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残るものは何か ~ファミリー・ツリー

ファミリー・ツリー(ジョージ・クルーニー主演、第69回ゴールデングローブ賞受賞) [Blu-ray]ファミリー・ツリー(ジョージ・クルーニー主演、第69回ゴールデングローブ賞受賞) [Blu-ray]
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先祖から受け継いだ広大な土地を持つ裕福な弁護士のマット・キング、その妻エリザベスがボートの事故で脳死状態に陥ります。

物語は、その妻の死をめぐる家族との関わり、親族や友人らとの関係を見つめなおすこととなり、当たり前のようにあった信託財産の土地の売買を巡る一族との繋がりを描いていて、原題は「子孫(末裔)」という意味ですが、日本題の「ファミリーツリー」というほうがしっくりくる感じがしました。

命に関わる問題が生じた時と、多額の金銭が関わる時、人間の本性は丸出しになります。

いい人、穏やかな人が恫喝したり、他人を陥れたり、ひどい事を言ったり、あるいは思わぬ人が手をさしのべてくれたり、偏屈で嫌な人だったはずの人物が損得関係ない誠意を示してくれたり。

冷えた関係になってはいても、家庭を大事に思っていたマットですが、事故に関わった人間は幼い娘の前で無神経な言葉を並べ「俺のせいじゃない」とさえ言い、妻の父親は行き場のない怒りをマットや孫にぶつけてきます。
妻が浮気をしていたことがわかり、彼女がどれほどに本気だったかを知り、逆に浮気相手が彼女を愛していなかったこと、しかし浮気相手が最低の人間というわけでもないことなどなど、思わぬ事が次々とわかってきます。

情緒不安定でわけわからないことをする下の娘、反抗的で奔放な長女に手を焼きながら、マットは父であり、息子であり、夫である自分と向き合わなければなりません。
そして、妻が自分をもう愛していなかったという事実を受け入れるしかない。

信託財産として受け継がれてきた広大な土地は、その契約が切れる期限が間近であることから、一族の意志として売却の方向に向かっています。
相続しているのはマットですが、相続権は一族のみんなにありますから、売却によって多額の金がそれぞれにはいることは間違いない。
本来、親しみある仲の良い従兄弟達ですが、金銭が絡めば当然変わる人間もいます。

死んでいく(死んだ)人に対しては、怒ることも、懇願することも、真実を求めることも出来ません。
だから人は、それを受け入れるために、身近な誰かにそれをぶつけます。
理不尽だろうが、乱暴だろうか、ひどい行為だろうが、そんなことは頓着しません。

マットは最初、娘たちからそれを受けます。
次に、妻の友人たちから。
そして、妻の父親からも受けることになりますが、彼は一度もその人たちに対して声を荒げることもないし、怒ることもありません。
妻の浮気相手やその妻からの言葉にも、怒りをあらわにすることはない。

一度だけ、彼が怒鳴り散らすシーンがありますが、それは昏睡状態にある妻に向かってだけでした。

誰かが死ぬ時、高額の金銭が絡む時、人はなんと自分勝手になり、傍若無人になるのか。
相手が子供だろうが、身内だろうが、愛する人だろうが、そんなことはまったく関係なくなります。

だけどその中で、何を守らなければならないのか、何が大事なのか、何と戦わなければならないのか、一番考えなければならないのはそこです。

娘たちを守り、土地を守り、家族を守り、自分の尊厳を守り、妻への愛を守ろうとしたマットを、最初に支えようとしたのは、礼儀もない、馬鹿丸出しのイマドキの青年な長女のボーイフレンドでした。
なぜ、彼がマットを理解していたのか、わかるシーンは胸を衝かれます。

マットはこれから土地を巡って、親しかったはずの従兄弟たちと法的に戦うことになります。
訴えると脅す従兄弟に、「絆もさらに深まるだろうさ」といったマットの言葉は、色々な意味を含んでいると思いました。

妻はすでに彼を愛していなかったとしても、彼はやっぱり妻を愛していたというのがわかるシーン、そして親子3人で当たり前のようにテレビを見ているシーンは、とても心に残りました。

映画そのものは、ハワイの景色がいっぱいの、穏やかでちょっと笑える映画です。
すごくいい映画なのでお奨め。

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2012.05.24 14:57