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アニメとGAMEとマンガな日々
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熱い青春小説 ~ゼロワン



若木未生と聞けば、ラノベのタイトルの方が有名だと思いますが、この本はそのイメージで読むと「え・・・」ってなってしまうと思います。
物語の主人公は三十超えた男、声優の仕事をしながら、お笑いの道を目指しています。
彼の相方は、かつての親友の弟。
ふたりは若手漫才師たちの頂点を目指す、マンザイグランプリに挑戦します。

私、実は吉本系のお笑いが苦手で、テレビとか見ても、「おかしくもなんともないのに、なんでみな、笑ってるんだ?」という感じのことが多かったのですが、ある時、今いくよくるよ師匠の「どやさ」を見て、吐くほど大笑いし、そこでふと「同じ吉本で何が違うんだ?」と考えたことがあります。
そこで大阪出身の知人が、「師匠たちの芸は、磨きぬかれた、計算されつくしたお笑い芸、あれは芸術」と説明され、なるほど、これがつまり芸人の技ってやつなのか!!と感動しました。

もしこれがテレビとかだったら、普通に笑って終わるところ、この物語はそこがまさにバトル。
すさまじいヒリヒリ感と緊張感があふれ出し、読むのが止まらなくなりました。

ゼロワンのふたりを結ぶのは、主人公の親友であり、相方の兄だった天才肌の男の死です。
ゼロワンのライバル、独自の世界を持つクロエの笑いの軸になっているのも、死です。

クロエ兄の狂気とも言える笑いへの欲求は、底知れぬ暗い淵からあふれ出た彼の叫びであることが、読み進めるうちにわかってきます。
そして、一見明るくナイスガイなクロエ弟にもそれは確実に存在している。
その叫びが、観客の笑いを引き起こすシーンは、寒気がくるほどに狂気じみています。
しかしこれ、もしテレビで見ていたりしていたら、私自身もただ笑って終わっていたかもしれません。

主人公は30代、人生に成功しているとは到底いえない男です。
それで青春小説って言い方はどうよ?って言う人もいるかもしれません。
いてもいい。
これは確実に青春小説だと、私は思います。

挑戦するということ、やりなおすということ、葛藤をかかえ、悩みながら、挫折しながら、地にはいつくばり、反吐をはきながら、それでも手をのばすことをやめず、高みに手をのばし続ける人を描いた、青春小説だと思います。

会話のテンポがとてもよく、個人的にはこちらのほうが気楽に楽しめました。
お笑いのシーンは、ガチで戦闘シーンだった(笑)

感想とか見てたらクロエを好きって言ってる人が多かったのですが、私は断然、耳付きこいぬ師匠推しです。
こいぬ師匠の芸を見たいです!!!

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