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完全なノアール 〜 ドラゴンタトゥーの女

ドラゴン・タトゥーの女 (ダニエル・クレイグ、ルーニー・マーラ主演) [DVD]ドラゴン・タトゥーの女 (ダニエル・クレイグ、ルーニー・マーラ主演) [DVD]
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原作未読、オリジナル版映画の方も未視聴で、ハリウッド版で初めて見ました。

予告がえらくクールで渋かったんですが、映画も渋いです。
すごいのは、3時間近くの映画なのにあっという間ってところ。
長さをまったく感じさせません。
これは恐らく構成の素晴らしさと、カットのすごさ。

物語はシンプル。
有名人物の不正を暴いたはずが自分が陥れられていたというジャーナリスト ミカエルが、かつては隆盛を極めたの実業家、資産家一族の行方不明の少女を“殺した犯人”を探してほしいという依頼を受けて、調査をはじめるというもの。

実のところ、推理ものやサスペンスものに慣れている人だったら、たぶんあっさり“少女に何が起こったか”と“少女の行方”についてはすぐにわかるんじゃないかと思います。
実際、私ですら、「こういう事だったじゃないの?」「彼女はこうなったんじゃないの?」と思った部分、きれいに当たってました。

ってことで、この物語の見所はそこじゃありません。

ミカエルが依頼された調査は、少女の行方を追うだけではなくなります。

一族の一部はかつてナチに加担しており、未だそれを誇りに思っている人物、育児放棄した母親、どっからどうみてもどうしようもなく嫌な人間でしかない妻、溺死した息子、殺された娘などなど、いびつな関係があらわになっていきます。
口もきかない、顔もあわせないほど互いに嫌い、憎み合うこの一族が抱える闇は、実はミカエルの手に余るどころか、開けてはならない地獄の釜のようなもので、それがこの物語の軸になっています。

そしてそれにつながるのが、ミカエルに協力することになる調査員のリスベット。
社会不適合者とされ、後見人がつく身のリスベットですが、調査能力にすぐれ、卓越したスキルを持つハッカーでもあります。
このリスベットの身に起こることが、壮絶かつ怖気たつようなもの。
ホラーもスプラッターも、凄惨なシーンもまったく平気な私ですが、リスベットの身に起こる様々なことは、見ていてかなりきつかったでした。
しかしその部分が、この映画の重要な部分にしっかりと絡んでいます。

この映画は、犠牲者となる女性たちと、彼女らを助けようとした人々の話しでもあります。

ハリエットもリスベットも、殺された女性たちも、男たちの欲望と残虐性と快楽の犠牲者です。

女性は、力でこられたら、男には到底かないません。
立場を利用された場合も、たいていは女性より男性の方が優位にたっているので、かないません。
それを有効に活用する男はあとをたたず、残念ながら、一度犠牲を強いられた女性たちは、その後も同じ犠牲を強いられていくことになります。

では、女性たちはそれに抗うことはないのか?

この映画の本当のテーマは、そこにあるような気がしました。

ハリエットもリスベットも、過酷な戦いを強いられます。
それは孤独で、勝ち目のない戦いでもあります。
助けを求めることも出来ず、助けを期待することもできない。
そういう中で、ずたずたになる身体、貶められ、破壊される人格、そして終わることのない暴力は、彼女たちにさらなる過酷な運命を強いていきます。

この話は、性的暴力の被害者の女性の戦いの物語です。  

リスベットもハリエットも、過酷な運命に翻弄されながらも、必至にそれに抗い、戦っていました。
その戦いには勝敗はありません。
乗り越えるとかいうものでもありません。
生き延びるための戦いです。

はっきりいって、後味の良い映画ではありません。
しかし見た後、しばらく座席から動きたくない、そんな気持ちにさせられる映画でした。

ルーニー・マーラの熱演は必見。
これはもう、見て損ない映画でした。

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