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レイオフというものについて ~マイレージマイライフ

レイオフとかリストラとか、耳にすることはよくあっても、実際を知っている人は、日本ではまだまだ少ないと思います。
「マイレージマイライフ」は、そのリストラやレイオフの宣告と条件提示、交渉を企業から請け負うプロフェッショナルを描いた物語です。

未だに日本ではレイオフやリストラと聞くと、“仕事出来ない人”“会社が必要としない人”という印象を持たれていますが、実際にはそういうケースは少ないです。
会社の業績が悪くなったり、経営上の部門売却や縮小に伴うものなどについては、本人の能力とは関係なく行われ、給与が高い人や利益の少ないプロジェクトを担当していた人などが最初に対象になります。
大がかりなレイオフが行われる場合は、会社の経営がうまくいかなくなっている証明でもあるので、能力の高い人がリスクを負わないうちに先を見越して辞めていく、あるいは自分からレイオフリストに載るように名乗りを上げることもよくあります。

レイオフ(この単語でまとめます)の場合、会社からパッケージと呼ばれるものが用意されます。
辞めていただくにあたり、会社が提示するお金だったり、就職サポートの会社との契約だったりしますが、対象者によって内容はかわってきます。
一千万以上提示される人もいたりしますが、1か月~3か月分の給与というのがわりと一般的。

事情はどうあれ、会社から告知を受けてショックを受けない人はいません。
自分に否がないとわかっていても、状況は完全にネガティブだし、全自分を否定される瞬間でもあります。
この先どうしていくんだという不安も、怒涛のように押し寄せます。
私も何度かレイオフの経験がありますが、慣れるということはありません。
この映画では、告知された人達のショックや不安をすごく上手に描写していて、自殺する人もでてきていますが、これは実際出てくる可能性ありますし、実際あります。

この映画を好きな理由は、ジョージ・クルーニーが、レイオフ対象者に対して、冷酷でビジネスライクに告知しているだけではないという部分です。
白髪の年配の男性がショックを受けて涙ぐむシーンで、ジョージ・クルーニーは、その人が過去、料理の道に進もうとした事があったことを思い出させ、可能性はまだあること、彼の人生がここで終わったわけではないこと、レイオフが彼のすべてを奪ったわけではないことを示唆します。
映画ではまったく描写されていませんが、そのシーンで、クルーニーが、担当したレイオフ対象者にただ告知してるだけなのではなく、詳細を調べ上げていて、レイオフで人生が終わるわけではないことを示唆しているのだろうというのがわかります。

レイオフがきっかけで、人生を大きく変えた人はたくさんいるし、チャンスをつかんだ人もいます。
知り合いの女性は、破格のパッケージを提示されて、それでアメリカ留学をしましたし、ヨガインストラクターになる大きなきっかけになった人もいます。

映画の中で、大学出たばかりの頭でっかちなオンナノコが、機械的に告知を行った中のひとりが、自殺します。
告知した時、「このまま橋にいって、そこから飛び降りる」と、その人ははっきりいっていました。
その人が本当に飛び降りてしまったと知り、オンナノコなスタッフは、その仕事の大変さ、過酷さを知ります。

私はこの映画で、レイオフ告知のエキスパートたちが会議室に集結し、打ち合わせし、トップの掛け声とともにアメリカ中に散っていくであろうシーンがとても好きです。

告知された中には、家族や家のローンがある人はもちろん、親の介護していたり、病気を抱えていたりする人もいるでしょう。
収入の道が断たれ、健康保険の支払が自己負担になり、年金の支払い通知が送られてくるようになり、明日からどうやって生活していくのかという不安に押しつぶされそうになって、この先どうなるかもわからない状態になるのを、喜ぶ人はいません。

世界中に散っていく彼らは、最後通牒をつきつけると共に、あのジョージ・クルーニーのように、「これであなたの人生が終わるわけではない、これをチャンスに変えるかどうかは、あなた自身の選択なんだ」と、暗に人々に伝えていくのだと思います。


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