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アニメとGAMEとマンガな日々

正しさの前に壊されていくもの ~万引き家族  

パルムドールで審査員のケイト・ブランシェッとが「ペインフル」と言っていたのですが、まさにそういう映画でした。

犯罪を肯定する映画だとかいう批判や非難がSNSにでまくっているようですが、それは明らかにこの映画を観ていない人の意見なので、無視していいです。
近来稀なる邦画の大傑作なので、ぜひ見てください。

以下、ネタばれ含むので隠します。

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Posted on 2018/06/17 Sun. 10:33 [edit]

category: 映画

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悲しみの駄作 ~カーゴ  



ショートフィルムで賞もとったあの「カーゴ」が映画化って話は聞いていましたが、なんとマーティン・フリーマン主演でNetflixにきました。
ゾンビに噛まれた父親が、ゾンビ化しながら、自分を赤ちゃんの娘を運ぶカーゴにして荒野をさまようって話。
見るの、ものすごく楽しみにしていた!

だが・・・・・・・・・・・・・・・ なんぞ、これ ?


ここから思いっきりネタバレ。

基本設定の部分はほぼ、オリジナル通りなんですが、尺はものすごく長くなるわけなので、当然、いろいろくっつけなければならない。
それはわかってたけど、ほんと、それが「なんぞ、これ?」でありました。

ホラーやサスペンス映画で、うっかり八兵衛みたいなことやらかすって、本当にがっさり興を削ぎます。
例えば、それやったらゾンビ来るでしょ?っていうのを平然と笑顔でやらかすとか、殺人鬼に追われてる真っ最中なのに、いきなりセックス始めるカップルとか、もう何それ、馬鹿なの?死ぬの?あ、やっぱり死ぬよね?みたいなそういうの。
それがこの映画、冒頭の一番重要なところで二回もある。

最初は、ゾンビがやまほどいる状況の中で、たかだか髭剃り探しに、うかうかと現場にいっちゃう妻。
まぁね、確かに、夫は彼女を心配させないために、食料探しにいった場所について、「大丈夫、安全だったよ」とは言ったけどさ。

で、噛まれた妻、「私をこのままにして、娘をつれて逃げて」って言うんですが、「何言ってる?病院に連れて行く」「君を愛してる、置去りにできない」って、刻一刻ゾンビ化していく妻抱きしめて、最後にしっかり噛まれる夫。
同じことやった馬鹿がいた。
「28日目」で、抗体があったためにゾンビにはなったけど、意識はしっかりしていて隔離されていた妻にキスして、あっという間にゾンビ化して、避難施設で大襲撃やらかした夫。

もしゾンビが蔓延した際は、絶対欧米諸国にはいたくありません。
「愛してる」っていって、こうやってゾンビ化する馬鹿が山ほどいるってわかった。

48時間でゾンビ化するわけですが、その間、いろんな人に会います。
まぁ、ロードムービーらしいっちゃらしいんだけど、正直、インパクトのあるエピソードにはなりえていない。
その間、ゾンビ化する発作は、なぜか夜限定。

そして、同行するのはアボリジニの少女。
ゾンビ化する人々の中、アボリジニの人々は原点回帰しており、生き延びてコミューン作ってるって設定。
娘は最後、彼らに手によって生き延びることができますって終わりなんでですが。

肝心のカーゴな部分、最後の数分のみ。
オリジナルで、父親が悲壮な覚悟と壮絶な状況で、娘を生き延びさせるために選んだたったひとつの方法、背中に娘をしょい、風船をそこにつけて、自分の前には枝につるした生肉をたらし、それを追うようにしてただ前へと歩き続けるあのシーン。
見る人を、「うわあああああああああああああ(号泣)」にしたあの感じ、映画にはまったくありませんで。

同じくショートフィルムから映画化した作品に、ホラー「ママ」があります。
女の子ふたり、帰ってきたママに対する態度がなんかおかしいよ?みたいなショートフィルムですが、これがどえりゃー恐ろしいショートフィルムで。
これを映画化したのは、我らがデルトロ。
映画は、これを大きくふくらませて、行方不明になっていた姪ふたりが、森の中の小屋で野生児と化して生き延びていたのを引き取った夫婦が、彼女らは幽霊に育てられていたってことを知るってホラーになってました。
いやもう見事でした。
ラストなんて、さすがデルトロ、ラストがすげー。

ショートフィルムを長編映画に作り変えるって、ものすごく難しいと思います。
そぎ落とした部分を加える必要があるわけで、なぜ?どうして?の部分、なかったことで成功した物語にあえて加えなければならない。
わかるんだけど、「カーゴ」については、オリジナルが素晴らしすぎて、これに並ぶこともできておりませんでした。

ってことで、以下、オリジナルの方。




Posted on 2018/05/27 Sun. 07:58 [edit]

category: 映画

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美しすぎる完璧な映画 ~ 君の名前で僕を呼んで  



試写会で映画評論家が、「男同士の恋愛なんて気持ち悪いんだけど、この映画はそういうのを感じなかった」とかヌカしやがって、違う方向で話題になっていた映画であります。
いざ上映開始となったら、SNS、もう絶賛の嵐だったよ。

ってことで、見てきました。

本当はオリジナル言語で見たかったんですが、どうしても時間が合わず、吹替で見ました。
きちんと声優さんがキャストされていたので、安心して見れた次第。

いやもうなにこれ・・・って映画でした。
すべてにおいて完璧。
映像の美しさ、景色の素晴らしさは言うまでもなく、演技、音楽、構図、台詞、物語、そして普通に生活の中に聞こえてくる音がとてつもなく美しく、見ていて、その世界にゆっくりと飲み込まれていって、気がついたらうっとりひたってた…みたいになっていました。
なんていうか、美しい文芸作品な世界。

「ブロークバックマウンテン」で、受けの男が誘いまくってたらしいのをまったく気がつかなかった私、今回も美青年オリヴァーのアプローチにまったく気がついておらず。
やたらとさわりまくる男だな・・・と思ってたら、それがそうだった(笑)
ふたりが惹かれあい、距離を縮めていく過程、お互いの気持ちを確かめ合う時とか、とても繊細に描かれていて、もう一編の詩のようでありました。
好きな気持ちをもてあまし、どうしていいかわからずにおかしなことしちゃうとか、相手の一挙一投足が気になって仕方がないとか、相思相愛になったらなったで、襲ってくる不安に耐え切れなくなるとか。
セックスシーンは、男女のと男男のがありますが、わりと率直に描いてはいるものの、むしろ想像を喚起させてくる感じで、ダイレクトに見せられるより、やっぱりこっちのほうが情緒的かつ扇情的だなと思いました。
女相手でも男相手でもやるこたぁ同じなわけで、それをダイレクトで見せる必要はないし、むしろ予告にあった、オリヴァーがかすれた声で「Call me by your name 」とか言うほうがエロい。

腐女子な皆様は基本、ハッピーエンド推奨だと聞きますが、このふたりの恋愛は最初っから終わりがわかってる恋愛で、実際、きっちり恋愛としては収束を迎えます。
最後のオリヴァーの台詞について、エリオを唯一無二の相手として一生お前だけが、俺の愛している人間だ!みたいに考えたいという人もいると思いますが、私はそうは捉えませんで。
「ブロークバックマウンテン」では、主人公ふたりは、自分たちの関係に家族全員を巻き込んで不幸にしていたけれど、この映画はそういうものはありません。
大事なものって、恋愛だけに特化してないと思うんですよね。
そのあたり、エリオの両親が素晴らしい対応で、お父さんの台詞に泣かされた人は数多くいるらしい。
私は、彼に何も言わず、でもふたりの恋愛を見守っていたお母さんが偉大だ・・・と思っておりました。

男同士の恋愛を描いた映画ですが、ゲイの映画というわけでもないなと、個人的には思っています。
今の時代、LGBTとしての権利や自由の確立みたいなのがものすごく叫ばれていますが、あくまでも私個人としては、別に男でも女でも好きにしたらえーがなで、性的嗜好の違いは、桃が好きか、スイカが好きかの違いみたいなものだという認識でいます。
性別にこだわらず、人は誰を好きになってもいいし、双方合意ならセックスすればいいと思うし、そんなの個人の自由じゃーん!と思ってる。
エリオとオリヴァーがゲイかどうかは、私にはかなりどーでもよくて、むしろお父さんの言ってた「君と彼が惹かれあい、求め合ったことが素晴らしいことなんだ」という言葉ですべてが表現されてるような気がしています。

ラストのエリオの表情が、もうどうしようもなくせつないです。
素晴らしい演技だったよ!!!
そして、オリジナル言語で見たいよ!
オリヴァーとエリオが全編半分以上半裸だったのも、なんか気になったよ!!!(笑)









Posted on 2018/05/03 Thu. 09:05 [edit]

category: 映画

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とにかく行け、見に行け ~レディプレイヤー1  



Ready Player 1 ってタイトル見れば、ゲーマーはすぐわかるってくらいなタイトル、レディ プレイヤー1。
とりあえず声を大にして言いたいのは、

すべてのオタク

すべてのオンラインゲーマーは、

今すぐ劇場へいってこの映画を見ろ!


です。

少し未来のアメリカ、人々VRで、オアシスという名のバーチャル世界で生きています。
願うことがすべて叶うと言われるオアシス、みな、それぞれアバターを使い、好きなキャラになったりして、そこで金も稼ぐ。
現実世界がすっかり疲弊した状況の中、人々は、オアシスでの自分を本当の自分のように感じています。
そのオアシスの創始者ハイダーは5年前に他界、遺言を残していました。
「オアシスの中にイースターエッグ(宝物)を隠した。探し出した者に、オアシスを譲る」

とにかく、ありとあらゆるアニメやゲームや漫画のキャラが怒涛の登場なので、追うのが必死。
わかる人ならわかるレベルのものの多数で、ここで、自分のオタク濃度と歴史によって、その楽しみの深度が劇的に変わります。
これはもう、円盤買ってコマ送りで見るしかないと、今すでに決意してる。

ゲーム大好きな人間ならわかる、いろいろな手法や展開、小技満載。
任天堂、PS、セガ、Xboxと、すべてのゲームが反映されています。
最後なんて、アタリのゲームが重要な位置を占めますからね。
ゲームの歴史や背景知ってると、さらにさらに面白くなる仕様。

とにかく、オタクやゲーマーが納得しまくって、共感しまくって、「あー!!だめだめー!」ってなったり、うっかり落涙しまくるシーン満載。
「バーチャル世界で恋愛なんてやばいって。相手、男かもしれないだろ?」というエイチにそおそお!ってなり、いきなり本名明かしちゃうウェイドに「うわー、だめだってー」ってなり、「あんたは、オアシスでしかドヤ顔できないじゃないの」というアルテミスの言葉に「あー」ってなる。

そして、泣く映画じゃないんだけど、私は号泣しました。

リアルな世界でパーティのみんなと最初に会ったシーンで、うっかり落涙。
「俺はガンダムでいく」(ここだけ日本語)で、ガンダム登場のシーンで滂沱の涙。
そして、ハイダーの「僕の作ったゲームで遊んでくれて、ありがとう」の言葉に号泣。

オタクなら、ゲーマーなら、泣きます、この映画。

台詞の中にも、大量の映画、漫画、ゲーム、音楽が出てきます。
音楽はわからないものもあったけど、他はほぼ全部といっていいレベルで知っていた自分のオタク濃度、この映画に関しては、ありがとう、今までの自分!でした。
二つ目の鍵のキィになる女性のIDがキーラ=ダーククリスタルのヒロインってところで、「スーピーるーばーぐうぅうぅぅぅぅ!!!」ってなりましたよ。

普段は字幕版オンリーなんですが、この映画に限って、吹替をお勧めします。
画面追いすぎて、字幕見てる暇ないんで。
私は途中で、「ええい!もういいや!」ってなって、字幕捨てました。

最後の最後まで、手抜かりなく、すごい種あかしがあります。
ここでも泣きそうになった。

私はこの映画、あと50回くらい見たい。
とりあえず、もう一度、劇場で見ようとおもいます。

あと、チャッキーは武器でした(笑)

Posted on 2018/04/21 Sat. 08:42 [edit]

category: 映画

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別物 ~パシフィックリム アップライジング  

パシフィックリムアップライジング、見てきました。
我々を狂喜させたパシフィックリムの続編です。
監督がデルトロじゃないって時点で、個人的には”違うもの”認識でいましたが、先に見た友人知人らが総出でダメージくらっておりまして。
ちなみにネットでの評価はまっぷたつ。

んで、私の感想は、「悪くない、面白い、でもそれは、パシリムでなければって前提の話」でした。
実際、単体で見れば悪くないです。
ってことで、ここからは壮大にネタバレしながら感想。
隠しません。



10年後の設定、前作からの続投はマコとニュートとハーマン。
マコは事務総長として働いていて、ニュートは中国企業で働き、ハーマンは前回と同じ仕事をしています。
そして、元訓練生のペントコストの息子ジェイクが主人公。
彼の元同僚と、訓練生たちが準主人公です。
中国企業が製作して実践(戦じゃない)投入した無人イェーガーが、突然暴走、攻撃しまくってきます。
そして、それらが切れ目を作り、怪獣を呼び寄せる。

パシリムにあったあのすさまじい熱量はまったくありません。
うわああああああああああああああっっっって、こぶしを振り上げたくならない。
うわああああああああああああああっっっって、立ち上がってしまいそうにならない。
絶叫上映会も行かないし、パンフも買わない。
全部が全部、軽い。
圧倒的な軽さでありました。

パシリムですさまじい存在感を見せたイェーガー、あの鋼鉄感、重量感はきれいさっぱりなくなりました。
どんだけかっていうと、マジンガーZとかボトムズが、いきなりエヴァになったくらい。
戦闘もかなりスタイリッシュなんですけど、なぜか、あの、血湧き肉踊る感はさっぱりなし。
訓練生たちもがんばってるんだけど、それぞれの個性があっさりしすぎてて薄い。
パシリムのあの強烈に濃いキャラに比べたら、そりゃもう透明なんじゃねーのかってくらい薄いです。
そして、展開も薄い。
のっとられた無人イェーガー、操られるニュート、怪獣を合体させる小型ロボットってあたり、日本のアニメ特撮ではすっかり使いまわされた設定。
デルトロだって使い古された設定を使っていたけれど、全然違ってました。
冒頭、ローリーとヤンシーがドリフトするところから、最初の一歩を踏み出すあたりの、あの「うわあああああああああああああっっっ」が全然ない。
そして、すべての展開が読めてしまいすぎて、予定調和なのもな。

友人のひとりが「トランスフォーマーを見たかったんじゃない」と言ってて膝ポンでしたが、結局のところ、ふつーのアメリカ人が作ったら、まぁ、こうなるよねーってそこで思った次第。
デルトロはメキシコ人で、さらにふつーのオタクじゃなくて、もうこれ以上ないってくらいのオタクで、その熱が消化しきれなくて作品作ってる人だから、次元違うわけだわ。

パシリムが好きすぎて、二作目をどう受け入れていいかわからない友人が暴発しかけてましたが、私の「これはパシリムじゃない」の一言で、すべてを脱却しておりました。
トランスフォーマー好きな人は好きかも。
トランスフォーマーをまったく好きになれない私は、この映画はパシリムじゃないと思ってそれで終了でした。

ちなみに、ローリーどこいった?ってなったら、小説を読んだ友人が「映画の一年後に死んだ」と教えてくれて、むしろそっちで腰から崩れ落ちそうになった。
それでもいいけど、もうだめだ、乗る人間がいない!ってなった時、ハークが出てきて「俺が乗る。ついてこい」ってなるとか、欲しかった。
年齢的に無理だという声に、「俺が何年ドリフトしてきてると思ってるんだ」で、「いくぞ!若造!」とか叫び、ドリフトした相手に亡き息子の姿を映すとかさ。
ジェイクが「親父を越えることなんて出来ない」とか苦悩して、そこで訓練生に「あんたしかいないじゃないか!」とか激飛ばされるとか。
のっとられてるニュートが、ハーマンに抱きしめられた一瞬、自我を取り戻してハーマンの手を握り締めるとかね。
倒れたハークが「まかせた」と言ったジェイク、「奴らを倒すのは俺たちだ!ついてこい!」で一斉攻撃開始すると同時に、あのテーマが流れるとかね。

ちなみに、3作目の予告みたいなことをジェイクが言いました。
今度は敵陣に攻めるんだって。
まぁ、好きに作ってください。

私のパシリムは、1作目の、デルトロのパシリムだけだと、あらためて思ってます。


Posted on 2018/04/21 Sat. 08:09 [edit]

category: 映画

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青春映画だった ~ジュマンジ ウェルカムトゥージャングル  



宣伝コピー「マジジュマンジ」考えた人、でてきなさい。
キミのセンスのなさに、往復ビンタくらわせたるから。

おもっていた以上に、超面白い映画でした。
そして、想像裏切って、青春映画でした。

いきなりゲーム世界にたたきこまれる高校生4人。
オタク男子はマッチョで屈強の男に、ラグビーの花形選手はリュックしょった動物学者に、ヒネてり理屈っぽい女の子は女性格闘家に、そして恋する自撮りインスタ女子はデブなおっさんになって、ゲームでサバイバルかけながら、エンディングめざします。
三回死んだら、キャラは生き返らない。
つまり、リアルに死ぬ。
エンディング迎えたら、現実に戻れる。

とにかく笑えます。
場内、爆笑の渦でした。
弱点ケーキってあって、蕁麻疹出るとか下痢になるとか、そういうのかとおもってたら、予想ななめ右いっていた(笑)

大ヒットなのは、恋するインスタ女子べサニーのアバターとなったジャック・ブラック。
大好きな俳優なんですが、とにかくジャックがほんとに、ちょいエロはいった女子高生にしか見えない。
すげー・・・としかいいようのない演技で、しかもそのジャックな姿で、男たらす方法とか、教えたりします。
さすがジャックブラック、手抜かりない演技であった。

リアル自分とは違う人物になった高校生たちが、気がつかなかった自分自身や相手のよいところとかに気づいていくあたり、ものすごく青春映画。
そして、お互いの特性を活かしながら、ゲームを進めていくあたりは、ゲーマー心を刺激してくれました。
けっこうガチでゲームなのは、AIキャラは決まった台詞しか言わないところ(笑)

ひとり、隠しキャラがいますが、彼が最後、思いっきり泣かせてきます。
いやぁ・・・オンラインでゲームやってる身としては、これ、マジ泣かされました。

軽い映画なんですけど、考えたら俳優陣、ガチな演技合戦な映画です。
なんたって全員、高校生な演技。
それをあの、ドウェイン・ジョンソンとかがやるんですが、とにかくほんとに、高校生にしかみえない。
すごいよ。
ドウェインな高校生って・・・

ってことで、超お勧めな映画です。
疲れてるときとか、元気でるよ。



Posted on 2018/04/15 Sun. 08:14 [edit]

category: 映画

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傑作だった ~ ペンタゴン ペーパーズ  

立て続けに3本見ました。
「ウィンストン・チャーチル」「ヴァレリアン」そして「ペンタゴンペーパーズ」。
どれもとても面白かったんですが、いちばんよかった「ペンタゴンペーパーズ」についての感想です。



ベトナム戦争は、アメリカの大失敗、大失策と言われていますが、もちろんそれは今の時代で言われていることで、当時は違っていました。
戦争反対の大きなムーブメントを巻き起こしたことでも知られていますが、当時は、志願してベトナムに行った人も多く、彼らは共産主義からベトナムを守る、世界を守るという大義をもって戦地に赴いていました。
当然ですが、軍需産業は盛り上がっていて、枯葉剤やら新しい兵器やらの投入もがんがん行われていたわけで。
そしてそれとは逆に、多くの若者がそこで死に、帰還した後も反戦派からの不当な攻撃にさらされることになりました。
ぶっちゃけ、この時のアメリカの外交政策は、イケイケゴーゴー!な感じ。

エッジがききまくったジャーナリズムを見せるニューヨークタイムズとは逆に、この映画の主人公となるワシントンポストは、オーナー会社で、経営者のキャサリン・グラハムは、代々ホワイトハウス関係者と親しい友人関係を持つお家柄。
失策とわかりつつ、それを隠して延々と戦争を続けていたアメリカ政府要人が残した文書を盗み出したひとりのジャーナリストが、それをニューヨークタイムスに渡してすっぱ抜きますが、司法からの圧力がかかり、記事掲載を停止することになります。

そのすっぱ抜きが出たその日、当の大統領の娘の結婚式の記事なんかを一面に掲載していた、しょーもないワシントンポストに、なんとその機密文書が持ち込まれます。

この映画、最初に見るべきは、ジャーナリズムとはなんぞや?という部分。
盗み出されたとわかっている国家機密文書に基づく記事を掲載する、つまり法に触れる可能性がある、政府を敵にまわすとわかっていて、掲載するのか。
政府がついた嘘、隠した事実を、国民に知らせる。
真実を知らせること、真実を伝えることこそが、ジャーナリズムであるということを、あらためて見せてくれます。

次に、女性の自立。
この時代、映画にも描かれていますが、女性が仕事を持つのは稀でした。
なんたって、それなりのおうちのみなさん、男どもが政治について語りだしたら、女性たちは別室に移るわけで>今でもそいういう文化は残ってる階層あります
その時代に、キャサリンは、ワシントンポストのオーナーとして存在しています。
しかし、彼女は経営には参加していません。
映画の中の彼女は、娘や孫に囲まれている時が多く、友人たちと会食をし、パーティしてたりします。
本来、オーナーであったはずの彼女の夫は自殺、オーナーの娘だった彼女が、その後を引き継いだという経緯が、映画の中で説明されます。
編集長なベン(トム・ハンクス)の妻が、ベンに言います。
「彼女は、女だからという理由で、誰からも尊重されなかったし、軽く扱われ、相手にされなかった」
けれど、オーナーである以上、彼女が決定権を持ちます。
おっさんたちが司法の壁の前にひるむ中、彼女は掲載を決定します。
それが当時、いかにすごいことだったか。
ラスト近く、裁判所を出た彼女を囲むのが、女性たちだったというシーンに如実に表現されています。

とにかく、脚本が素晴らしい。
説明な台詞がいっさいありません。
会話劇なのですが、とにかくそれで、すさまじい見せ場やまほど。

この映画は、かの名作「大統領の陰謀」にそのままつながります。
アメリカ史に残る大事件、ウォーターゲート事件、これも暴いたのは、ワシントンポストの記者です。
この「ペンタゴンペーパーズ」で描かれた事実がなければ、ウォーターゲート事件は起きていなかったかもしれません。
この映画のラスト、まさにそれを示唆するエピソードになっていて、見た瞬間、鳥肌たちました。

いやぁ、マジ、ガチ、すごい映画でした。
すべてが素晴らしいとしか、言い様がない。
見ごたえありすぎて、終わった後、しばらく動けませんでした。

Posted on 2018/04/04 Wed. 22:56 [edit]

category: 映画

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「ブラックパンサー」の背景  



恐ろしいほど大ヒットしているらしい「ブラックパンサー」、見てきました。
マーベル映画、すべからく苦手という私が、見終わった後、「次に生まれてくる時は、ワカンダの女戦士になって、陛下をお守りするんだー」になっておりました。

ってことで、映画の感想はとりあえずそういうことで、なんでアメリカでそこまでこの映画が支持されてるのか?って部分。
ハリウッドで映画の仕事している友人と話しました。

それまで、いわゆる黒人がヒーローという映画は存在しなかったという事実がそこにあるそうです。
え?いたんじゃね?と思ったんですが、ここまで圧倒的にヒーローたるヒーローはいなかったというのが事実。
ワカンダ、圧倒的な科学力で豊か、陛下は圧倒的に強く、人としても素晴らしい。
「それまでアメリカ黒人には、子供たちがあこがれるような黒人ヒーローは存在しなかった」ということだそうで、もう黒人家族が子連れでみんなで見に行くってのが、そもそも興行収入をあげまくった理由のひとつだそうで。

それ考えたら、何十年もウルトラマンや仮面ライダーや戦隊ものや、セラムンやプリキュア見て子供時代をすごす日本の子供、そりゃもうすごく恵まれてたんだ・・・と思いました。

敵となるキルモンガーの設定も素晴らしい。
とにかくかっこいいというのがひとつ。
アメリカに育った王族のひとりだったという部分、ただの単純な悪役ではなく、ワカンダという国の影を背負っていた部分、悪役として最高の設定だと思います。
単純に、白人とかにしなかったのが、成功の大きな鍵かと。

アフリカの他民族な背景もきっちり取り入れていて、ワカンダには多種多様な民族がいるってちゃんと表現しているし、それぞれの部族が誇りをもっているのがちゃんと描かれているのも素晴らしいです。
さらに、とにかく女性陣がかっこいい。
めちゃくちゃ強い。
陛下をお守りする兵士、全員女性ですから。
オコエとか、美しいし強いし、忠誠心がっつりで、もう文句つけようがないレベルでかっこいいですから。
ワカンダの言葉は、実際にアフリカにいる部族の言語をつかっているそうで、そういう部分でもきっちりアフリカ国家としての描写もされている。

今までも、黒人をヒーローにした映画はあったと思いますが、私たちが仮面ライダーとか戦隊ものとかプリキュアに見ていたようなヒーローってのは、確かにいなかったような。
愛と正義と平和を願う、圧倒的な強さと優しさを持った正義のヒーローって意味では、「ブラックパンサー」は確かにはじめての存在のような気がします。

アメリカにおける人種差別ってのはものすごく根深くて、ものすごく上手に隠されていて、我々日本人がちょっとやそっとで気がつくことはないくらい微妙なものが多いです。
黒人と女性に対する差別ってのは、実は本当にもうありえないほどにあって、オバマとヒラリーが大統領選で戦っている時、いわゆる上流社会に所属する私の年上の友人が、「そっちの向きの集りで、男性たちが、『黒人と女なら、黒人のほうが男だってだけでまだマシ』と話していた」と怒りのメールしてきてたくらい。
そこにいる人たちは、社会に圧倒的な影響力を持っている人たちで、つまり表ではえーこと言ってる彼らも、実際にはそういう考えってことなわけで。
エンターテイメント業界だって、実際にはそういうものが根底にあります。

そんな中で作られた「ブラックパンサー」、なんていうか、ふつーに映画として、素晴らしいヒーローものでした。
なんたって、主人公の陛下、人としても素晴らしいです。
つまり、そういう映画が作られる時代になったってことが、そもそもすごいことなんだなぁと、友人と話していて思いました。

私は相変わらずマーベルが苦手で、アベンジャーズも、見て面白いとは思っても、なんか好きになれず。
個人的に、あのシリーズ、本当にアメリカ的なアメリカ白人のヒーローものって感じありありな感じがして、ものすごーくそういう意味でのご都合主義な部分を感じてしまうのですが>いやもうこれ、至って個人的な感想ですけども
「ブラックパンサー」は、「そんなに人気ってことなら、とりあえず見てみる?」みたいな気持ちでいって、陛下の前に槍をささげる気持ちで帰ってきたので、それくらいのパワーがある映画だと思います。

映画開始前に、わざわざ「最後にも映像があるので、場内が明るくなるまでご鑑賞いただけます」って出してくれてたのに、テロップ途中で出て行く人がけっこういて、「なんで?」と思いました。
字が読めないのか、意味が伝わってなかったのか、はたまた見なくていいやってなったのか・・・


Posted on 2018/03/27 Tue. 21:00 [edit]

category: 映画

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新しいゾンビ映画 ~飢えた侵略者  

Netflix ありがとうシリーズ。



ゾンビが大量発生した世界、カナダの山奥でそこから逃げ出そうとする生き残った人たちの物語です。

いやもうこれ、ものすごっく好み。
静かなゾンビ映画ってのもツボですが、とにかく映像と恐怖が素晴らしく。
ゾンビ、走ります。
すさまじい叫び声をあげながら走るんだけど、連携と連帯があって、野原に椅子とか積み上げたでかいオブジェを作っていたりする。
つまり、ただの死体とかじゃなくて、某かの生態系を持ってる感じ。
森の奥に、子供がただ立っていたりとか、ぞくりとするし、森を上からただ映してるだけなんだけど、そこにゾンビの叫ぶ声がこだまするとか、とにかく美しいゾンビ映画でした。

生き残った人たちにも、それぞれ背景があり、でもそれを全部見せることなく、彼らの逃避行を淡々と追う感じ。
なんでゾンビってわかってるのに、そっちに行く?とか、そばにいるのになぜわからん?みたいなツッコミいれていた方もいましたが、私はあまり気になりませんでした。
でも、自分だったら絶対、女の子の姿見ても森にははいらないと思うー。

このほかに、「リチュアル」というNetflixオリジナルらしいホラー映画もあったんですが、私はこっちは全然ツボにはいらず。
こっちは、学生時代の友人同士で山奥にハイキングに出かけ、そこで意味不明の怪異に襲われるって映画でしたが、雰囲気かもかもなのに、思わせぶりなことが多すぎてシラけてしまいまして。
しかも最後は、「え・・・?それ?」みたいだった>あくまでも私的に

「飢えた侵略者」は、「ミスト」が好きな人なら好きかも・・・と思いました。
人間模様とか、その人の心象とかがとてもいい。
ラスト、ぞっとするシーンなんだけど、とても美しい映像で、でもすさまじく悲しい終わり方でした。
いやぁ、あんなふうに見せてくるとは思わなかった・・・
テロップが終わるまで席を立たないでください、な映画です。




Posted on 2018/03/25 Sun. 09:00 [edit]

category: 映画

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アカデミー賞おめでとう!~シェイプオブウォーター  

アカデミー賞受賞、おめでとう!デル・トロ監督!!

ってことで、受賞日前日に「シェイプ・オブ・ウォーター」見てきました。
捨て子だった口のきけない女性と、アマゾンの奥地で捕らえられた半魚人の恋愛物語です。

デル・トロがどういう作品を作っているか、わかっている人にはいまさらですけど、はっきりいって、いわゆる一般人にはまったく訴求しないお話であることには間違いありません。
イケメンとのキュンキュン(この単語、死ぬほど嫌い)な恋愛が大好きとか、あるいはゲイの恋愛気持ち悪いとか言ったり、自分と違う誰かを嘲笑したり貶めたりする人はとくに、まったくもって、絶対に「シェイブ・オブ・ウォーター」は好きじゃないと思うので、見なくていいです。
見て、文句やクソたれるだけになると思うので、ほんとに見ないでください。

まずこの映画、デル・トロの映画らしく、夜の映画です。
昼のシーンはほとんどないし、あっても、悪役な人達の方にしかでてきません。
主人公たちは、深夜、秘密の研究施設で働く人々です。
そして、メインキャラクターはすべて、どこにも所属できない、どのコミュニティにもはいれない人達です。
主人公は、口がきけません。
そして、孤独な人です。
彼女が親しくするのはたったふたり。
同じ掃除婦の黒人の女性と、主人公の隣の部屋に住む、老いたゲイのイラストレーター。
黒人女性は、働かない夫と暮らし、仕事中もずっと夫の愚痴をもらしていますが、心優しい暖かい人でもあります。
老いたゲイのイラストレーターは、勤めていた会社をクビになり、売れない絵を描く日々。

そんな彼らが寄り添うようにすごす日々の中に、突然現れるのが半魚人の男。
故郷から遠く離され、暴力に晒され、鎖に繋がれています。

主人公はもともと、言葉によるコミュニケーションを必要としていません。
彼らに、いわゆる一般社会とはまったく関わることもないまま、生きています。
そうやって生きてきた彼女にとって、言語や形や種の違いは、何の障壁にもなりません。

彼女と”彼”の交流と恋は、普通の人間が当然とするものを、いっさい必要としていません。
そして、彼女と関わるふたりの人達も、それを理解し尊重します。
彼らの中で、そんなのは違う、そんなのは普通じゃない、それはありえない、という概念は存在しない。

ずっとデル・トロ監督の映画を見てきた身としては、びっくりするくらい、この映画はハッピーエンドでした。
監督、昔あった半魚人の映画で、人間に恋した半魚人が最後に殺されてしまうのを子供の頃見て、それを成就させてあげたいって作ったのが、この「シェイプ・オブ・ウォーター」だったって言ってて、うわーってなりました。
それってもう、壮大なスケールの同人じゃないか!!!
さすが!!我らのデル・トロ!!!
半魚人が、これ以上ないってくらい半魚人なのも、とってもよかったでしたが、その分、さすがデル・トロで、モンスターには手抜かりない描写もあるので、ふつーの人にはきついかもしれません。

ファンとしては、監督の受賞のスピーチにも泣きました。
みなさん。
モンスター映画が、アカデミー作品賞と監督賞、受賞したんですよ。

Posted on 2018/03/11 Sun. 08:48 [edit]

category: 映画

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素晴らしかった・・・けれど ~グレイテストショーマン  



実在した興行師の話を、「ラ・ラ・ランド」のスタッフが映画化・・・ってことで。

「This is me」があまりにも素晴らしい歌でしたが、いやもうこの映画、どの曲も名曲でした。
サントラ買っちゃったよ!!
歌と映像がとにかくすごい映画でありました。

で、物語なんですが、これが、驚くほどに定番、シンプル。
目新しいものも、深い描写とかも、なし。
まったくなし。
貧しい家庭に生まれて孤児となった少年が、良家の娘と恋をして結婚。
発想を得て興行をはじめ、フリークスと呼ばれる異形の人たちを集めたショーで大成功。
いっきに時の人となり、大金持ちになりますが、慢心と成功へのさらなる欲求からすべてを失うことになり、愛する家族にも去られます。
しかし彼は、そこからまた這い上がる。
いやもう、ほんとにこれだけ。

けれど、音楽とダンス、そして「どんな形、どんな姿、どんな立場、どんな考えであろうと、その人の存在を否定することはできない、自分の生き方をする権利は誰にもある」というテーマによって、とんでもなく素晴らしい映画になっていました。

サーカスの人たち、小人、髭女、アルビノ、巨人、シャム双生児、両性具有者、全身刺青の男、顔に大きな痣のある男、黒人などなど、当時はとくに忌み嫌われ差別された人たちで構成されています。
主人公自身が、実は彼らに対するネガティブな感情をもっていないことは、実は冒頭でさりげなく描かれています。
親を失い、飢えて死に掛けていた彼に一個のりんごを差し出したのは、異形の女性でした。
彼がこの興行をやろうと決めた時、机の上にりんごがあります。

いろいろ感想を見ていたら、差別に対する描写が甘すぎると酷評されている人も散見しました。
その人たちが指摘しているのは、なぜか黒人差別に対するものばかりでしたが、この映画はありとあらゆる差別や区別を、わりとがっちり映像で見せてきています。
ぎりぎり、観ている人にショックを与えすぎない形の、異形の人たち、当時はとくに、社会的に抹殺されていた存在です。
差別とか以上に、存在していること自体を否定され、嘲笑され、怖がられて、人の中で生きていくことすら難しかった人たち。

主人公のサーカスは、いわゆる見世物小屋としての意味もあります。
これを差別と見る人がいるのも当然ですが、映画の中で、見世物にされている側の人々が、はっきりと言っています。
「彼は、私たちに生きる世界を与えてくれた。いる場所を与えてくれた、家族を与えてくれた」
実際に、人から石持て追われる身だった人たちが、仕事をしてお金を得、自分の存在を否定しない世界で生きていくことができると考えると、見世物小屋、という形は、あくまでもそれを見る側の、普通に生きることができる我々の見方であり、そこにいる人たちにとっては、手段、あるいは生活手段のひとつになる。
ここはとっても難しくて、もし、そこにいる人は、それ以外に生きるすべがなくて、絶望の中でそこにいるのなら、それはまったく別のものになるわけで。

もっと掘り下げてもいいんじゃなかろうかという部分があまりにありすぎて、逆にひじょうに軽い映画になってるなとおもいましたが、描いているものがかなり重いので、逆にこういう明るい捉え方だったことがよいのかもしれないと、あとでおもいました。

Posted on 2018/03/04 Sun. 09:34 [edit]

category: 映画

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打ちのめされる傑作 ~ スリービルボード   

えっとですね。
見てすぐに、感想書けませんでした。
見終わった後、しばらく動けませんでした。
見た後、余韻がすごくて、ずっと頭から離れず、夜、いろいろ思い出して涙が出ました。

それくらい、すごい映画です。
正直、今まで大量の映画見たけれど、ここまで引きずる映画は初めてかも。

レイプをした娘を焼き殺した犯人が見つからないまま数か月、業を煮やした母親ミルドレットは、車もそう滅多に通らない田舎道に立つ3枚の広告板に、大きく広告をだします。
「娘はレイプで殺された」
「まだ犯人は見つからない」
「どうなってるの?ウィロビー署長?」

ここからネタバレ。
隠しません。



犯人捜しのミステリーかと思ったら、大間違い。
見ながら、この話、どうなっていくの?どう終わりにいきつくの?と、ずっと思いながら見ることになりました。
まったく先がわからない展開。

人徳者な署長を擁護する人が圧倒的に多い田舎町で、ミルドレットは徹底的に戦います。
攻撃的で頑固で、徹底的に抗戦するその姿は、娘を殺された母親の悲しみからはほど遠い。
しかしこの映画、このミルドレットを通して、すごいものを描いています。
事件(あるいは起きていること)に無関係な人々が、自分には何もひっかぶらない安全な場所から、無関係なまま、他人を断罪するのを、この映画はミルドレットを通して徹底的に批判しています。
それはテレビのニュースキャスター、神父、歯医者、子供の学校の同級生と、とにかく相手を選ばない。
すさまじい悪口雑言を浴びせ、時には暴力にも及ぶ。
その相手はみな、無関係な場所から、「レイプされて殺された娘については同情する」「でも、あの広告については、許さない」と言って、彼女にあからさま害に及ぶ態度に出る人たちです。

批判された署長は、無能でもなければ、ミドルレットが思うようなどうしようもない嫌な奴じゃない。
世の中には、どんなにがんばっても、どうしようもないことがある。
病気には勝てないし、解決できない事件もある。
その中で、善良であること、他人に愛情をもって接することがどれほどに大切かを、署長は見せてくれます。

三人目の主人公ディクソンは、暴力的で、ものすごく頭の悪い、貧困家庭に育った警官>頭が悪いという描写があっちこっちに出てくるので、悲しくなるほど
信頼している署長を批判するミルドレットを敵視する彼は、粗悪で粗雑で、見ていて「もうお前、とりあえず帰れ」みたいな気分になります。
本当にどうしようもない。
ところが、その彼が、ある人の信頼に応えようとしたその瞬間、がらりと人を変えます。
それまで自分がかたくなに守ろうとしていたものをかなぐり捨て、命を懸けて、事件の解決に向き合う。

この映画は、人間の複雑さを奥深さを、ものすごく緻密に描いています。
ミルドレットは、娘を殺されたかわいそうな母親像からは遠いけれど、なぜ、彼女がそこまでするのか、それがわかった瞬間、恐らく見ている人たちは鳥肌をたてることでしょう。
ミルドレットを憎みながらも、ディクソンが常に見ていたのは、彼女の娘の事件ファイルでした。
彼の中で、その事件を解決しなければならないという気持ちが強くあったことがわかるシーンがあります。
私はそのシーン、思い出して、何度も泣きました。
見た人たちのほとんどが、オレンジジュースのシーンで泣いたと言っています。
憎しみは、憎しみを呼ぶばかり。
愛をもって接すれば、それは愛を呼ぶ。
それがこの映画の主旨です。

あらすじを語れない物語です。
人が人と関わることによって、どう変化するのか。
どう、その人生を変えるのか。
そういうものを、まざまざと見せつける映画です。
俳優陣の素晴らしい演技によって、それが味わい深いものになっている。

私の隣に座っていたカップルのおねーちゃん、脳みそがグミだったらしく、男に足と腕絡ませながら、「えー?わかんなーい?どういう意味ぃ?」ってしょっちゅう尋ねてました>うるさくて、C4くっつけてやろうかと思った
後ろに座っていた年配の夫婦は、寝ちゃってたそうです>終わった後言ってた

ってことで、見る人を選ぶ映画であることは確か。

しかし、終わった後、売店でパンフレット買う人が列をなしてました。
パンフレット読むと、さらにいろいろこの映画がわかってよかったです。

個人的には、人生トップ10映画の中にはいる映画となりました。



Posted on 2018/02/07 Wed. 23:10 [edit]

category: 映画

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ゾンビ映画だけど ~新感染ファイナルエクスプレス  



ホラー映画ファンの間で、昨年ものすごく話題になっていたゾンビ映画です。
映画館で見れなかったので配信待っていたら、PS4で開始、さっそく見ました。

離婚目前のファンドマネージャー、幼い娘を釜山にいる妻のところへ連れていくために、高速列車に乗ります。
しかしその時すでに、原因不明で大量のゾンビが発生、発車直前に列車に逃げ込んだ女性は、すでに感染していました。

密室でゾンビ大量発生って、聞いただけで「ぎゃー!!!」な設定。
主人公は、至って自分だけよければいいって人間で、平気で他の人を犠牲にしようとするし、見捨てようとします。
それを、幼い娘が泣きながら指摘する。
妊娠中の女性を見捨てた主人公、娘の危機を救ったのは、その女性の夫でした。
そして、その女性は、自分の身を顧みずに娘の手を引いて逃げていく。
主人公は少しづつ、自分を変えていく。

妊娠中の女性の夫が、とにかくすごい人でして。
なんかちょっと柄悪い感じですが、正義感あふれる漢気のある人で、しかも力自慢。
奥さんの尻の下に敷かれつつ、とても良いご夫婦なのがわかる。
吹替は、夫が小山力也、妻を坂本真綾がやってます。

列車は、職務に忠実な運転士によって、釜山に向かうことになります。
爆走する列車の中で繰り広げられる人間ドラマ。
とにかくすごい。
時間にすれば数時間、これだけのドラマ、よく描けたよな・・・くらいすごい。
そしてその中で、乗客は次々と、ゾンビになっていってしまいます。

先日、ハリウッドで映画の仕事をしている友人と話したのですが。
自己犠牲を理解するのは、日本人だったという彼女。
誰かのために命を投げ出す、犠牲となるってのは、欧米の映画ではあまり描かれることはないと言ってました。
「ポセイドンアドベンチャー」はラスト、牧師が自分の身をなげうって生存者を救いますし、「ロスアンジェルス決戦」では、メキシコ系のお父さんが子供たちを守って戦い、死んでいきましたが、確かに、見知らぬ誰かのために自分の命をささげるというのは、あまり見かけないなと思っていたところ。
バットマンも最後は自分の身を犠牲にしたけど、あれは正義のヒーローだったしな。

この映画、その自己犠牲が描かれた映画でした。
自分の身の危険を顧みず、誰かのために自分の命を捨てる・・・そういうシーンが山ほどあります。
見ていて、そうか、韓国人にとっても、こういうのは普通にあることなんだ・・・と思って、こういう意識はアジア人にはあるものなんじゃないかと思ったりしました。
ちなみに友人いはく、最近はハリウッドでもそういう人やシーンを映画や物語、ドラマにいれてくることが増えたんだそうです。

個人的に、タメな過剰演出とか苦手なんですが、この映画、ところどころにそういうタメがあって、見ながら「だーかーらー!さっさと逃げろっちゅーに!」と叫んでしまうということが何度か。
ひとり、自分が生き延びるために、人を踏み台にするクソがおりまして、そのクソっぷりがあまりに見事で、最後の最後までクソを貫いていて、むしろ爽やかなほどです。
あいつのために死んだ人、どんだけいるんだよ。

「ワールドウォーZ」あたりから(その前に28日後という映画もあったが)、全力疾走ゾンビが定番化していて、今や、ロメロのゾンビはむしろ安全・・・くらいな感じですが。
この映画のゾンビも全力疾走ゾンビで、見事な襲撃ぶりを見せてくれます。
ふつーにこえーわ。
ラスト近くなんて、もう「逃げて―!!!走ってー!!!」って、それしか言えなくなります。

誰が生き残るかは、ぜひとも見てほしいです。
高評価納得の、素晴らしいゾンビ映画です。
個人的には、あの漢気のあるおっさんを出したところが、この映画を光らされたなと思ってます。
いやもうそれくらい、すごいから、あの人。
ちなみに、怖いというより、泣く映画です。
ガチ泣きになりそうなシーンが山ほどありますが、なんとそのシーンは演出ベタじゃない。

個人的には、ゾンビ映画見すぎてスキルがあがりすぎ、「いや、そこは扉しめておけ」とか「そこでやっぱりそうしちゃう?」とか、「そっち行っちゃいかんがな」とかツッコミしすぎて、感動しそこないました。
くっそ。



Posted on 2018/01/31 Wed. 10:12 [edit]

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今世紀最大に見て後悔 ~キンスグマン ゴールデンサークル  

2018年最初に劇場で見た映画は、これでした。

感想は、「見なければよかった!!!」の一言に尽きる。
もう、それしかない。
本当に、年明け早々、ここまで衝撃的に後悔することになるとは、思いませんでした。
しかもよもや、「キンスグマン」で!!!

最後のテロップ流れ出して。。。

矢野さん、あまりのことに、ガチ泣き!!


ほんとです。
ガチ泣きました。
泣く映画じゃないのはもちろんのこと、映画見たこと、ここまで後悔して、しかもあんなの見せられて、ほんっとに泣いたから。

ここから、超ネタバレ感想。

-- 続きを読む --

Posted on 2018/01/07 Sun. 19:33 [edit]

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2017年映画まとめ  

昨年は、例年以上に映画見てました。
Netflixのおかげもありますが、わりとこまめに劇場に足を運んでもいました。

私、アメコミ系の映画は基本あまり好きじゃなくて、トランスフォーマーみたいなのも、あまり見ません。
で、2017年映画のまとめ。

大評判だった「ラ・ラ・ランド」、色の使い方や音楽は素晴らしいと思いましたが、評判ほどのすごさは感じず。
最終的には、大成功して過去をすっかり脱却してる女と、彼女を忘れずにいた男の過去の恋愛の話って感じで、話としては「うーん・・・」でした。

ゲームから出た映画「バイオハザード ザ ファイナル」「アサシングリード」「Halo4」「バイオハザードヴェンデッタ」、どれも面白かったです。
ゲーマーじゃなくても楽しめるけど、ゲームやってたらもっと面白い。
映画としては、どれも佳作の域を出ることがないのが残念。

Netflixで良かったのは「ファイナルアワーズ」「ステイクランド」「ホワイトヘルメット」「最期の祈り」「ポーズ!」。
「ファイナルアワーズ」は、隕石がぶつかって地球は滅亡するってわかった最後の日、ひとりの男がどうするかを描いた映画でしたが、これがものすごくよかった。
恋人ではない女性とセックスの後、地球滅亡を知った男は、恋人のところへ向かうのですが、その途中で少女を助けます。
どーせ死ぬならやりたい放題!って連中が、その子をさらって輪姦しようとしていた。
助けた少女のお父さんを探しながら、ふたりは車であちらこちらいきます。
男の恋人の家に行き、男の母親に会い、そして少女の父親がいるであろう、少女の叔母の家に行く。
最後の瞬間、誰とともにいますか?という、SFの世界では常套になってる素材を、ものすごくきちんと描いた映画でした。
去っていく男を見送る少女と、走り去りながら号泣する男のシーン、見ていて声あげて泣きました。
2017年見た映画の中で、もっとも心に残ってるシーン。

すでに公開されてた映画ですが、「はじまりの歌」がものすごくよかったです。
大手音楽レーベルでデビューが決まった恋人についてNYにきた女性が、恋人の裏切りに傷ついていた時、知り合った落ちぶれた音楽プロデューサーに才能を見出され、ゲリラ的にライブを収録した音楽を配信し、その才能を開花させる話。
キーラ・ナイトレイがあんなに歌が上手いとは知りませんでした。
とにかく、隅から隅まですてきな映画で、DVD買ってしまおうとか思ってます。

2017年の10作は以下。

コクソン
ライオン
無限の住人
ドリーム
メッセージ
パトリオットデイ
ワンダーウーマン
猿の惑星 聖戦記
ダンケルク
ハクソーリッジ

2018年最初の映画は、「キングスマン ゴールデンサークル」になる予定。

Posted on 2018/01/03 Wed. 11:38 [edit]

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