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アニメとGAMEとマンガな日々
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名作の影で ~少年の名はジルベール



私の遺伝子には、竹宮恵子と萩尾望都ががっつり食い込んでいます。
この本は、その竹宮恵子さんが初めて書いた、“竹宮恵子ができるまで”な本でした。

竹宮恵子といえば、「風と木の歌」「地球へ・・・」という人が多いと思いますが、私には、「ヴィレンツ物語」と「ウィーン協奏曲」の人です。

ピアノをずっとやっていた私、初めて「ヴィレンツ物語」を読んだ時の衝撃、忘れません。
エドアルド・ソルティのヴァイオリンの音に焦がれた女の子でした。
(影響受けたのは、妹も同じで、今、ヴァイオリンやってる)
「ウィーン協奏曲」で主人公が、「ウィーンの街は、どこからでも音楽が流れてくる」って思うシーンがあって、今もってそれが一枚の絵として心に残っています。

それらのだいぶ前に連載になっていたという「ファラオの墓」は、友人のお姉さんが単行本全巻持っていたので、借りて読みました。
マジ、徹夜本だった。
当時、中学生だった私の脳天、かち割るくらいに衝撃を与えてます。
亡国の王子と宿敵となった孤独な敵国の王、その間で苦悩する主人公の妹、謀略の限りを尽くす大臣などなど、まったくもって少女マンガじゃないけれど、少女の心に、怒涛の炎をつけたマンガです。
今は、その種のマンガも少女マンガには珍しくないけれど、連載当時の時代背景考えたら、たぶん、すごい挑戦的な作品だったでありましょう。

竹宮先生!!!
アンケスエンは、13歳の私に、人生の指針を与えた人ですからっっっ!!!


白い花が咲き乱れる中で、自害の道を選んだ彼女の最期に、ベッドの中で声あげて泣いた私だ。

そういう作品が生み出される裏で、竹宮さんの苦悩と苦闘がどれほどだったか、この本に書かれていました。
ひとりの作家が、創作するということに向かう中で、どれほどのものを抱えるか、考えるか、戦うかがうかがえました。

竹宮さんが萩尾望都さんに抱き続けた複雑な想いも、この本には正直に書かれています。
私は萩尾さんの書く物にも多大に影響受けていますが、竹宮さんと萩尾さんでは、まったく違うと思っています。

「風と木の詩」、何度か読もうとして挫折し、少し前にやっと全巻読みましたが、私、まったく好きになれませんでした。
どいつもこいつも、ろくでなし!!
嫌な奴ばっかり!!
・・・って感じで、とくに主人子のセルジュには、ムカつくだけ。
なんだよ、こいつ。善人ぶってるが、ただの無神経な人間じゃないか!ってなってました。
しかしそこで、我が家の貴重蔵書でもあるその続編「神の子羊」(小説)読み直してみて、「あ、竹宮さんは、セルジュはそういう人間だってして書いていたんじゃないのか?」ってなって、そこで「うわーーーーーーーー!!!!」となりました。

「地球へ・・・」もそうですが、それぞれの立場、それぞれが生きてきた背景、そういうものの中に存在するどうしようもない宿命、とか。
そういうものを描くということにおいて、竹宮さんはすごい。
立場の違う人たちが、関わり、離別し、しかしその出会いによって作られていく歴史や物語、人生というものを描くのは、竹宮さんは絶品です。

竹宮作品は、挑戦的なマンガや優れたSF作品がたくさんあります。
「夏への扉」 「姫くずし」 「集まる日」「オルフェの遺言」「ジルベスターの星から」「私を月までつれていって」

今は、大学で教鞭をとられているとのこと。
新作はもう読めないのかぁ・・・と思うと、ひじょうに残念でなりません。
ってことで、この本読んで、過去の竹宮作品を総ざらいで読みたくなりました。

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