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アニメとGAMEとマンガな日々
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変わらないかもしれない、でも… ~世界を変える日に



妊娠した女性は数日中にすべからく死に至るというウィルスが蔓延した世界。
バイオテロによってまかれたそのウィルスに対抗すべく、数十年後には絶滅を余技なくされた人々が必死に努力する中、ひとりの少女が小さな、けれど人類の未来をつなぐ決意をする。。。という物語です。

絶望的な話でありながら、描かれる世界に暗い色はありません。
ただ、見た目には変わらない日常が、実はすでにありえないほど破壊され、あったはずの未来は消滅しているという世界で、人々が自滅していくしかない姿がリアルに描かれていて胸をえぐります。

人類の滅亡を描いた物語はたくさんありますが、子供が生まれなくなった世界を描いた作品はそうたくさんないように思います。
名作として名高い「鳥の歌いまは絶え」も絶版。

少女は16歳で、人としてまだまだ未熟です。

けれど、両親に愛され、友達と楽しい時間をすごし、好きな男の子に胸ときめかせて、健やかに生きていた彼女だからこそ、ゆっくりと絶望に侵されていく世界に、光をつなげる道を見出すことができたのではないかと感じました。

彼女の決断に、両親も、友達も、好きだった男の子も、理解を示すことは難しく、むしろ怒りをぶつけ、彼女を裏切ります。
しかしそれでも、彼女の決意は翻ることはなく、揺らぐこともありません。

もしかしたら、この物語を読んだ人の中には、彼女の決断は、十代の女の子が夢見るありがちなもので、彼女はその大意を理解していないだろうという人もいるかもしれません。

けれど、私はそうは思いませんでした。

みんなが希望を失い、重い空気が人々を押しつぶしていく中で、彼女が見つめた世界はそれでも美しく、細くでかすかなものでも望みは失われていませんでした。

彼女が最終的に決意を確固たるものにし、まっすぐと事態に向かっていこうとしたシーンはあまりにも美しくて、うっかり泣きそうになりました。

選ばれた戦士も、特別な能力を持つ巫女も出てきません。
悪の化身な魔王も、恐怖を席捲する天才児も存在しません。

地球を滅ぼすのは、どこかの国のどこかのテロリストたちが正義のためにまいたウィルスで、それを救おうとするのは、どこにでもいる普通の少女です。

そして残念ながら、彼女のとった行動が、本当に世界を救うことになるかどうかはわかりません。

ただ。

救うための鍵のひとつになります。

すべての娘の母親、父親。
すべての少女の恋人、あるいは彼女に想いを寄せる男の子たち。
かつて少女だった人たち。

あなただったらどうしますか?と、我々に問いかける物語でした。

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