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悲劇の連鎖 ~ 湿地


 
話題になっているミステリー小説、読みました。

舞台はアイスランド、一人暮らしの男が鈍器で殴られて殺害され、そこには走り書きされたメモが残されていた。
殺された男は、巧妙に罪を逃れた過去を持つレイプ犯だった。

ミステリーとは言っても犯人探しをメインにした小説ではないので、途中であっさり犯人がわかってしまいました。
しかし、わかったからといって、この小説のよさを損なうことはなく。

物語はどんよりと重々しい空気に包まれ、登場人物たちも暗い雰囲気をまとっています。
どっからどう見ても最低最悪の卑劣な人間な被害者とその仲間は終始一貫、人として最低で、家族関係の問題に疲れた刑事は娘との関係と禍々しい事件の捜査に翻弄され、殺された男のレイプ被害にあった女性とその家族の悲劇は終わることはありません。

むやみやたらに冗長でもってまわった小説が最近増えている中、この小説は逆に無駄な表現をばっさり切り落とし、淡々と語られていく感じで、とても好感もてました。
それぞれの抱える重い問題を、過負荷なく描写していて、それがかえってこの小説がもっている灰色の空気を濃くしているように感じます。

ただ残念ながら、伏線かと思わせた部分の回収がない部分が多く、例えば被害者に殺された仲間の男が残した写真に写っていた人物が誰だったのか、思わせぶりな言葉だけで終わらせられていたり、事件とはまったく関係ない失踪した花嫁のエピソードがあったり>性犯罪という点では同じだが、双方のエピソードが共鳴する部分の描写はまったくない

あっさりとした文章は個人的にはとても好きですが、あっさりしすぎて肝心の部分が抜けてたり薄くなりすぎてしまっているなと感じる部分もありました。
とくにエンディングの部分は、かなり唐突な感じがした。

ミステリーに関して言えば、書評とか読者アンケートとかで評価高いもので、個人的にすごい!とか面白い!って思ったものはあまりありません。
私が好きなミステリーものは、さほどに売れてるようにも思えないもので、「蛇の形」「弔いの炎」「神の名のもとに」、ともにもうアマゾンでも入手できません。

どれも、事件解決ばんざい!ってタイプの本ではなく、ひとりの人間が巻き込まれた事件の中で、どうおのれの正義や良心を貫き戦っていくかと描いた小説で、どれもラスト、言葉を失いました。

そういう小説、また読みたい。

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