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すさまじき知的戦闘 ~女神の見せざる手



欧米では、賛否両論だそうです。
私は、俄然推します。
すごい映画でした。

無敵のロビーイスト エリザべス・スローン。
銃所持支持を広げ、法的にもそれを推していきたい大物が、スローンにロビー活動を依頼してきます。
しかし彼女は、鼻先でそれを断ります。
仕事を請けなければクビだという会社を去ったスローンは、銃規制を支持するロビー活動を行う会社にはいり、明らかに不利な状況の中、圧倒的なパワーと能力でその状況をひっくりかえします。
しかし、敵となった元会社と依頼主は、彼女のすべてを洗い出し、違法行為を晒すために彼女を聴聞会へ召還することに成功します。
それは、すべてお膳立てされた、彼女をつぶすための聴聞会でした。
けれど、その聴聞会で、人々は予想もしていなかった展開を見ることになります。

スローンは、自分の戦略を誰にも明かしません。
つまるところ、誰も信じていない。
どこでもれるかわからないし、どこでほころびが出来るかわからない。
ともに働く人たちは、結果として裏切られることにもなるし、だまされたということにもなりますが、敵となった相手にとっては、そんな生易しい事態をはるかに超えた、大きなダメージを与えることになります。
利用できるものはするし、踏み台になるものは踏みつけにする。
その結果、思わぬ事態を起こし、ひとりの女性が命を危険にさらすことになります。

しかし、映画を見終わった後、彼女は血も涙もない、誰も信頼、信用しない、勝利のためだけになんでもする人だったのかというと、いや、そうじゃなかった、まったくそうじゃないとなります。
彼女は、銃規制のために、それこそ自分の身を犠牲にして活動します。
それこそ、すべてを投げ出して、ロビー活動をします。
そして、人としての信頼や信用がなければ絶対に叶わないある戦略を、彼女はしいています。
それこそがジョーカー、切り札となって、見ている我々も驚くような形で使われます。
それが出た瞬間、私、思わず口をおさえて、呆然としました。
すごいです。
見事です。

そして、彼女はお金で動いていません。
それもラストではっきりと示されます。
だったら彼女は何のために、あそこまでのことをしているのか。
勝利の美酒に酔うためなのか?
恐らくはそうではないでしょう。
彼女は、恐らく誰にも理解できない、彼女の信念に基づいて戦っていると思います。

キィパーソンは3人。
彼女に離反して、敵となった会社側に残った元アシスタント。
新会社の有能なアシスタント。
そして、彼女が金で買っていた男。
彼女ら、彼らは、スローンと親しいわけでもないし、ある意味彼女に利用されているし、ぞんざいに扱われています。
しかし、そこには、絶対的な信頼と信用がありました。
普通にはない、誰にも理解できない、スローンと彼らだけにしか存在しえない、起こりえない信頼関係です。

ひとつだけ、ネタばれですが。

彼女が金で買っていた男、はっきりいってチャラかったです。
しかし彼は、映画の中で唯一、スローンが弱さをさらけ出したのを見た人物です。
彼は聴聞会に召還され、スローンを潰すための材料に使われます。
しかし彼は、「スローンとの関係に売春行為があったか」という問いに、「いいえ」と答えます。
「ホテルのスタッフが数名、あなたが彼女の部屋にはいっていくのを見ている」と言われても、彼は「売春行為はありません」と応える。
聴聞会は、そこに召還された際、真実を言うことを宣誓します。
虚偽を延べれば、重罰に処れる。
彼はそこで、”嘘”をつきました。
しかし聴聞会側は、「お前は嘘を言ってるだろう」とはいえないのです。
彼は、客のプライバシーを守るという職務上のルールを、徹底的に貫きました。
それは、形こそ違えど、その仕事のプロとして、スローンに通じるものがあります。

とにかく台詞量が多いです。
あと、内容が政治的なので、そもそも日本語でも難解で、そんなの英語でわかるわけもなく。
アメリカの政治とか銃に対する考え、規制派と肯定派の戦いがどういうものかなど、ある程度わかっていないと、「意味わかんねーよ」になってしまうかもしれません。
終わった後、頭疲れてました(笑)

最後、誰かが彼女を迎えにきていたように見えました。
それが誰だったのか、わかりません。

個人的には、ものすごくヒットな映画でした。
ウェットなところがいっさいなく、情に訴えるシーン皆無、スローンの過去だの愛だのなんだの、きれいさっぱりありません。
鋭利な刃物がぎらぎらしたみたいな、脳みそで戦う人々の映画ですが、個人的には、かなり好きな、心に残る映画でした。

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