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成功したリメイク ~モールス

マイケル・ジアッキノ/オリジナル・サウンドトラック 『モールス』マイケル・ジアッキノ/オリジナル・サウンドトラック 『モールス』
(2011/07/27)
サウンドトラック

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「僕のエリ」のハリウッドリメイク版「モールス」見てきました。

概ね、オリジナルとの違いはありません。
ただ、微妙に設定かえてたり、シーン抜いていたり、あるいは挿入していたりしています。

オーウェンの両親は、物理的に登場しません。
いっしょに暮らしている母親は映像に映りますが、なんと顔はいっさい出ず。
父親は電話の声だけです。
それだけなのに、宗教にいれあげて日常生活に支障をきたす母親、オーウェンに対する愛情をあまりもっていない父親の存在が浮き彫りになっているのはすごい。
ふたりが離婚調停中で、息子のことにかまってられる状態じゃないのも、台詞やら何やらないまま、きっちり描写しています。

バンパイヤであるアビーのバンパイヤ描写はさすがハリウッドで、かなり露骨に見せてきます。
ただ残念なことに、アビーの大きな秘密の部分、「女の子じゃない」と言っていた理由の真実の部分については、オーウェンがそれを見たというシーンはあるものの、見ている我々にはいっさい描写なく、無修正のオリジナルを見ていない人には何がなんだかさっぱりわからないと思われ。
ついでに、去勢されているって事実も、この映画では明らかにされていません。

本来、男の子なはずのアビーが、どっからどうみても明らかに女の子な風体、服装なのは、ちょっといただけないかなぁと思いました。
中性的な部分が、このアビーという人物の魅力でもあると思うので、明らかに女の子にしか見えない風貌に設定しちゃうのは、オーウェンが女の子として好意をもっていく過程とその後の真実に対する衝撃を薄めてしまいます。

ただこの映画、オリジナルよりも強く打ち出したのは、アビーと関わる少年の存在。
冒頭で、それまでアビーとともに旅してきた男の死を見せますが、“少年だった頃”のその人が一瞬映し出されるシーンが別にあり、それがオーウェンの将来を明らかにすると共に、アビーと関わった少年たちの悲劇も浮き彫りにしてきます。
また、顔を焼いてしまったために、「部屋にはいってよい」という言葉を発することが出来なくなった男が死を選ぶシーン、その言葉がどれほどにアビーとの関係において重要か、印象づけてくれました。
ちなみにその言葉は、この映画の原題です。

ニューメキシコ、メキシコっていうから暑い場所かと思っていたら、雪の降る場所でした。
ただ、オリジナルにあったような純白の世界ではなく、ハリウッド版は暗い夜の中の雪という感じ。
このあたりは、見渡す限りの白=イノセント(純白、純潔)を視覚で見せてきたオリジナルに対し、夜の雪=暗闇の中に白=悪しきもの中にある純潔 みたいなものを表現していたように思いました。
オーウェンがそれを、父親にかけた電話で問うていますが、もしかしたらこの映画はテーマはそこかもしれません。

大筋はかわっていないのですが、原作とはかなり印象がかわりました。
一番大きいのは、子役ふたりの演技力がとにかくすごいこと。
オーウェンは、「ザロード」で子供を演じた子役だそうで、そりゃもううまいにきまってるって感じです。

オーウェンはこれからひとり、年をとり、アビーのために多くの人を殺し、最後はアビーに血を与えて死んでいくのでしょう。
それでも彼の人生は幸せなのか。
幸せでいられるのか。

その答えは、この映画にはまだありません。
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2011.08.31 23:23