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大事なものは何なのか ~最強のふたり



実話に基づいた物語ですが、このテの話、日本で映画作ったら、むやみやたらに誘い受けの「ほぉら、泣けるでしょお???ね?ね?」みたいなものになるのは必至ですが、そこはフランス映画、そういうへつらった作り方はいっさいありませんでした。

脊椎損傷で首から下が麻痺した富豪と、犯罪歴もある貧困層の失業中の青年。

ただ失業保険給付の認定が欲しくて面接にいったドリスを、なぜフィリップが雇ったのか。
それは、他に面接にきていた人たちや、ドリスがいなくなった後に雇われた人を見ればわかります。

フィリップは、お金と知性、教養にあふれていますが、身体は不自由で、がちがちに固められた富裕層の世界で生きています。
身体が動かない分、フィリップは心の自由、精神の自由を求めていますが、彼の生きる世界ではそれは難しい。

ドリスは、その日の暮らしにもぎりぎりな貧困層の大家族の中で暮らし、仕事もなく、居場所を失っていました。
自分がどう生きるかというものを見失って、将来、未来を考える余裕もない日々。

このふたりに共通するのは、偏見のなさです。

フィリップは、使用人すべてに平等で、かつきちんとひとりの人間として接しています。
お金や身分、教養や出自で相手を見ることはありません。

ドリスは、自分の状況に卑屈になることはなく、媚やへつらい、その場限りの親切心などはもっていません。
いつでも体当たりで真剣、だからこそ、誤解されることもあるし、失礼に見えることもある。

フィリップはドリスの大らかさ、暖かさに救われ、ドリスはフィリップから生きるために大事なことを学んでいきます。

象徴的なのは、ふたりとも家族の部分で暗い過去を持っているという部分。

フィリップは、最愛の妻に死なれ、養女の娘がいます。
ドリスは、両親がいながら、伯母夫婦の養子になり、シングルマザーとなった伯母の実子たちと暮らしています。

ドリスの養母が、いかにドリスをきちんと躾け、育てたか、ドリスを見ていればわかります。
兄弟の多いドリスが、生意気なフィリップの娘と接するシーンが何度かありますが、そこには雇用主の娘への態度ではなく、妹に接するような態度があり、まったくもってフェアです。

この映画は、終始、ドリスの笑顔が印象的でした。

無教養で学もなく、ぶしつけで大雑把なドリスですが、視点を変えれば、大らかで暖かく、一生懸命で思いやりの深い人なのがわかります。
何にも縛られることのないドリスの存在が、フィリップにとってどれほどに大きなものであったかは、映画の後半でよくわかります。

個人的には、ドリスのおにーちゃん気質がとてもよかったでした。
なんだかんだ文句言ってても、「あー!!もう!!わかったよ!!」みたいに世話をやいてしまうあたり、明らかに長男気質と思います。

フィリップが楽団に色々なクラシック音楽を演奏させてドリスに聞かせるシーンがあるのですが、「あ、これ有名、CMで使われてた!!XX会社のやつな!!」みたいな反応するドリスの様子があまりに愛らしくて、大笑いしてしまいました。

爽やかな、すてきな映画でした。

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