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普通な日常を抱きしめる ~パンとスープとネコ日和



WOWOWで放映されたドラマ、どうしても見たいと思っていたら、知人がわざわざ録画してDVDに焼いて送ってくれました。

群ようこ原作、監督は違いますが、「かもめ食堂」「すいか」の流れを組むドラマです。

ずっと出版社で編集の仕事をしていたアキコは、母の死と、会社での不本意な異動をきっかけに、もともと母が食堂をやっていた所を改装して、サンドイッチとスープの店を始めます。

物語は、ただそれだけ。

お向かいのコーヒー喫茶のママ、アキコの母と親しかった花屋と駄菓子屋の主人たち、アルバイトの女の子などの関わり、触れ合いがその中に織り込まれ、日々を作っていく感じ。

物語はあってないような感じもしますが、「東京日和」や「マザーウォーター」のように、雰囲気だけで終わっちゃう感じはなくて、むしろ、日常の中で何気なくすごしてしまっている大事なものを、ひとつひとつ拾い上げて丹念に磨きかけた感じのドラマでした。

台詞がとてもよくて、その人柄や心を感じさせる何気ないものが多く、目だってわかりやすく親切とか、やさしいとか、そういう安っぽさを欠片も持たないドラマでもありました。

バイトの募集にやってきた人たちをさらりと描いているのですが、それが、アキコを織り成す日々、アキコをめぐる人たちとの違いを浮き彫りにしていて、面白かったです。
何がどうとか、良い悪いとかなくて、「ああ、違うね」ってのをはっきりと見せてくれる。

そういう中で採用されたシマちゃんが、あまりにもシンプルで、洗い立てのリネンのような女の子で、うっかり泣かされるシーンがいくつかありました。

「変わってるってよく言われます」と本人も言ってましたが、確かにシマちゃんは、一般的な女の子じゃありません。
でも、アキコとの会話の中でこぼれだす、シマちゃんの素朴さ、優しさ、おおらかさが、どれほどに今の我々に足りていないものなのか、失われてしまったものなのか、しみじみ考えさせられました。

シマちゃんみたいな友達がいたら、ずっといっしょに海辺に座って風に吹かれているだけでも、きっと幸せを感じることができるでしょう。

原作はドラマよりもっとしっかり現実的で、泥臭い部分もたくさん描いていますが、ドラマはあえてそういう部分を排除し、もっとさっぱりとしたつくりになっています。

主人公のアキコは、「かもめ食堂」のサチエさんよりももっと現実的な感じですが、サチエさんとは違った独特の人生観をしっかりもっていて、それに引き寄せられるようにして人が集まってくるのもわかるような気がしました。

女は男にモテてなんぼ、結婚出来ないなんて女としての人生終わってますね、子供生まないなんてありえない、、、という人は、男女ともにまだまだたくさんいます。

そういう人たちはなぜか、そうじゃない人たち(つまり未婚)に対してかなり攻撃的ですが、既婚未婚にそこまで限定された理由があるかどうかは、個人的に疑問。

そういう視点から見れば、非嫡出(つまり不倫で出来た子)で、たぶん40代とかで独身のアキコは、人間としても女性としても、人生詰んだ、、、ということになってしまうかもしれませんが、どこからどうみても、そういうふうには見えません。

むしろ、のんびりと穏やかで、楽しそう。

「かもめ食堂」の流れを組むドラマは、どれも生臭い部分はあえて排除されてる感ありますが、あるがままを受け入れて、流れを感じながら、日常の小さなことを見つめて大事にするという生き方も、私はとても良いと思います。

シマちゃんが、隣のコーヒー喫茶のママの優しさを疑うことをまったくしなかったように、人を、やさしい暖かい方面から見ることがずっと出来る人でいられたら、どんなに幸せなことだろうと、ドラマ見ながらしみじみ思いました。



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