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アニメとGAMEとマンガな日々
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とりあえず最終回を見ようよ

世の中、「死にたい」とかすぐに言っちゃう人とか、そう言ってみんなの注目を引こうとする輩は山ほどいますが、中にはほんとうに、静かに、“死”をまん前にして、見つめちゃう人は確実にいます。

最初にはいった会社で、斜め前に座っていた男性の先輩が、会社近くのビルの屋上から飛び降りて自殺しました。
まだひよっこだった私には、彼の仕事状況がどんなだったかはわかりませんでしたが、土日も出勤していて、部長や課長が鬱憤晴らしみたいにして、しょっちゅう彼を怒鳴っていたことを覚えています。
もうひとつ、彼にはどうやら好きな人がいたみたいですが、上手くはいかなかったってのも、本人が漏らしたことで、なんとなく知っていました。

亡くなった後、自殺だったということで、会社関係者以外の参列はほとんどなく、ひっそりと行われました。
電話対応のため、おじちゃま社員とふたりで会社に残っていた私が葬儀会場につくと、先輩が駆けてきて、私に抱きついて号泣して言いました。

「葬儀の準備が終わった時、彼のご両親の前で部長が、『葬儀まで時間あるから、麻雀でもしにいくか?みんなこいよ』って言った」

彼の死の原因の一端は確実にその部長にあるわけで、私にしがみついて泣く先輩を見ながら、「人でなしなんだよな」って思った私。

彼の同期の男性陣が悲痛な様子で顔つきあわせていましたが、身内の死を早くに経験していた私は、彼らの悲しみは本当のものでも一時的なもので、10年後にはほとんどの人がこのことを記憶の底に沈めてしまうことも知ってました。

“死”は、その人自身がいなくなることもあるけれど、他人にとっては忘却でもあります。
そこにいないものを、いつまでも覚えている人は、意外に少ない。

人に言うことではないので、身近でも詳細知ってる人はあまりいませんが、私の人生、相当に波乱万丈で、全履歴を聞いた友人のたっきーが、新宿のスタバで声あげて泣いたってレベルということで、察していただければと。
一度、完全に心が壊れてしまって、命危ぶまれたこともあり、よくもまぁ、あの状態を乗り越えたよなぁと、今、あらためて自分で感心しているほど。
死の淵に一瞬でも立ったから、いろいろわかることはあります。

世の中には、死んじゃった方が楽なことはたくさんあって、それについてはまったく否定しません。
気力も体力も根こそぎ奪われて、それでも戦わなきゃだめなんて、そんなの無理無理。
人は、たとえ友人だろうが恋人だろうが、時には家族や親族だろうが、助けの手をさしのべるどころか、時にはさらに石持て投げつけてくることもあるし、助けたいと思ってくれる人がいても、どうしようもないってこともたくさんある。
結局のところ人間、そこまでいったら、自分ひとりで戦うしかないです。
けれど、そうなったらもうたいてい、人は滂沱の涙流しながら、荒野に立ち尽くすしかなくなります。
そういう時は心が先に死んじゃうから、感情も動かなくて、すべてが停止する。

んで、その停止した中で、茫洋と死を身近に感じた時に、私が何を考えたかというと、「ワンピースとベルセルクの最終回、見てない」でした。
これは本当に。
その時、1週間くらいの記憶も喪失してるし、軽い失語症になって会話もできなくなってて、人と会うのが恐怖(人と会うと、歯が鳴るくらい恐怖で震えた)で外にも出られない状態。
その状態でマンガのこと考えたのは、骨の髄までオタクと思いますが、ワンピースとベルセルクが私の最後の一線でした。

その後、別件で泣きながら飛行機にのってアメリカ逃亡はかった際、オタク友たちが「今期のアニメ、これさいこーだから、帰ってきた録画してるの全部データに落としてあげるから見てね!!」とか、「XX先生の連載始まったよ!!」とか、がんがんメール送ってきてました。
行ったときは、二度と日本になんか帰るもんかって思ってた私は、友人たちからのオタ情報見ながら、少しづつ、ゆっくりと自分を取り戻してたです。

オタク友とかと話していると、この「最終回、まだ見てない」で危機を乗り越えた人はけっこういて、みんな同じだなぁって思いました。
あるいは、アニメ見る、ゲームする、マンガ読むことで、最後の一線を越えることなくがんばることが出来たって人も、たくさんいる。

オタクの人じゃないけれど、友人で、一時本当に大変で、みんなで自殺を心配していた人がいたのですが、なんとかそこから脱して元気になり、ほとぼり冷めてから彼女が言ったのは、「マンションの上から本当に飛び降りかけた時、『あ、明後の“とんねるずのみなさんのおかげです”のゲスト、XXXさんだった』って思ってやめた」でした。

XXXさんは、彼女が昔から大好きだったっていうタレントさんで(私は知らない人)。
知らない人が聞いたら、馬鹿馬鹿しいとか、どーせ死ぬ気なんかなかったんでしょって思うかもしれないですが、本気で死にかけてたからこそ、そんなことで、一瞬我にかえるってのはあります。

「ワンピース」と「ベルセルク」に命救われた私ですが、あれからだいぶたつが、ふたつとも連載終わってない(笑)

オタクだったら、「あのアニメの最終回をまだ見てない」でもいいし、「ゲームを最後まで終わらせてない」でもいいし、「予約したグッズをまだ受け取ってない」でもいいです。
いつもだったら何も思ってない、日常、当たり前のことが、あなたの命の最後の一線を守ることになるヨって、そういうお話。

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