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衝撃のミステリー ~その女アレックス



「このミステリーがすごい!」てトップだったという、「この女アレックス」を読みました。
「このミス」でトップだったもの、過去いくつか読んでますが、どれも私にはピンと来ず、そこまですごいとも面白いとも思ったことはなかったのですが。
「この女アレックス」は、正直、びっくりしました。

三部から成る物語ですが、最初は美しい30代の女性アレックスが誘拐され、全裸で監禁されるという事件から始まります。
目撃者の証言から、誘拐された女性がいるというはわかりますが、その女性が何者なのか、警察は情報をまったく得ることが出来ません。
捜査にあたった警部は、自身の妻を誘拐で殺されていて、その傷からまだ立ち直っていません。
殺された妻の記憶を胸に秘めながら、警部はなんとしても誘拐された女を発見しようとします。

で、だ。

読み始めた我々は、「この女アレックス」が誘拐事件のミステリーと思うことは、まず間違いありません。
ところが、この誘拐事件は、長い年月と凄惨な事件の合間に起こった関連事項のひとつに過ぎません。
第一部で起きた誘拐事件は、第二部でまったく違う別の状況を見せ、第三部でその原因と結果を見せてきます。
二転三転する物語とか、そんな表現は甘すぎる。
すべてがつながっていて、でもすべてが違っているパーツは、最後の最後まで手抜かりなく読んでいる我々に様々な謎をつきつけてきます。

ミステリーファンでもなければミステリー大好きなわけでもないので、ミステリーのセオリーというものにはまったく興味ありません。
アマゾンの評価でそれを挙げて批判的なコメントを残されている人もいましたが、セオリー通りの物語なんてそもそもつまらないと私は思います。
もうひとつ、批判の対象になっていたのは、読者にあえて与えない情報を後出しジャンケンみたいに出して種明かししてるという部分。
これについても、私は、後出しジャンケンとは思いませんでした。
検視や調査の結果をあえて書かずにあるのは、小説としての構成の妙と思います。
アレックスが何を考えていたか、どうしてそうしたかの詳細描写がないのも、アレックスはあくまでも物語の軸であって主人公ではないわけで、あれ以上の描写は必要ない。
随所にある、「なぜ、彼女はそうしたの?」「なぜ彼女はそう考えてる?」という部分から、読んでいる我々が推察することが重要な展開になっていると思います。

凄惨で残虐な描写が相当量あり、感想をあげている人も、この本を勧めてくれた人もそこを指摘していましたが、私はさほどにダメージくらいませんでした。
もともとホラーやスプラッターに耐性高いので問題ありませんでしたが、だめな人だと相当ダメージくらうと思います。
ただ、逆を言えば、そこまで描写がリアルで、しかも凄まじい事件なのだというのもわかります。

アレックスというひとりの女性が生きた道を、我々読者は結果的にたどることになります。
それがいったいどういうものだったのか、読み終わった後は暗い気持ちになること必至。
最後に判事が残す「真実より正義」という言葉が、ある意味救いでもあり、恐怖でもあります。

この小説、ちょっとでも内容に触れた感想書いたらアウトです。
これから読む人の醍醐味と衝撃をかなり削ぐことになるので、いっさい書かずに感想書きましたが、読んで損はない本と思います。
タイトルが秀逸なのも、読んだ後にわかります。
色々な意味で、衝撃の1冊でありました。

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