアニメの製作会社です。
クボの撮影も動画にあがってますが、何シーンもコマ撮りして数秒とか、そういう作り方になります。
実際の人形を使うので、CGアニメとは明らかに違います。
いやもう、そこがまず、驚きの部分。
CGアニメとはまったく違う、すごい物量感があるんですよ。
立体に感じる、のではなく、明らかなる立体って感じ。
存在感が全然違うんです。

戦闘シーンがかなりあるのですが、それもどえりゃーかっこいい。
すごいですよ。
もう、それしか言えないんだ。
それくらい、すごい。

物語は日本が舞台ですが、アメリカ人がよくやらかす、ナンチャッテニッポンじゃないのもすごい。
日本人が見ていて、違和感がない。
友人が字幕で見て、キャラが英語しゃべってるのに違和感だったっていうくらい、日本の描写に違和感がありません。
私は英語で見たんですが、単語や表現がきちんと日本の表現に即したものになっていました。
慣習や風習もしっかり描写されています。
吹き替えですが、猿が田中敦子さんなので、こっちで見たほうがいいかも。
私は、オリジナルがシャーリーズ・セロンとマシュー・マコノヒーと聞いて、そっちで見ました。
いやぁ、ハリウッドの俳優は、声優やらせてもうまいわー。

もう、息を呑む展開。
そしてラスト、ぶわっと涙腺大決壊となりました。
いやぁ、やられたわ。

Twitterで広まった映画に、はずれないです。
「この世界の片隅で」も、実は原作者のマンガがあまり好きではなく、映画全然見るつもりなかったんですが、Twitterであげていた人たちが「とにかく行け!」って熱い感想で、それで行きました。
上映館が少ない映画、あるいはマニアックな映画、宣伝を間違えた映画とか、見た人の布教はありがたいです。
ただ、感想もいいものばかりじゃなくて、「XXみたー!その後、アイカとご飯食べたよー、すっごいおいしかったしー!」みたいなので自撮り写真掲載しただけのものとか、「XXってさー、けっこうえぐいって聞いてたけど、私はOKだったしー」みたいなものもあって、参考どころか、感想にもなってねーよ!なものもありまして。

地方はこれから上映が始まるそうなので、見に行かれるようでしたらぜひぜひ。
都内とか、上映館がどんどん少なくなっているそうですが、評判がここにきて上がり、満席の上映もでているそうです。
見れるうちに、ぜひ、映画館で。

Posted on 2017/12/02 Sat. 08:49 [edit]

category: 映画

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懐かしいSFのかおり ~ストレンジャーシングス  



Netflixオリジナルドラマ、巷で高い評価を受けていたので見てみました。
全8話、1日で見ちゃった(笑)

いじめられっこな4人組のひとり、ウィルが突然、謎の失踪を遂げます。
シングルマザーで、精神が不安定なウィルの母は、ウィルは壁の中にいる、私と会話したと言い続けますが、もちろん誰も信じません。
残る3人、マイク、ルーカス、ダスティンは、ウィルを探す中で、謎の少女イレブンと出会います。
警察署長のホッパーは、失踪したウィルを探す中で、街の中に起きている奇妙な事件、そして街のはずれにある施設が、そういった事件になんらかの形で関与していることを知ります。
そんな中、マイクの姉ナンシーの友人も、突然の失踪を遂げます。

ドラマの舞台は、80年代のアメリカの地方都市。
これ、映画「It」と同じ設定です。
マイクを演じている子役が、「It」のおしゃべり毒舌の子だったりしていて、かなりかぶってる。
全体的に似てる感じはしていて、「ストレンジャーシングス」は、スティーブン・キングの影響も受けているということをはっきり表明しているそうなので、まぁ、そのあたりが前提で製作されたものなのかもしれません。

違うのは、「It」はホラーですが、「ストレンジャーシングス」はSFです。
しかも、最先端のSFではなく、私たちが子供の頃に読んだ、懐かしいSF。

ネタバレなしでいきますが、ウィルが連れ去られたのは別次元です。
同じようにさらわれた人たちが次々を殺されていく中、ウィルは逃げ延び、母親となんとか交信を果たします。
壁の向こうに薄く見えるウィル、しかし、必死に壁を壊した母親が見たのは、壁の向こうにある外でした。

そして、謎の少女イレブン、通称エル。
彼女は、超常現象を研究する機関に、赤ん坊の時に無理やりつれてこられて、実験材料にされていました。
研究所から逃げてきたエルは、マイクたちとともに、ウィルを追います。

いやもうこれ、何!!!
小学生の時に読んだSFのネタ、全部ぶっこみでしょ!!!
パラレルワールド、超能力者、謎の研究所とそこで働く人々、襲いくるモンスターと、それらから逃げる少年少女、そして謎を究明する大人の男。
やだもうなにこれ、全部盛り!って感じじゃないですか!!!

このドラマのすごいところは、その小学生の時読んでた!!!なネタを集めながら、しっかりがっつり、違和感なくドラマに仕立て上げていて、さらに、物語がきちんと終わっているところ。
アメリカのドラマあるあるの、謎放置、意味不明、中途半端に終了して、「次のシリーズ見てね」じゃない。
全部、きっちり終わってます。
一応。

それから、子供が子供でクソかわいいのも、魅力のひとつ。
彼らの、無謀でアホでバカで無鉄砲で、むやみに正義感にあふれたその姿が、無茶苦茶かわいらしい。
歯のないダスティンが、いちばんかわいい(笑)

ウィルのおにーちゃんとマイクのおねーちゃんも、すごいいい味出してます。
マイクのおねーちゃんナンシーが、いい子ちゃんなんだが、ワイルドなイケメン相手にやたらとビッチなことやっちゃって、その結果、思わぬ人が事件に巻き込まれることになるんですが。
いやもうなに、これから男とヤッちゃう気満々のおねーちゃんにとって、友情とか常識とか、ほんっと意味ないよねーって思いました。

シーズン2が先日から公開だそうで、もちろんこの話のその後になっていますが。
ちゃんと物語は終わっていますが、中に、次に続けられる要素はきちんと作られていました。
異世界の扉は閉じられておらず、どうやら怪物は一匹だけではない。
エルはどうなったのか?
ウィルの体に残された異変は、いったい何なのか。
そして、イレブンというからには、他に10人の披験体がいたということで、その人たちはどうなったのか?

2では、ダスティンの歯ははえたかな?(笑)


Posted on 2017/11/19 Sun. 10:23 [edit]

category: 映画

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ホラーテイストのスタンドバイミー ~ It それが見えたら終わり  



「It それが見えたら終わり」見てきました。
ホラー映画ではありますが、どっちかっていうと、ホラーテイストのスタンドバイミーみたいな感じの映画でした。
ホラー耐性強い私には、むしろ泣ける映画でありました。

突然行方がわからなくなった弟のことを、今も生きていると信じているビルは、いじめられっこな同級生たちのグループ、ルーザーズ(負け犬ども)のメンバーのひとり。
みんなとの楽しい夏休みの日々の中で、得たいの知れないものが、街の子供たちをさらい、死においやっていることにある日気づきます。

まず、ルーザーズの子供たちがとてもかわいい。
棒みたいに細くて吃音のビル、でぶっちょだが繊細で頭の切れるベン、ユダヤ教ラビの父を持つまじめなスタンリー、過保護な母親を持つ喘息もちのエディ、おしゃべりで毒舌家のリッチー、祖父の牧場で働くマイク、そして身持ちだしない子だと噂の耐えない女の子ヴィバリー。
彼らがとにかくかわいいです。
とくに、太っちょのベンがかわいい。
彼らがちゃんと、等身大の子供だというのが、この映画にはかなり重要でもあります。
ホラー映画にありがちな「だからお前、そこでそれやるのかよ」ってシーン、「あー、子供ならやるよね」になる。

しかしこの映画、まったくもって、子供向けじゃないのは、彼らが置かれるそれぞれの立場。
弟を失って、家や親が最もつらいものに変わってしまったビル。
厳しい父親の前で萎縮するスタンリー。
息子を病弱に仕立てることで、自分の保護下に置いているエディの母親。
マイクの両親は、ふたりとも火事で焼け死んでいます。
ベンは、どこへいっても友達ができない。
そしてヴィバリーは、父親から性的虐待を受けている。
これは、彼らをいじめまくるヘンリーも同じで、彼は高圧的な父親に翻弄され、抑圧されています。

ピエロは、そういう彼らの恐怖につけいってきます。
この映画、あくまでも子供として感じる恐怖なので、けっこうお茶目。
顔が変な絵の人物まんま襲ってきたり、おかしな動きをしたり。
私はうっかり笑ってしまいましたが、隣の席の女性はものすごいビビッてたので、人によってはとても怖いかも。

子供はやっぱり子供で、バカだし、あほだし、いろいろ足りないし未熟だし、本当にもう、ぐりぐりしたくなるくらいかわいいんですが、でも、彼らは彼らなりにものすごくがんばって生きていて、一生懸命考えていたりします。
その未熟で新鮮でピュアな心から生まれる恐怖と肉が、ペニー・ワイズの餌なわけだ。
恐ろしいあの場所で「あなたなんか怖くない」と言ったヴィバリーと、彼女を救うために、その恐怖をかなぐり捨てたルーザーズだからこそ、ペニー・ワイズと戦えたのだろうなと思いました。

自分、すっかりいい歳のオトナなので、こういう子供が出てくる映画見ると、いつも考えてしまうことがあります。
それは、「自分は、彼らのような子供を守る大人でいられるだろうか」ということ。
この映画には、彼らを守る大人はひとりも出てきません。
助けようとする大人もいない。
近所の人も、親も、彼らを守っていません。
刃物を向けられているベンを見ながらも、知らん顔で通り過ぎていく大人もいる。
私には、ペニー・ワイズより、そのことのほうが怖かったでした。
(ひとりだけ、ちゃんとした大人が出てきます。ベンに「外で遊べ」と言ったおばあちゃまな司書の人)

この映画は第一章で、彼らはまた27年後にあの街に戻ることになります。
公開は2019年の予定。
とても楽しみです。
でも、あの太っちょなベンにはもう会えないのかー・・・



Posted on 2017/11/12 Sun. 09:43 [edit]

category: 映画

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そしてレプリカントは・・・ ~ブレードランナー2049  

「ブレードランナー2049」観ました。
アメリカでは賛否両論だそうで。
はっきりいって、アベンジャーズとかトランスフォーマーが大好き!とか、そういうのをSFって思ってる人にはまったく面白くいないだろうし、お勧めもしません。
もともとわかりやすい話じゃないし、前作も公開当時はさほどに注目を集めなかったし、BGMのCDが発売されたのも10年後だそうなんで、万人に受ける映画じゃないって前提。

主人公は違いますが、物語は前作につながっています。
前作でレプリカントを製造していたタイレル社はその後倒産、その技術を買ったウォレス社が、人間に絶対に忠実な新しいレプリカントを製造する世界、その新しい型番のレプリカントKは警察で、旧式のレプリカント(タイレル社製造)を解任(殺害破壊)する仕事についていました。
過酷な僻地で農業を営んでいたレプリカントを解任した後、そこに埋葬されていた者が、出産経験のあるレプリカントのものと判明、Kはその”人物”をつきとめ、解任する任務を与えられます。

ウォレス社の社長は、レプリカントによる妊娠出産によって、さらなる労働力を”生産”しやすくなるという考えをもっています。
しかし、警察側は、レプリカントの妊娠出産を、人類の脅威とみなします。
生まれた子供を追うKはレプリカントで、厳重な警察のテストにも異常はみられませんが、その反面、ホログラムの女性を愛し、”子供”を追う中で葛藤を持つようになります。
Kに解任される農夫、製造されたばかりでウォレスに殺される新型、娼婦の仕事に従事するレプリカント、そしてKが愛するホログラムと、登場する”人造人間”たちはみな、感情豊かで心を持ち、人間となんら違いを感じません。
「魂がない」
人間もレプリカントも、違いをそう表現します。
では、その魂とはいったい何か。
どういう形をし、どういう存在で、どういう物質なのかという部分、人間もレプリカントも説明はできない。
それがいったい何なのか、誰も知りません。

その部分、攻殻機動隊で”ゴースト”と称されていたものと一致します。
それは物理的には存在せず、あくまでも概念でしかない。
我々が当たり前のように持つその概念は、いったいどこからきたものなのか、何に由来するものなのか、誰も知らない、わからないまま、私たちはそこに境界線を持ちます。
これはいったい何なのか。

この部分、日本人は、他に例を見ない特殊な文化を持つ民族と思います。
我々は、八百万の神の存在を、文化習慣思想の中に普通に持っていきています。
木や花、動物にも魂や心を感じ、それは古い建物や仏像、人形、あるいは鏡や機械、乗り物にも感じる民族です。
ルンバやペッパー君に、当たり前のように人格や愛情を持つ我々日本人の「ブレードランナー」に対する見方、感じ方は、欧米人のそれは明らかに一線画すと思います。

監督したのは、ドゥニ・ヴィルヌーヴ。
前作のイメージを損なわず、さらにはヴィルヌーヴらしい演出や映像が満載の映画でした。
情感たっぷりで詩的ですが、容赦ない表現をしてくるので、美しい絵の中に強烈なインパクトがあります。

ずっと無表情だったKが、最後に一瞬だけ、笑顔を見せます。
ネオンきらめく街を見下ろしながら、自身の存在を問いながら絶命した前作のバッディ、ルドガー・ハウアーに対し、「ブレードランナー2049」のK、ライアン・ゴスリングが見せるこの映画の最後は、とても静かなものでした。

前作から今作につながる間に、短編映画が3作YouTubeで公開されています。
先にこれを見るようにという人も多いようですが、私は後に観た方がいいかなと思いました。
本編見た後、この3本を見ることで、さらに深みが増し、あらためていろいろ考えるきっかけになりました。
映画は3時間という長さですが、あっという間でした。




Posted on 2017/10/30 Mon. 21:30 [edit]

category: 映画

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すさまじき知的戦闘 ~女神の見せざる手  



欧米では、賛否両論だそうです。
私は、俄然推します。
すごい映画でした。

無敵のロビーイスト エリザべス・スローン。
銃所持支持を広げ、法的にもそれを推していきたい大物が、スローンにロビー活動を依頼してきます。
しかし彼女は、鼻先でそれを断ります。
仕事を請けなければクビだという会社を去ったスローンは、銃規制を支持するロビー活動を行う会社にはいり、明らかに不利な状況の中、圧倒的なパワーと能力でその状況をひっくりかえします。
しかし、敵となった元会社と依頼主は、彼女のすべてを洗い出し、違法行為を晒すために彼女を聴聞会へ召還することに成功します。
それは、すべてお膳立てされた、彼女をつぶすための聴聞会でした。
けれど、その聴聞会で、人々は予想もしていなかった展開を見ることになります。

スローンは、自分の戦略を誰にも明かしません。
つまるところ、誰も信じていない。
どこでもれるかわからないし、どこでほころびが出来るかわからない。
ともに働く人たちは、結果として裏切られることにもなるし、だまされたということにもなりますが、敵となった相手にとっては、そんな生易しい事態をはるかに超えた、大きなダメージを与えることになります。
利用できるものはするし、踏み台になるものは踏みつけにする。
その結果、思わぬ事態を起こし、ひとりの女性が命を危険にさらすことになります。

しかし、映画を見終わった後、彼女は血も涙もない、誰も信頼、信用しない、勝利のためだけになんでもする人だったのかというと、いや、そうじゃなかった、まったくそうじゃないとなります。
彼女は、銃規制のために、それこそ自分の身を犠牲にして活動します。
それこそ、すべてを投げ出して、ロビー活動をします。
そして、人としての信頼や信用がなければ絶対に叶わないある戦略を、彼女はしいています。
それこそがジョーカー、切り札となって、見ている我々も驚くような形で使われます。
それが出た瞬間、私、思わず口をおさえて、呆然としました。
すごいです。
見事です。

そして、彼女はお金で動いていません。
それもラストではっきりと示されます。
だったら彼女は何のために、あそこまでのことをしているのか。
勝利の美酒に酔うためなのか?
恐らくはそうではないでしょう。
彼女は、恐らく誰にも理解できない、彼女の信念に基づいて戦っていると思います。

キィパーソンは3人。
彼女に離反して、敵となった会社側に残った元アシスタント。
新会社の有能なアシスタント。
そして、彼女が金で買っていた男。
彼女ら、彼らは、スローンと親しいわけでもないし、ある意味彼女に利用されているし、ぞんざいに扱われています。
しかし、そこには、絶対的な信頼と信用がありました。
普通にはない、誰にも理解できない、スローンと彼らだけにしか存在しえない、起こりえない信頼関係です。

ひとつだけ、ネタばれですが。

彼女が金で買っていた男、はっきりいってチャラかったです。
しかし彼は、映画の中で唯一、スローンが弱さをさらけ出したのを見た人物です。
彼は聴聞会に召還され、スローンを潰すための材料に使われます。
しかし彼は、「スローンとの関係に売春行為があったか」という問いに、「いいえ」と答えます。
「ホテルのスタッフが数名、あなたが彼女の部屋にはいっていくのを見ている」と言われても、彼は「売春行為はありません」と応える。
聴聞会は、そこに召還された際、真実を言うことを宣誓します。
虚偽を延べれば、重罰に処れる。
彼はそこで、”嘘”をつきました。
しかし聴聞会側は、「お前は嘘を言ってるだろう」とはいえないのです。
彼は、客のプライバシーを守るという職務上のルールを、徹底的に貫きました。
それは、形こそ違えど、その仕事のプロとして、スローンに通じるものがあります。

とにかく台詞量が多いです。
あと、内容が政治的なので、そもそも日本語でも難解で、そんなの英語でわかるわけもなく。
アメリカの政治とか銃に対する考え、規制派と肯定派の戦いがどういうものかなど、ある程度わかっていないと、「意味わかんねーよ」になってしまうかもしれません。
終わった後、頭疲れてました(笑)

最後、誰かが彼女を迎えにきていたように見えました。
それが誰だったのか、わかりません。

個人的には、ものすごくヒットな映画でした。
ウェットなところがいっさいなく、情に訴えるシーン皆無、スローンの過去だの愛だのなんだの、きれいさっぱりありません。
鋭利な刃物がぎらぎらしたみたいな、脳みそで戦う人々の映画ですが、個人的には、かなり好きな、心に残る映画でした。

Posted on 2017/10/21 Sat. 10:20 [edit]

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壮大なる猿歴史の刻む名作 ~猿の惑星 聖戦記  



すごい映画見ちゃったよ・・・というのが、見終わった後の率直な感想です。
これはもう、壮大なる猿歴史を描いた、スペクタクル映画。
かの名作カーク・ダグラス主演の「スパルタカス」見た後と、同じ感覚になりました。

ずっと人間との共存を考えていたシーザーに対し、前作でコバが始めてしまった全面戦争、それは、思わぬところから、ほころびが出てきます。
その象徴が、CMにも出ていた美少女。
家族を殺されて憎しみに燃えるシーザーが殺した男が連れていたらしい、病気の少女です。
彼女は、まかれたウィルスによる人間の”退化”が何であるかを、実は見せていました。

シーザーが人間との共存を模索するのは、彼が人間のもとで幸せに生きていた時代があったからこそで、人間のよい部分というのを知っているからです。
しかしコバは、真逆でした。
そして今回登場するバッド・エイプ。
彼の存在は、まったく新しい。
もともとは動物園で飼われていたバッド・エイプですが、仲間をすべて殺され、ひとりで生き延びていたという過酷な状態でありながら、人間への憎悪をもっていません。
”戦わない猿”という存在が現れたことを、映画は示唆しています。
仲間を殺し、自分の命すら狙ってた存在を憎まないって、ものすごく高度で緻密な心理と知性をもたないと存在しえないものです。
対して人間は、猿を殲滅することしか、もう生きる道は残されていないと考えています。
物理的な退化の症状がなくても、すでにその時点で、人間は滅亡の道をたどっていると言えます。
なぜなら、生き延びる道を考えていないから。
ウィルスが蔓延し、ただでさえ生存が難しい状況の中で、相手を殺せば生き残れるという考えは、すでに知性ある生物の考え方ではない。

1作目、知性を持った猿たちの最初の戦いで、ゴリラがシーザーを守って命を落としました。
我々、「よもやゴリラに泣かされる日がくるとは思っていなかったよ!」で号泣だったわけですが。
今作も、ゴリラがむちゃくちゃ熱いです。
胸熱です。
少女の髪に、ピンクの花を折って挿すゴリラとか、ちょっとそこのあなた!!!考えたことあります???

少女の名前がノヴァ。
シーザーの残された息子の名前がコーネリアス。
これは、猿の惑星の最初の物語に通じています。
チャールトン・ヘストンが愛するようになる人間の女性の名前が、ノヴァ。
ヘストンたちを理解して助けようとしてくれる夫婦の夫の名前が、コーネリアス>だったはず
もっともあれ、700年後とかの地球の話だったから、当人ではないと思いますが。

猿ですが。
もちろんモーションキャプチャーで人間が演じてるんでなんですが、演技がすごいです。
猿だったことを忘れる。
心情的に、猿側に思い入れしていまいます。

なんか、ふつーにガチですごい映画でした。
主人公が猿だけど、壮大なスケールの歴史スペクタクルでした。


Posted on 2017/10/15 Sun. 08:52 [edit]

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すべての人々へ ~ ドリーム  



「ドリーム」見ました。
やっと見れました。
アカデミー賞にノミネートされて、見たい!と思ってから一年近く。
日本での公開、遅すぎる>しかも邦題がクソで騒動になってた

NASAのマーキュリー計画前後に、計算手として働いていた黒人女性たちを描いた物語です。
主人公キャサリンは、小学生から飛び級しまくった数学の天才児。
同じ黒人女性のメアリーとドロシーとともに、NASAで働いていました。
卓越した数学の才能を持つ彼女たちですが、職場は施設の地下。
そこで、安い給料で計算手として働いています。
そんな時、ソ連がスプートニクを飛ばし、さらに有人宇宙飛行を成功させます。
NASAは正確かつ高度な計算が出来る人材を探すこととなり、その白羽の矢は、キャサリンに向けられます。

1960年代、白人と有色人種が使う場所は、すべて分けられていた時代です。
さらに、女性の仕事はアシスタント的な業務がメインで、その能力や地位はほぼ認められることがない時代。
そんな中で、白人種男性しかいない現場にはいったキャサリンは、黒人、女性という二重の意味で大変な苦労を強いられることになります。

有色人種が使うトイレがないため、毎回800メートルも先にある、遠い建物地下のトイレまで往復しなければならない。
オフィスにあるコーヒーメーカーは、彼女だけ別にされる>しかも放置されてる状態
計算しようにも、大事な部分は全部黒いマーカーで消されてしまう。

同僚のドロシーやメアリーも、同じような経験をします。
エンジニアとしての才能を発揮するメアリーに、上司がエンジニアの資格を取ることを薦めますが、大学の学位ももっている彼女に、人事は、有色人種には取ることの出来ない講義にでていないことを盾に、資格取得を承認しません。
管理職の代理をずっと務めるドロシーは、昇給も昇進もないままこきつかわれ、それを人事に訴えますが、黒人女性が何を言ってると、まったく相手にされません。

ここまでの差別を描きながら、この映画は、差別との戦いをいっさい描いていません。
見事なほどに、描いていない。
すっぱりと、”当時あったこと”として描いています。

じゃあ何をこの映画は描いているのか。
3人の女性が、黒人であること、女性であることなど、驚くほどの困難と障害を前にして、決してくじけず、決してあきらめず、誠実に実直に仕事にむかっていく姿を描いています。
すごいのは、彼女たちは決して戦わないし、自己主張もしないし、強い態度にも出ません。
静かに耐え、黙ってあることを受け入れます。
けれど、前へ進み続けます。

個人的に、心に残ったシーン。

キャサリンが職場を去ることになった時、上司の秘書が婚約祝いを上司からだと言って渡します。
その品物は、かつてキャサリンが一度だけ、怒りに震えて上司や同僚の男性陣に訴えた時に言及したもののひとつでした。
「上司はこんなのはわからないから、たぶん奥様が選んだものでしょうけれど」と秘書が言いました。
いや、違います。
それは秘書が選んだもの、と私は思いました。
なぜなら、キャサリンの喜ぶものが何かなんて、上司はわかるわけもないし、覚えているわけもない。
秘書の彼女だからわかるものです。
私はこのシーン見て、号泣しました。

もうひとつ。
有色人種しかいかれない学校の講義に出たいという申請を、裁判所に申し出たメアリーが、裁判官に言う言葉。
「最初のひとりになる」(Be the first と言ったような記憶が)
この言葉のすごさ、すばらしさに震えました。
しかし、そのメアリーも最初は違っていました。
「黒人の女である私が、夢や希望をもったところで無意味だ」
そう言った彼女に激を飛ばしたのは、技術部門の彼女の上司です。
「何言ってるんだ。私はユダヤ人だ。両親は収容所で死んだ。だが今、ここにいる」

日本では、女性が主人公の映画は、恋愛絡みじゃないとまったく受けません。
「ドリーム」も、アカデミー賞多数ノミネートされ、アメリカでは大ヒットを飛ばしているにもかかわらず、日本公開は一年近く遅く、上映館も少ない。挙句に、宣伝も邦題もあきれるようなやり方でした。
これが、男性が主人公だったら違うよね?という指摘がありましたが、そのとおりと思います。
Twitterで映画評をあげている人たちのほとんども、この映画については、完全に無視です。
(ちなみに、ほぼ全員、「ワンダーウーマン」は視聴していましたが、全員鼻で笑ってました)
「ダンケルク」など、きちんと解説し、すばらしい評をあげている人たちですら、女性が主人公の仕事の映画になると、そういう対応になる。。。そんな国なんだな、日本って。

週末、都内上映館はほぼ満席で、チケット取れず。
平日の夜見ましたが、年配の男性が多かったです。
どういうふうに見たか、聞いてみたかった。

私が女だからって差別した!
私が黒人だからって、そういう扱いをするのだ!
そんな言葉は、いっさい出てきませんでした。
(まぁ、そんなこと言ったら殺されるかもしれないし、そもそも職を失う時代でもあるけど)
しかし、彼女たちは、おのれの目指すものへと進み続けます。
実直に、誠実に、どんな困難にも負けない不屈の心で仕事に向かい、そして結果を出すという、あまりにもまっとうであまりにも正当なやり方で、彼女たちは成功しました。

「天才な彼女たちでも夢を叶えるにはあんなに大変なら、才能なんてない自分らの夢なんか、叶うわけない」という意見をみました。
成功とか達成に向かって努力はするものだけど、成功しないならやらないって考えなら、何やってもだめでしょう。
成功するか、達成するかなんて、誰もわからないです。
才能ないからやっても意味ない、成功しないと思うからやらないんだったら、それはそれでどーぞどーぞ、さようなら、です。
夢を見るのも、そのためにがんばるのも、才能が必要なのかもしれません。
努力し、がんばることを楽しむのも、才能が必要なんでしょう。
挫折し、結果として夢は叶わなくても、自分の中に何かが残る、あるいは楽しかった充実した時間が残せるのも、きっと才能なんでしょう。


Posted on 2017/10/04 Wed. 23:08 [edit]

category: 映画

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そこは戦場だった ~ダンケルク  

いろいろ感想見ていたら、「何の説明もない」とか「意味わからない」で、「全然面白くない」という感想を散見しまして。
絶賛の声の嵐に対して、かなり両極端な感想なので、なんで?とか思っていたんですが、この映画を見終わった後にその理由がわかりました。

派手なアラフォー女性3人が、劇場でて言い合っておりました。
「なんか全然意味わかんない、ただ、砂浜に兵隊がいるだけじゃない」
「結局、どことどこが戦争してるの?」
「暗いし、誰が誰だかわからないし、かっこいい俳優いないし、何の話かわからないし」
「全然つまらない。何してるのかもわかんない、ただ飛行機飛んで、船沈んでるだけじゃない?」

思わず、「知性がネズミのクソな人たちがいる!!」と、振り返って顔見てしまいました、マジで。

説明はいっさいない映画だし、暗いし、物語というものもまったくありませんが、どこの、いつの、戦いかは、状況と台詞でわかるし、あそこに描かれているものが、そういう形でしか理解できないんだったら、あの映画見てもそりゃ面白くないと思う次第。
んで、「つまんない」って言ってる人たちは恐らく、そっち世界の人たちなので、ただ見る映画を間違っただけってことで見なかったことにする。

映画は、ダンケルクの戦いとダイナモ作戦について描いたものです。
ただ砂浜に立つ兵士が、飛んでくる飛行機の爆撃におびえ、死に、救助にきた船は爆撃と潜水艦からの魚雷で沈められています。
物語は、3つに分けて描かれています。
陸は、ダンケルクの浜に残されている兵士の中のひとり。
空は、彼らのためにダンケルクに飛んだイギリス空軍機スピットファイアのパイロットたち。
海は、ダイナモ作戦に散じたイギリス人の父と子。

必死に逃げ惑う若い兵士は、空爆に身を伏せ、やっと乗り込んだ船は魚雷で沈没、助けにきてくれた漁船に乗り込んだものの、ドイツ兵からの激しい銃撃に合います。
スピットファイアのパイロットたちは、爆撃に飛ぶメッサーシュミットと激しい空中戦を繰り広げる。
兵士を救いにドーバーを越える親子は、その空中戦の下を、幾人もの人々を救い上げながらダンケルクへと向かいます。

疲弊していく兵士たち。
命を懸けて彼らを救おうとする人々。
あっけなく死んでいく大勢の人たち。
ドイツ兵に銃撃にあう中で、「お前はイギリス人じゃないから」「お前は同じ隊じゃないから」と、どの銃撃の中に放り出そうとするへ兵士。
こんな小さな船じゃ何もできないと叫ぶ人の前で、「それでも彼らを助けにいく」と舵を取る男。
最後の最後まで、任務をまっとうして、恐らくその後命を失ったであろう人々。

ノーラン監督は、どの映画でも、どんなときにも決してあきらめない、信念を貫く人々を描いています。
この映画も、そういう映画でした。
物語はないなんて、何がなんだかわからないなんて、そんなこと言う人は蹴り倒していい。
ラスト、胸熱です。

音楽はあるんですが、音楽というよりも、もう完全に音が映画に溶け込んでしまっていて、それがものすごく緊迫感をあおります。
画面はほとんど灰色。
絶望感しかない映画でした。

個人的に、スピットファイアがものすごく好きなので、その勇士が見れたことがとてもうれしかったです。
ダンケルクの戦いの後、映画「空軍大戦略」につながる歴史的なスピットファイアとメッサーシュミットの戦いがあります。

いやぁ、もう、ノーラン監督に一生ついていくって思いました。

Posted on 2017/09/18 Mon. 12:31 [edit]

category: 映画

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萌え炸裂!! ~ ハイヒールの男  



映画好きな人の感想読んで、にわかに興味が出て観ました、「ハイヒールの男」韓国映画です。

いやなにこれすごい!!!
思いっきり、いろんなところに萌えを投入されるすごい映画でありました。

武器をもった大勢のやくざとかを素手で叩きのめす刑事、細マッチョで高身長、男が惚れる男、やくざすらもファンになっちゃうような男の中の男ってのが主人公です。
ところが、その主人公には、大きな秘密がありました。
彼は、トランスジェンダーだったのです。
つまり、身体は男だけど、心は女。
まだ少年の頃、同級生だった美貌の少年と相思相愛となった思い出を胸に、主人公は身体も女になることを決意して刑事を辞めます。
しかし、彼が解決した事件が思わぬ形で、その彼の決意をゆるがすことになります。

まず、すごいのは、主人公を演じている男優の、女性な演技。
いやもうこの方、超イケメンでガチ男くさい方なのですが、プライベートで素の自分になった時や、一瞬ふと見せる女の部分がものすごく色っぽい。
よくある、男優がオカマの演技しました!じゃなくて、ほんとうに女性の部分が出たってそういう演技。
んで、男という男が彼の男らしさに魅せられて惚れこんでしまうわけですが、それがつまり、彼が女である自分を捨てるために、必死で男になりきろうとしてるからだってところが、「うわああ!!」ってくらいすごい設定。
韓国はキリスト教徒がとても多い国なので、ゲイとかトランスジェンダーとか、神様的には許されないって部分があるので、そのあたりもこの映画の背景として、しっかり存在しています。

でね。
映画の中で、十代の頃の主人公と、彼と相思相愛だった美貌の少年とのやりとりが何度も何度もはいってくるんですが、これがもう、JUNEな世界なんですよ!!
ガチでJUNE。
ボーイズラブじゃないの、JUNEなの!!!
きれいさっぱりエロなしで、美しく清らか。

そして、さらに物語を盛り上げるのが、本当は女であるはずの彼が、なぜか気にかけているバーで働く女性の存在。
しかし、彼女は彼の名前も知らず、なぜ彼がそこまで自分にかかわってくるのか疑問に思いながら、ほのかな好意をもっています。
彼女がいったい何者なのかってところで、それがわかった瞬間、わたくし、「なんですとー!!!」になりました。
いきなりここで、私の大好物な”おっさんが少女のために戦う”が投入されてくるんですよ!!!

一粒で三度おいしいよ、この映画!!!

ラスト、どうなるかと思ったら、なんともせつない味わい深い終わり方でありました。
いやぁ、その後流れる歌もいい。
韓国映画、すげー。
韓流ドラマがいっさいがっさいだめなんですが、韓国映画はなんかいろいろいいのがあります。
「冬の小鳥」「コクソン」「プリースト」「アジョシ」と、もう本当によかったです。
ちょっとこれから注目していきたい。


Posted on 2017/09/08 Fri. 19:53 [edit]

category: 映画

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これぞアマゾネス ~ワンダーウーマン  

更新できてませんでした。
職場がかわったり、仕事が増えたりで、ばたばたしていて、ネット全然見れなかった。。。

で、見てきました、「ワンダーウーマン」。
待っていたよ。
待ち焦がれていたよ!



アメリカでは、ものすごい高評価だそうです。
なんていうかですね。
戦争描いているんですが、なんていうか、既存の表現や視点と全然違う感じがしました。
何が違うかって考えたんですが、今までの戦争映画とか、ヒーロー映画って、全部男視点、男目線なんですよね。
それが当たり前になってた。
でもこの映画、監督も女性だし、視点や目線が女性です。
いやいや、女性だからって、ナメてはいかん。
ガチで強い。
出てくる女性が、全員ガチです。
とくに前半のアマゾネスなみなさんの戦い、戦闘シーンは何十回でも見ていいレベル。
もう、ここだけでも見て。
お願いだから、見て。

ダイアナは、イギリスにもドイツにも属さないし、正義と悪という視点が我々と違います。
大局的なのですが、まぁ、神様の話だから、大局的で当然ってところなんですが、そういう視点で描かれているから、「なぜ、兵士なら死んで当然なんだ!」というダイアナの怒りに、見てるこっちがはっとします。
そうなんですよね。
死んで当たり前なんてないんだよね、本当は。

そうはいっても、物語は勧善懲悪なので、そこはきっちりヒーロー。。。っていうか、そういう話になっています。
いやぁ、見ていてうっかり泣いちゃった。
ダイアナがあまりにかっこよくて。
うわああああああああっっっ!ってなるシーンあります。
かっこよすぎて、めまいがしそう。

私はアメコミ苦手でして。
なので、アメコミを映画にしたものも、実はほとんど興味ありません。
バットマンシリーズが好きなのは、ノーラン監督が好きだからで、バットマンそのものにはまったく興味ない。
だがしかし!!!
ハーレクインちゃんとワンダーウーマンは違うぞ!!!

好きだっっっ!!!

字幕はアンゼたかしさんでした。
よっしゃ!って感じですよ!
見るべし!

Posted on 2017/08/26 Sat. 00:55 [edit]

category: 映画

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どこまでも銀魂だった ~銀魂  



Twitter とかで、「上映中止になる前に見に行け」とかいう声が高かった「銀魂」、見てきました。

いやぁ、隅から隅まで銀魂だったです。
誉めてます。
連載も初期までしか読んでいないし、アニメはたまにしか見ていない、かなり適当に好きな漫画って感じの存在でしたが、そういう私でも「銀魂だぁぁぁぁぁっ!!」ってなる映画でした。

初期の頃、腐った魚とか死んだ魚とか言われていた銀さんの眼が、ちゃんとそういう眼になっていたのが、個人的にヒットでした。
配役が素晴らしかったので、それぞれのキャラが、それぞれにしか見えないというか、もうその人にしか見えないのもすごい。
役者さんたちも、完全になりきっている感じだし、その人の個性とキャラがきっちりはまってるのもよかったです。
銀さんと神楽は、鼻ほじりまくってたしな(笑)

ただこれ、銀魂まったく知らない人が見たらどうなのかな?とは思いました。
まぁ、俳優のファンって人なら、見ても楽しめるかな。

上映中止になる前にって意味は、銀魂らしく、とにかくパロディ満載で、実際そのシーンで「え!!いいの!!これっっっ」とか「わーやっちゃってる!!!」とか声があがってたほどなので、見てのお楽しみ。

あと、見た人達がみんな、剛君の足が足が!!と叫んでいた意味がわかりました。
確かにあそこは、もう足しか見えない、見れない(笑)

役者さんたちの素晴らしさは言うまでもないんですが、特筆すべきは勘九郎さんで、いやもう、体当たりっていうか、「もっと選んでいいんじゃないのか?」くらいのレベルの演技しておられました→誉めてる

ってことで、上映中止になる前に、ぜひぜひ見てください。

Posted on 2017/07/20 Thu. 10:25 [edit]

category: 映画

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異色の殺し屋 ~ザ・コンサルタント  



コンサルタントじゃないやん!
会計士やん!! というツッコミが最初にあります。

田舎町で個人の会計事務所を開いているクリスチャン・ウルフは、高機能自閉症でもあり、数字の天才でもあり、卓越した格闘能力と狙撃能力を持つ殺し屋でもある・・・って、そんな話。
とある大企業で発覚した不正を、会計士として仕事を請け負ったところ、なぜか不正疑惑のあった人物と経理の部長が意味不明に殺害され、ウルフも命を狙われることに。
そして、最初に不正をあばいた女性までもが、命の危険にさらされます。

メインのストーリーはシンプルで、ふつーに殺し屋アクションなのですが、この映画、構成がものすごい。

メインのストーリーに、ウルフの少年時代がまず、重なります。
自閉症のよって、普通の生活を送ることが困難な彼が、軍人の父にどう育てられたのか。
母や兄弟との関係が挿入され、ウルフがどういう性格でどう育ってきたのかがわかる。

もうひとつ重なるのは、政府捜査官とその部下の女性のエピソード。
なんとこのふたり、映画の中ではウルフと一度も会いません。
裏社会でマネーロンダリングをしている謎の男を追う、その調査にあたり、その人が、クリスチャン・ウルフであることをつきとめるという展開になっていますが、このエピソードの本当の意味は、そこじゃない。
ラスト近くで、「なぜ、彼は彼女を選んだのか」という話になり、そこですべてが明かされるのですが、予想もしなかった展開に驚きました。

そしてさらに、過去を描くエピソードに出てくるウルフの弟。
現在のウルフはひとり暮らしで、父も弟もいません。
彼らはどうなったんだろう・・・と思っていたら、これも、思わぬところで登場。

これが、最後の最後で、パチっと音をたてて、ジグゾーパズルが完成するみたいな終わりで、もう、見事としかいいようがありませんでした。
よく、「伏線の回収」って言われ方されますが、私は実はこれ、好きじゃなくて、全部に説明がつくなんてことは現実ないし、つじつまあわせになってしまったら意味はないと思っています。
この映画は、そこから考えると、伏線の回収というやり方はしていません。
どれもちゃんと、一本の糸でつながっていて、ウルフという人間がその中心にいるのを、最終的にただ見せただけ・・・って感じがします。
だからラストで、「そういうことだったのか!」ってなった時に、意外性を感じるより、膝ぽん!になる。

本来は優しい性格のウルフが、彼にとってはとても難しい人とのコミュニケーションを上手く取っていこうとする姿が、この映画のもうひとつの素晴らしいところ。
誰よりも強く、頭脳明晰なでかい男が、おじいちゃん前に一生懸命話してるとか、か細い女性相手にどうしていいかわからなくてまごまごするとか、、、、

なんて、ご馳走!!! →よこしま炸裂

ベン・アフレックは、「チェイシング・エイミー」から本当に好きなのですが、この映画はタイミングがあわず、劇場で見ることができませんでした。
いやぁ、劇場で見るべきだった。
豪華俳優陣だし、物語もすごくよかったし、ありきたりな殺し屋ヒーローとかじゃない。
評判がよかったのもわかります。

いろいろ感想見ていたら、「数字の天才とか言ってるけど、会計士ならあれくらいやるのがふつーでしょ?馬鹿みたい」とか書いてる人がいて、「馬鹿はお前だぁぁぁ!!!」と襟首つかんで、あごがくがくいわせたくなりました。
大企業の10年分の決算報告書、たった一晩でひとりで読んで解析して原因究明するとか、無理だからな!!!

個人的には、ウルフのパートナーらしき、謎の電話の声の主が誰なのかってところ、正体が明かされたところで、思わず立ち上がって「そこかっ!!」って叫んでしまいました。
いやぁ、あのシーンはすごい。
自分的には、この映画でいちばん、さいこーに好きなシーンです。

いやもう、ここまで完璧な映画はそう滅多にない!!ってほどに、よく出来た素晴らしい映画でした。

Posted on 2017/07/18 Tue. 10:14 [edit]

category: 映画

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すっきりと子供のアニメ ~メアリと魔女の花  



こっち系のアニメは、最近はほとんど見ておりませんで。
みんなが大好き大絶賛のジブリも、ハウル以後は見てません。
個人的には、ジブリは「ラピュタ」までかなーなんて思ってます。

そのジブリ出身の米林監督の作品。
「思い出のマーニー」はテレビで見ました。
この映画、見ようと思ったのは、音楽と台詞が予告で印象に残ったから。

楽しかったです。
ふつーの子供のための映画でしたが、大人が見ても楽しめる。
いいなと思ったのは、メアリが子供らしいお馬鹿さんぶり大発揮なところ。
変に成熟したところとか、ない。
説教くさい部分もなし。
短慮で浅はか、おだてられたらいい気になっちゃって、でもあとでそれがどういうことだか気づいて慌てふためく。
うん、とっても子供だ(笑)

ジブリと比べて酷評している人も見ましたが、すでにジブリアレルギーになってる私が素直に楽しめたというところで、比べる必要を感じません。
絵とか雰囲気とか、そりゃもうジブリの空気満載ですが、あまり気にならず。
確かに、「これはジブリのあの作品にもあったような」って部分は多数感じましたが、それも別にとり沙汰するほどのことはない。

物語がとってもシンプルだったのが、とってもよかったです。
その分、細かいところがだいぶ差っぴかれてしまっていて、例えばピーターがどういう子かとか、どういう家庭の子かとか、ちゃんとした描写がいっさいなかったりしてたり、種を盗み出した魔女のいきさつ、その後がかなりアバウトな設定だったりとか、ちょっともったいないんですが、そこは尺の問題もあるので、見ていて気になるほどでもなく。
悪役な人達が個性的で、声をあてた俳優陣も上手だったので、楽しかったです。

ハリーポッターとか指輪物語とか、その他欧米のファンタジー映画って、どれも色がダークなんですが、日本のファンタジー映画なアニメはどれも色がカラフルでいいなーと、この映画見て思いました。
カラフルだし、明るいし、悲壮感がないのがとてもいい。
魔法の国って、子供視点だったら、こっちのほうが絶対いいです。

絵も演出も動きも、完全にジブリを継承している感じですが、今後、新しいプロダクションとして映画を作るにあたり、スタジオボノックとしてのオリジナルな部分をもっと出していってくれるといいなと思いました。
例えば、キャラの絵そのものとか、ジブリ継承じゃない絵やキャラを使ってみてほしいし、演出も、もっと違うテイストや色を出していってくれたらいいなと思います。
そうでないと、いつまでもジブリを引きずることのなるし。

この映画は、人が死んでません。
悪役はいるけど、極悪非道というわけじゃない。
マーニーに続いて、おばあちゃまと孫って関係がクローズアップされてて、最近そういうの流行なのかな?と思ったりもしました。

私は好きですよ、この映画。
かわいかった。

Posted on 2017/07/13 Thu. 11:11 [edit]

category: 映画

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