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映画は原作を超えなかった ~ゴーンベイビーゴーン

ゴーン・ベイビー・ゴーン [DVD]ゴーン・ベイビー・ゴーン [DVD]
(2009/12/16)
ケイシー・アフレック、ミシェル・モナハン 他

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メタルギアソリッドの小島監督が絶賛していて、さらにベン・アフレック監督ってことで、ものすごーく楽しみにしてDVD見ましたが、残念なことに原作を超えることはない映画でありました。
レヘインの大ファンなのもあるので、ちょっと期待しすぎたかも。
「ミスティックリバー」と比べると、やっぱり小ぶりな感じは否めません。

シリーズ中、もっとも評価が高い小説です。
パトリックとアンジーシリーズは、常に善と悪、裏と表、日向と日陰を容赦なく描き、矛盾をつきつける物語ですが、この話はその最たるものと思います。

子供が誘拐される。
泣きながら子供を心配し人々に訴える母親は、実はネグレクト状態で、自堕落でモラルのかけらもない生活を送っています。
心配した叔母が、姪を探すために私財をなげうちパトリックどたちを雇いますが、その先にある真実は、すべての人に不幸を招く結果となります。

他人のもとで幸せに愛情豊かに育つことと、食べるものすら満足に与えない実母のもとで育つのと、果たしてどちらが正しいことなのか。
正義のためなら、犯罪を犯していいのか。
モラルのもとに下す判断が、その人を不幸に陥れても、正しいことといえるのか。

そういった疑問を次々投げかけてくるこの話、誘拐された子供が、幼児性愛好者の残虐な嗜好の犠牲になって無残な死体となって見つかった事実を描き、行方不明になった子供たちがその後どうなっていくのかという現実も見せると同時に、アマンダの誘拐が彼女にとってどういう意味を持つのかということを、見ている我々につきつけてきます。

原作にある骨太な設定を、映画では骨細にしてしまっています。
これは、シリーズものを1本の映画にするのにはやむをえない部分もあると思いますが、結果として、重苦しいまでの物語の空気が薄まってしまっています。
また、配役には名の通った俳優をあまりつかっていないので、主役のパトリックに顕著なのですが、映画そのものがやたら地味な出来。
むやみに派手にする必要はないですが、見栄えを作る必要はあるんじゃないかと。

一番残念だったのは、実母のもとに戻ったアマンダが結果としてどうあったのかというシーン。
原作では淡白な描写で、しかしずっしりと現実の重みを訴えてきますが、映画はあっさりしてしまっていて、この物語にいちばん重要な部分が描かれていませんでした。

同じテーマのもとに描かれている「ミスティックリバー」と比べると、全体として地味でこぶりです。

ただ、原作を読んでいない人には、逆に地味ながらも渋い映画に感じられると思います。
それくらい、きっちりまとまっています。

パトリックの英語がやたらなまっていたりとか、ボストンの裏町の描写がきっちりはいっていたりとか、そういうのは小説では描ききれないので、映画で見て「おお!」って感じました。

とりあえず薦めたいのは、原作です。

愛しき者はすべて去りゆく (角川文庫)愛しき者はすべて去りゆく (角川文庫)
(2001/09)
デニス レヘイン

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