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小さな町の片隅で女子たちは夢を見る ~ここは退屈迎えに来て



キンドルでセールになっていたので買って読みました。
どこだかわからないけど、地方の中規模の都市に生まれ、そこで生きる女の子、女性たちを描いた連作です。

国道沿いに並ぶ中古車販売店、ツタヤ、書店、ファミレス、コンビニ、大型ショッピングモール、ファーストフードの店、車がなければ生活するのは大変な地域で、東京や外国にあこがれを持ちながらも、自分の生まれた場所、そこにいる人々の中に、ゆっくりと沈んでいく女の子たち。。。。。。という印象の本でした。

私は横浜以外は札幌にしばらく住んだ以外、長期的に住んだ場所はなくて、あとはサンディエゴにちょっといたくらいなので、いわゆる地方都市の生活というのは知らないのですが、友人には地方都市出身の人もたくさんいるので、彼女彼らに話を聞いて知ってる程度で、あとは映画「下妻物語」で見た範囲でしか知りません。

サンディエゴで住んでいたところこは、高級住宅地のはしっこみたいなところでしたが、免許もってない私はバス亭まで10分くらい、スタバまで徒歩20分(ショッピングモール)で、学校にバス通学していたのですが、片道2時間半かかったので、朝6時にバス乗ってました。
下宿させてもらっていた友人が富山の地方都市出身だったのですが、彼女のそこでの生活スタイルは、富山でのそれとほとんど変わりないみたいで、アメリカの郊外の生活と日本の地方都市での生活って、とっても似ているんだって思った記憶があります。

本に出てくる女の子たちは、「ここではなく、別のどこかへいきたい」と願いつつ、無自覚のままに、その土地、そこに生きる人々の中に少しづつ沈んで行っています。
20代後半から始まる物語は過去にさかのぼり、高校生で終わっていますが、それは、一度東京でマスコミ関係の仕事をした女性が夢破れて山河ありで地元に戻り、「帰ってきたけど結婚もしてない、いい年の娘」というタイトルを背負いつつ、なにやらほっとした部分を感じている状態から、いろいろな希望や願いを持っていた高校生の女の子へ帰結していっています。
逆から見れば、希望と願いはさまよった挙句に、元いた場所に戻っているという皮肉な形にもなってる感じ。

この連作にはキィパーソンがひとりいます。
椎名君という男の子で、小学生の時からきらめくような才を見せて、どこへいってもみんなの注目を浴び、誰もが彼を好きにならずにはいられなかった椎名君は、サッカーで世界に羽ばたくかと思いきや、実業団をやめてしまい(理由は書いていない)、そのままなしくずしにゲームセンターの店長とかやったりして、自動車教習所の先生になって、紹介でつきあいはじめた地元の女性と、そのまま結婚していきます。

かつてはみんなのあこがれだった椎名君が、いつのまにかその輝きを失い、女の子たちのかつての希望と夢の残像の象徴として登場してくるのですが、そこ、印象的でした。

もうひとつは、登場する女の子たちが基本、なぜか車の免許を持っていない、あるいは長く運転をしていなかったという設定になっています。
これはつまるところ、彼女たちがその土地、町で、自分の立ち位置を冷静に見極め、見つめ、自立していく象徴が車の免許ってのにつながってます。

その部分において、都心でしか生活したことのない私が都心部で生きる女の子たちを表現するのなら、電車やバスで、ひとりでもどこへでも行かれる我々は、それをつかって自分の力でひとりで行かれるところまでいくのか、それとも、いっしょにいってくれる友達や彼氏を探す、あるいは彼氏の車の助手席をゲットするのかってところがあるように思います。

地方都市出身の友人知人、同僚の女性たちの口から、「どうしようもなくなったら、地元に帰る」って言葉をよく聞くことがあったのですが、帰る場所はここ(横浜)な私は、どうしようもなくなっても、帰る場所は他にないって背水の陣でもある(笑)

明るい小説なので、読後感とてもさわやかでした。

東京にいったら、こことは違う素晴らしいものがある!みたいな感覚が本当に地方在住の女の子たちにあるのかどうか、そこがひじょうに疑問なのですが、オタクにとっては東京は聖地(コミケ会場)なのは確か。

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