orb

アニメとGAMEとマンガな日々
MENU

そして少女たちは大人になる ~ 本屋さんのダイアナ

    

文庫化、待ってたー!!!(喜)

“大穴”と書いて“ダイアナ”と読む名前を持つ主人公。
「超ラッキーな名前じゃん!」と言ってるキャバ嬢の母ティアラは、ダイアナを16歳の時に産みました。
細い華奢な身体に、とがったあごと大きな目を持つ美少女ですが、ティアラに髪の毛をブリーチされて、小学生ながら金髪。
内向的で本の好きなダイアナは、クラスで孤立していました。

そんなダイアナの親友になるのが、彩子ちゃん。
編集の仕事をしている穏やかなお父さんと、お料理を教えているナチュラル派美人なお母さんをもつ、ちょっとセレブな女の子です。
すっとしたきれいな彩子ちゃんは、クラスでもみんなから一目置かれていて、彼女にあこがれる子はたくさんいます。

そんなふたりが出会い、無二の親友となり、とあることから絶好となり、そして再会して再び友人となるまでの長い時間を描いたこの小説。
なんというか、懐かしさがいっぱいの物語でした。
たぶん、多くの女性が、この物語のどこかに、かつての自分を見つけることになると思います。
さらに、ダイアナと同じ年頃に、彼女が好きだった本を読んだ人にとっては、楽しさが倍になります。
この小説は、「赤毛のアン」を下敷きにした部分がたくさんあって、アンシリーズが好きだった人には、たまらない部分たくさん。

ダイアナも彩子ちゃんも、女の子にありがちな意地や見栄があり、理想とする自分と現実に在る自分とのギャップに悩み、それぞれが“本当の自分”を別にもっていたりします。
その“本当の自分”は、実は、本人が思っている形の自分ではなく、彩子ちゃんから見たダイアナであり、ダイアナから見た彩子ちゃんです。
ふたりは互いに、その“本当の自分”を互いに知る者、認める者同士としての道を歩いていきます。

キィパーソンとなる、ダイアナの母のティアラ。
彼女がどうして家を出てしまったのか、詳細は語られていませんが、おおまかな事はさくっと本人が語っています。
ティアラが娘のダイアナや彩子ちゃんに語る、「女だからってナメられたらだめ。自分の力でつかみとれ、自分が戦うんだ」という言葉は、ダイアナと彩子ちゃんが大人の階段を上りだして初めて、理解するに及びます。
誰からも理解されることのなかったティアラは、強くたくましくしなやかに生きて、後輩の女の子たちにエールを送ります。
なんてすてき。

みんなからの理解を拒絶したダイアナ、みんなに受け入れてもらうために自分を隠した彩子ちゃんは、それぞれ20歳を超えて、それぞれが大きな一歩を踏み出します。
それは、それぞれが自分にかけた呪いを解く、大きな、大事な一瞬。
がんばれ!とエールをおくりたくなるような物語の終わりでした。

この物語に出てくる大人は、とてもまっとうで、ごくごく普通の人たちでほっとしました。
あからさまな悪意や敵意に満ちた大人を描く小説が増えている中、“ごく普通にまっとう”な大人をきちんと描いた、最近は数少ない貴重な1冊でもあると思います。

途中から、SFとハードボイルド街道まっしぐらにはいっていった私とは違い、ダイアナはきっちりかっちり文学少女の道を歩いていっていて、すごいなぁと思いました(笑)

スポンサーサイト

該当の記事は見つかりませんでした。

Leave a reply






管理者にだけ表示を許可する

Trackbacks

trackbackURL:http://orbyano.blog75.fc2.com/tb.php/4443-5c0c647f