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読書会の醍醐味



読書会に参加してきました。
課題書は、前回参加した別の読書会と同じ、「33年後のなんとなくクリスタル」。
ふたつの読書会、それぞれにどういう違いがあるのかとか、ちょっと楽しみでした。

最初の読書会は、年齢層も幅広く、大学生から50代以上の男女混合、100人以上の人が集まりました。
田中康夫さんご本人の出席もあり、直接質疑応答する事もできて、ひじょうに内容の濃いものになりました。
面白かったのは、20代から30代の男性のほとんどが、ことごとく、本に書かれている人達の生活や価値観をdisったこと。
きらきらした大学生活を送っていた男女が50代になり、セレブな生活を送っている様子はリアルではないという意見が出ました。
しかしそこ、田中康夫さんご本人が、「家事や子供の面倒見るのに追われ、仕事に埋没しながらリストラにおびえる描写だけがリアルなのか?」と投げかけてきて、「ここにいる彼女たちの“リアル”というのもあるはず」と言っておられて、なるほど。。。と思いました。
30代半ばくらいの女性が、「未婚で働く女性がひとりいてほっとしたが、まったく共感できなかった」と言っていて、こちらもなかなか興味深かったです。

もうひとつの読書会は、六本木ミッドタウンで行われる、作家の方が主催の集まりで、人数は多くありませんでしたが、年齢層は、前の読書会より明らかに高く、登場人物と同世代の方もけっこういました。
ひじょうに興味深かったのは、34歳の女性の方が、「バブル世代の人は、夢を語ることが出来るのが素晴らしいと思う。それより若い世代は妙に達観してあきらめた感じがあり、30歳超えたくらいで、『私たちはおばさんだし』って口々に言ってるのに違和感があるほど」と言っていたこと。
51歳の女性は、「年齢に関係なく人には成長があって、常に歩き続けることができるというのが感じられてうれしかった」と言っていました。
また、こちらでの男性は40代50代でしたが、「小説としては面白くなかったが、時代を象徴するものとして見るととても面白い」という意見、「読む人の世代や価値観、考え方でまったく違う印象が残る、珍しい小説」と評した人もいて、これもなかなか面白いと思いました。

本だけでないと思いますが、感想や意見を述べるのもスキルが必要だなと、最近感じることが多々あります。

映画や本の感想をネットで色々探してみてみると、映画感想ブログと称していても、「面白かった」「ちょーお勧め」だけしか書いていないものがたくさんあります。
どう面白かったのか、どのあたりがお勧めなのかは、たいてい書いていません。
中には、その後に食べたラーメンのおいしさが長々と書かれていたりして、「?」になるものもけっこうあったりします。
文章があるものについても、要約されたあらすじだけで、感想は「泣いてしまいました、良い映画でした」しか書いていなかったりとか。

それは感想とは言わないよなぁって思っていたら、読書会でも同じ意見が多数でて、「だから、こういう会でいろいろ意見交換できるのは面白いし、刺激がある」という話しになりました。

もちろん、反論異論も出ますが、会の主旨として、違う意見だからといって、相手を否定したり罵倒したりするのは禁止されています。
禁止されていますが、それ以前に、そういうことをする人は見たことがありません。
考えてみれば、色々な意見聞きたい、他にどんな感想や印象があるのか興味あるって人達なので、自分と違う見方、考え方があって当然という気持ちで参加しているから、「お前のその考えは間違ってるんだよ!」みたいなものは最初っからないのだと思います。

違う意見を聞くと、「なるほどー、そういう考え方もあるのかー」ってなって、とても面白いです。
自分にはなかった視点は、新鮮だし、勉強になる。
意見を述べるからには、ツッコミや質問にもきちんと対応する必要は当然出てきます。

ミッドタウンの読書会は、出版社の方が多く参加されていて、作り手になる人達ならではの意見を聞く機会にもなりました。
田中康夫さんは、執筆に長く時間をかける方だそうです。
先の読書会でご本人とお話しする機会もありましたが、丁寧で誠実な方だという印象を受けました。

「33年後のなんとなく、クリスタル」ですが、主人公はヤスオで、田中康夫さんご本人まんまのキャラと経歴です。
なので、読者はこの小説が、フィクションなのかノンフィクションなのかわからないまま読むことになります。
登場する女性たちが実在すると信じている人もけっこういましたが、私は全員、ある程度モデルになる人はいるにしても、全員架空の人物であろうと思っています。
某出版社の編集の方も言っておられましたが、もしそのあたりも、田中さんの術のひとつだとしたら、田中さんはそうとうな策士だなって思います。

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