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アニメとGAMEとマンガな日々
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魂の輝き ~ ワンダー



電車とかで読んではいけない本です。
家で読みましょう。
誰もいないところで、じっくりと。

オーガストは11歳、顔に重度の奇形をもって生まれました。
産科の医師が、卒倒するくらいの重度の奇形です。

そう長くは生きられないだろうといわれたオーガストは、何十回もの手術を乗り越えて11歳となり、体力もつき普通の生活が“とりあえず”送れるようになって、初めて学校に通うことになります。
オーガスタは子供だけど、とてもよくわかっていました。
自分の顔を見た人々の驚愕と恐怖、そして何を思ってどう対応するか。
当然、通いだした学校で、同じクラスのすべての子供たちが、オーガストに対して、大なり小なりの拒否反応を示します。

人間、自分と違うものに拒否反応を示し、排除しようとするのは、顔が奇形じゃなくても、姿形や言語はいっしょでも、あります。
どこでにでもあります。
そしてそれは常に、悪意に満ちて、とても嫌らしい言動を伴い、そして残酷です。
子供の世界ではそれが、とても顕著に現れる。

この本のすごいところは、小説だから、オーガスタの顔がわからないというところ。
お姉さんが若干描写してる部分がありますが、我々はオーガストの顔をリアルでは見ることは絶対にありません。
だからこそ、ですが、読んでいる我々にわかるオーガスタは、思いやりがあって、頭のキレる、面白い普通の子供です。
ごくごく普通の、当たり前にそのへんにいる子供。
けっこういい奴。

某かの障害や奇形を持つ人に対する嫌悪感というのは、人間の本能としてどうしようもないものです。
ただし、それは視覚的に一時的なもので、人間は慣れます。
見かけがちょっと違う、でも中身は普通ってわかったら、ほとんどの人は外見を気にしなくなります。
これも、人間として普通にあることです。

だからこそ、慣れたとしてもまだ、そういう人たちに嫌悪をさらけ出して排除しようとするのは、明らかな悪意です。
その悪意を避けることは、残念ながら、どんな人にも出来ません。

この本を読んで、「ああ、こういうふうに、ダイヤモンドみたいに輝いた魂をもつ人、いるよな・・・」って思ったのは、サマーという女の子です。
彼女にとって、オーガストは「顔があんなだから、ひとりぼっちになっててちょっとかわいそうな子」でした。
だったら私がいっしょにランチしてあげてもいいな。
彼女にとっては、本当にそれだけのことです。
しかし彼女の行動は、大人でも出来る人は少ない、勇気ある素晴らしい行為です。
11歳のサマーにとって、オーガストは、「すっごい楽しい、ちょーいい奴。オーガストと話してると、とっても気が楽で、なんでも話せるんだ!」でした。
サマーには、多くの人に立ちはだかってしまう嫌悪感は、まったくありません。

ジャックは、ちょっと勇気のある、普通の子供です。
最初は先生に頼まれたから、オーガストと仲良くしようとがんばります。
ジャックが選ぶ道は、あの場所ではとても勇気が必要なことですが、ジャックは戦います。
ジャックとは別に、“みんなといっしょ”にやらない子が3人います。
名前しか出てこないけど、ふたりのマックスとリード。

この4人の子供はすごい。
本当にすごいと思いました。
あの中で、みんなといっしょにオーガストをのけものにしない、いじめないということに加担しないことの勇気、判断をする子供って、どんな子供なんだろうと、2人のマックスとリードのことも知りたくなりました。

この物語が伝えようとしたすべては、実は冒頭にあります。

お母さんがオーガスタを生んだとき、ひっくりかえった医者を蹴り飛ばして、お母さんにつきっそって、手を握り締めてずっと励ましてくれたのは、ぶっきらぼうで意地悪そうにみえた、しょっちゅうおならばっかりしている看護士さんでした。
その人が、お母さんの耳元でささやいた言葉。

「神様から生まれた者はみな、世に打ち勝つのです」

オーガストと親しくなったことでいじめにあうようになったジャックを、オーガストのお姉さんのボーイフレンドが助けます。
そのボーイフレンド ジャスティンは助けた後に思います。

「世界はオーガストに優しくない。
 あんなふうに生まれてしまったことは、まったくもって公平じゃない。
 けれど、オーガストを愛する人、オーガストのために涙を流す人、オーガストのために戦う人がいる。
 すべてを差し引きすると、公平になる」

この本は児童書です。
子供向けの本らしく、優しくわかりやすい文章で簡潔に表現されていました。

その本読んで、大人の私が号泣しました。

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