アニメとGAMEとマンガな日々

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乙女のロマンな18禁小説

2009 - 11/26 [Thu] - 10:29

ラノベ系BL系小説ラインにはとんと疎いのですが、アロマリエのゲームの脚本を担当していた丸木文華の著書があるっていうことで、ティアラ文庫の存在を知りました ⇒ここ

丸木さんの本は相変わらず「禁断」テーマで、そっち系用語満載で説明すると、M男/犬系年下男子が実は異母弟だったって設定で、もちろんねちこちHシーン満載 ⇒ここ
「月の光太陽の影」を楽しくプレイした人にはお薦めの本でした。

で、他のラインナップ見てみると、このテの本は意外に少なくて、王子さまとかがっつり上から目線の神様とか異種生物(妖精・妖怪等)などがほとんどでした。

最近本屋さんの海外小説文庫のコーナーには必ずある、ロマンス小説棚のラインナップと設定はあまりかわらないっていうか、地球のすみずみまで、乙女のロマンの基本は不変のものなんだということがわかります。

ハーレクインロマンスシリーズは、エロシーンがないのが基本。
実際にありそうな(でも絶対ない)恋愛を、比較的リアルなキャラで描いたものがほとんどですが、他の出版社から出ているものには狼男や吸血鬼、時空を越えた恋愛や殺し屋相手のラブアフェアなんかもあったりします。
マグノリアロマンスは、はっきりとHシーンがあるってうたってます。
マヤ・バンクスの「罪深き愛につつまれて」なんて、屈強かつすごいハンサムな3人のカウボーイ兄弟に愛され守られる女性が主人公の小説でした。
設定だけ見ると「アホか」と思っちゃいますが、マヤ・バンクスはイギリスの女性向けのエロティック小説シリーズでもたくさん本を出している人気作家で、そんな「ありえない」設定をものすごいきれいな恋愛小説にしていて、さすが大御所という感じ。

ティアラ文庫は、どっちかっていうと、もっと若い世代に向けてという感じがしますが、恋愛小説というよりはラノベにHシーンがあるって印象です。
最近は、乙女ゲームにも微妙にエロチカな空気を含んだものも普通に売られるようになったし、18禁乙女ゲーというジャンルも確立されましたから、本のシリーズがこうやって出てくるのはむしろ遅いかもしれません。

同人からデビューしている人もいるみたいで、知ってる人には「あ、アノ人!」って作家さんもラインナップに並んでいます。

普通のロマンス小説には萌えないって人でも、乙女ゲーが好きな人ならティアラ文庫は楽しく読めるような気がします。

白衣と意外性の研究 (ティアラ文庫)白衣と意外性の研究 (ティアラ文庫)
(2009/11/05)
桃野 ゆかこ

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罪深き愛につつまれて (マグノリアロマンス)罪深き愛につつまれて (マグノリアロマンス)
(2009/05/09)
マヤ・バンクス

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読み継がれる物語 〜 SWAN

2009 - 11/24 [Tue] - 11:02

SWAN(白鳥) 3 愛蔵版SWAN(白鳥) 3 愛蔵版
(2007/07)
有吉 京子

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友人から借りていた「SWAN」愛蔵版全巻、読み終えました。
連載当時単行本で出版された後、新装版、文庫版を経て、巻末おまけマンガを含んだ愛蔵版として出版、連載が1970年後半とあるので、本当に長く読み継がれているマンガだということがわかります。

物語は、16歳の聖真澄が、マーゴ・フォンテーンのバレエに感動して、思わずフォンテーンの前で踊りだしてしまったことから始まります。
それをきっかけに、ソ連(当時はまだ共産主義)のダンサー セルゲイエフに師事し、日本国立バレエ学校の生徒となった真澄は、世界各国のジュニアの精鋭たちと関わり、刺激しあい、時には争いながら成長していきます。

バレエマンガといえば「テレプシコーワ」が最近は有名ですが、我々の世代だとバレエマンガは「SWAN」です。
有吉京子の絵の美しさは息も止まるほどですが、物語は予想を越えてハードです。

私は実は「エースをねらえ」が好きではなくて、それは岡ひろみが宗方コーチ始め、周囲の人に完全にスポイルされ、厳しい自分との戦い、厳しい世界に自分の力や努力が無残な結果を残すしかない現実と向き合うことなくいるからですが。

「SWAN」の主人公の聖真澄は、終始一貫ひとりです。
そのうえに、過酷な戦いの中で倒れそうになる自分に、誰かの手を求める真澄のそれを、周囲は「あの甘えがある限り、彼女は成長できない」と一刀両断します。
しかし、読んでいてわかりますが、真澄は甘えてはいません。
彼女は常に、ひとりで壁をのりこえ、戦いに挑み、そして前に進みます。

このマンガ、見事なほどに恋愛の甘さがありません。
彼女にずっと好意を持つ葵に、真澄は最後まで男として好意を持つことはないし、好きだった草壁は京極小夜子を選び、彼女を導いたセルフゲイエフはどこかで男として真澄を見ながらも、最終的には師としても真澄から離れます。
唯一、恋愛関係が成立したルシィは結果的に真澄にバレエを捨て去ることを強制することとなり、最終的には永遠に彼女のもとから去ることとなり、バレエのパートナーとして絶対的な存在のレオンは、連載中はあくまでもパートナーとしての立場を離れることはありません。
彼らはみな、真澄がバレエダンサーとして成長していくその姿を、ただ見つめ、それに対する自分の心と葛藤していくことになりますが、結果として真澄はこの部分においては絶対的に孤独です。

対して女性キャラも秀逸です。
真澄があこがれた京極小夜子は、ジュニアトップの実力を持ちながら不慮の怪我によって、約束されていたかに見えた将来をリセットせざるをえず、後輩の青石薫は真澄との戦いによってバレエに対する意識を変えます。
バレエのために愛する男性を捨てたシドニー、真澄の永遠のライバル ラリサ、天才少女リリアナ、スターダンサーの影になりながらも実力をしっかり見せるマージなどなど、魅力的なキャラがたくさん。

さらには、物語の中で彼女たちが時折見せる視線、あるいは間が、彼女たちの気持ちや想い、あるいは彼女達が気づいてしまったことなどを見せて、読んでいる我々をはっとさせます。

十代、二十代と読み、あらためて今の自分で読むと、その時々で感じることが違ってきているのがわかりました。
今の私は真澄を指導した人たちを同じ世代で、まだ十代の彼女がどれほどに過酷な状況にいるのか理解できます。
けれど世界の頂点をめざす、芸術としてのバレエの高みを上がるには、それは歩かなければならない道で、しかしその道を歩いたからといってその域に達せられるとは限らない。

一箇所、さーーっと涙が流れたシーンがありました。
熟練したダンサーにしか理解できなかった真澄の大きな変化と成長、その神がかった踊りに、世間は冷たい評価を下して彼女のダンサーとしての存在の有無を問います。
うちのめされた真澄に、その時のライバルだったリリアナが、「私が人として生きよう、踊ろうと想ったのはあなたがいたからだ」と告げるシーン。
胸を打ちました。

誰もいないレッスン場でたったひとり、声も出さずにむせび泣く真澄の姿。
それはたぶん、真澄のバレエを同じように、万人に理解されるものではないかもしれません。
でも、同じように泣いたことがある人には、必ず感動を与えてくれるマンガと思います。

女の性(さが)と性(せい) 〜 グロテスク

2009 - 11/07 [Sat] - 19:29

グロテスク〈上〉 (文春文庫)グロテスク〈上〉 (文春文庫)
(2006/09)
桐野 夏生

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今更ながら読みました。
なんというか、読み終わった後の気分といったら、まったくもってよろしくありません。
でも、ものすごい読み応えある物語でありました。

女性は、まずその容姿で区別されます。
それは生まれた瞬間から死ぬ時まで、微妙に形を変えながらもずっと続くもので、女性として生まれた者にはつきまとうもの。

世の中にはまだまだ順列や勝者を決めるアイテムやカテゴリーがあって、ほとんどの人がそれを必死に追い求めながら、掴もうとしながら生きています。

この物語は、4人の女性がそれに翻弄され、破滅していく姿を描いています。

私も中学から女子校だったので、この物語の舞台になったQ女子校の雰囲気はとてもよくわかりました。
もっとも、私が通っていた女子校は、もっとぬくぬくした箱庭みたいなところで、みんなのんびりしていましたので、こんなすごいヒエラルキーもなければ区別もありませんでしたが。
むしろ、社会人になって初めて勤めた商社に、あからさまこの世界があったように思います。
この話の中では、あくまでも見た目と学歴だけの区別ですが、現実はもっと複雑で、見た目にかわいくて媚があり、男性をうまくあしらえる女性が一番注目されていました。
例えその人が、毎晩不特定多数の男を関係を持ち、仕事もロクにしないで要領よく他の女性に振って、計算高く男性陣を相手にしていたとしても、それが彼女の“魅力”を損なうことはありませんでした。

美しければ、勉強が出来れば、みんなから注目され、愛され、尊重され、想像できないような幸運な人生になる・・・・というのを信じれば、その人は「それがなければ幸せになれない」という鎖で自分を縛ることになります。
しかし世の中、そんな簡単ではないし、そんなものでもない。

この物語の「わたし」と和恵は完全にそれで自分を縛り付けた人たちで、それを悪意と他者へに攻撃にかえて生きた人だと思いました。
本人たちの必死さとは裏腹に、彼女たちは結局自分たちの持つその価値観と感情に押し流されて破滅していくのですが。

和恵は、あの有名な「東電OL殺人事件」の被害者がモデルになっています。
事件後、被害者の女性に共感したという多くの女性が、犯行現場を詣でるようにして訪れていたそうです。
エリート街道まっしぐら、固いおうちのきちんとしたお嬢さんだった女性が、なぜそんなことになってしまったのか。
当時はいろいろ憶測を読んでいましたが、被害者の実像に迫る話しは、結局身近な人から伝わることはありませんでした。

思うに、被害者の実像はこの「グロテスク」に描かれていたものに限りなく近かったのではないでしょうか。
渋谷の円山町で見られていた彼女の狂気に満ちた姿、それで日常生活が普通に送られていたとは到底思えません。
美しくもなく、努力はことごとく思うように実らず、愛されることも愛することもなく、大事にされることもなかった和恵ですが、彼女は最後の最後まで、現実を直視することもなく、それを認識することもありませんでした。
そしてそれは、「わたし」としてしか語られないユリコの姉にも言えることです。

物語の中でただひとり、完全な美しさをもって存在していたとされるユリコだけが、自分の現実をしっかりとらえ、人々が勝手に作るカテゴリーにあてはまることなく、自分のやりたいように生きて、そして最後に破滅していきます。
彼女が欲しかったのは彼女を普通に愛する人でしたが、彼女はそれを「美しすぎる」という理由で得ることは出来ませんでした。

女という生き物は、自分にない“美しさ”のパーツを必死に探し、拾い集めようとする部分があるのかもしれません。
それを纏い、それをかぶり、それを身につけ、「私を愛して、私を見て」と叫んでいるのかもしれない。

その強烈な自己顕示欲と自我から自分をはずしたのなら、この物語の登場人物にも違う形の幸福があったんじゃないかと思いました。

グロテスク〈下〉 (文春文庫)グロテスク〈下〉 (文春文庫)
(2006/09)
桐野 夏生

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秘密 新刊

2009 - 10/30 [Fri] - 14:39

まだ画像がないので前の巻のを貼りましたが、秘密(トップ・シークレット) 7 新刊が発売になりました。

今回は、誘拐されて監禁された少女の行方と、その父親の外務大臣のお話。
冒頭、2人の女性が誘拐されるシーンがあります。
それがどういう意味を持つのか、はっきりいって衝撃のラストが用意されていました。

自分の子供なら、自分の身内なら、権力を行使し他人を巻き込んでも、人は彼らを助けようとします。
しかし、それが自分には何ら関係のない人間だったら?
そして、国家や社会、世論のために、危ぶまれる命を捨てさってしまってもいいのか?
人の命の価値は、それだけで他人が決められるものなのか?
そして、それが血縁関係を証明するものになりうるのか?

またしても、提示されたテーマはえらく重かったでした。

このマンガの話はどれも、ラストは放置です。
事件そのものは解決されますが、関わった人、巻き込まれた人たちは、犯人も被害者も含めて全部放置。
そして残るのは、どうしようもない残酷な現実だけです。

今回の悲劇は、事件とは何ら直接関係のないふたりの女性です。
最終的に、ひとりは国も国家も政治も権力も施行され、他の人間の命すらも奪った形で助かりますが、彼女は最終的にすべてを奪われる結果になり。
もうひとりは、利己的で権威的な個人の浅ましい考えによって、二度も命を失いかけますが、そのたびに人間としての善意と倫理に救われる結果となります。

今回、蒔さんは涙を隠しきれず、感情をおさえることができずに、その都度それをみんなの前に晒しています。
でもそれは、彼個人の心情的なものの吐露ではなく、あくまでも「人の命を救う」というもの対して、自分の力のなさを痛感しての結果。
どれほどに冷徹に仕事をしていようとも、隠せない想いを部下にもっていようとも、蒔さんはあくまでも職務に対して忠実であり、誇りをもってそれを行なっているのがよくわかりました。

半年の1冊の発刊で、ほぼそれが守られているのがありがたいです。
いつまで続く話なのかわかりませんが、次回にも期待。

秘密(トップ・シークレット) 6 (ジェッツコミックス)秘密(トップ・シークレット) 6 (ジェッツコミックス)
(2009/02/27)
清水 玲子

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毎日ご飯

2009 - 10/29 [Thu] - 11:22

料理します。
けっこうきっちり作ってます。
普通に煮物とかもやりますが、魚もおろしますし、余裕があればキッシュとかも生地から作ります。
蒸篭買って肉まんも生地からつくり、最近はチャーシューも自家製。できればパスタも打ちたい。
料理が趣味なんだねとか言われることもありますが、趣味じゃないです。
あくまでも、「食べたいものは自分で作る」ってただそれだけ。

レシピを見るのが好きなので、最近流行のレシピブログとかもよく見ますが、「おいしい」って感覚はいたって主観的なものなので、「どう考えてもそれはおいしくないと思う」というものもけっこうあったりします。

そんな中、「どれを試してもおいしかった」で、「作り方も手軽」なレシピが多かったブログが本になりました。

JUNAさんの家族を幸せにする毎日のごはん (e-MOOK)JUNAさんの家族を幸せにする毎日のごはん (e-MOOK)
(2009/10/27)
JUNA

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チャーシューのレシピはここので作ってますが、簡単で本当においしいです。
JUNAさんの語り口、最初「オカマさん?」とか思っちゃったのですが、正真正銘の女性の方です(笑)
本に紹介されているレシピ、一見「わざわざ今更教えてもらわなくても、他でもういろいろ見たよ」なものが多いのですが、味付けがちょっと違うというか、JUNAさんらしさがあります。
個人的には、もっと煮物な和食系もいれてほしかったのですが、ブログ見ればいいか(笑)

ヤミーさんの3STEP COOKING (主婦の友生活シリーズ)ヤミーさんの3STEP COOKING (主婦の友生活シリーズ)
(2007/06/26)
ヤミー

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ヤミーさんのは、友人から教えてもらいました。
こちらもブログから本になったものですが、本当に全部3ステップでできる料理ばかりでびっくり。
しかもおいしい。
ヤミーさんのこの本は、世界各国の料理ってコンセプトなので、そこのところも他のレシピ本とはちょっと違います。
調味料やハーブに凝ったレシピがあるので、そこんとこはわざわざそろえなければならないってのがハードル高いですが、基本は1口コンロと小さなパン焼きオーブン、レンジのみで出来る料理って内容なので、ひとり暮らしの人にはとても良い本です。
1冊目は、利用しまくったのでボロクソになりました(笑)

ごちそうさまが、ききたくて。―家族の好きないつものごはん140選ごちそうさまが、ききたくて。―家族の好きないつものごはん140選
(1992/11)
栗原 はるみ

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栗原さんは有名すぎるくらい有名だし、主婦から料理研究家となった最初の人(だと思う)ので、知らない人はいないと思いますが、この方も基本は家庭料理。
この本は、もっぱら煮物焼き物な普段のご飯にとても参考になります。

LIFE なんでもない日、おめでとう!のごはん。 (ほぼ日ブックス #)LIFE なんでもない日、おめでとう!のごはん。 (ほぼ日ブックス #)
(2009/03/12)
飯島 奈美重松 清

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こちらも「かもめ食堂」以後、大人気の飯島さんの本。
飯島さんのレシピは、レシピ通りに作ってこそ意味がある、おいしいレシピ。
実はそこが一番難しいというのもあるように思います。

ウー・ウェンの北京小麦粉料理ウー・ウェンの北京小麦粉料理
(2001/11)
ウー ウェン

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中華料理大好きな私、とくに粉物を自分で作りたくて買いました。
自分で中華麺作れて、中華マン作れて、春巻きの皮から何から全部出来るって、この本は今一番使用頻度高いです。

きのう何食べた? 3 (モーニングKC)きのう何食べた? 3 (モーニングKC)
(2009/10/23)
よしなが ふみ

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そして、思っていた以上に利用頻度高いのがこの本(笑)
とくに煮物系は、筧さんのレシピ好きです。
あっさりとした味が多いのは、やっぱり中年層男性が作るレシピだから?(笑)
もっとも、あんなに手をかけて品そろえて作るのは、相当に気合はいらないと無理だと思うので、筧さんの偉大さがあらためてわかるという・・・・(笑)

お弁当までしっかり作りたいところですが、いかにせん時間がない。
作っている人はえらいと思います。

それでも救急車は走る 〜ロード&ゴー

2009 - 10/29 [Thu] - 09:56

ロード&ゴーロード&ゴー
(2009/10/21)
日明 恩

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救急車がジャックされた。
人質を取られ、爆弾を積んだまま、犯人が指定する病院までをひた走る。
しかし、犯人の意図は誰にもわからない・・・・

そういうお話です。

探偵、警察、自衛隊の小説は最近多数見かけるようになりましたが、救急隊員と救急車を主人公に据えた小説はそうないように思います。
ただしこの話、主人公は救急隊員たちですが、消防隊員と署の通信員、それを傍受する女子学生、それを報道するテレビ局のスタッフがそれに関わり、多方面から事件を描く形になっています。

救急車、過去3回お世話になりました>内1回は搬送の付き添い
家族関係も含めると、実は4回。
乗る側から言わせてもらうならば、病気や怪我でどうにもならなくなってお世話になるものなので、精神的にも肉体的にも切迫した状態で乗ることになります。
隊員は、意識や血圧等の基本的な部分の確認から始まり、今は緊急のための連絡先を患者に確認します。
その後、状態や状況に応じて搬送先の病院に確認を取り、そこから搬送にはいります。
病院に到着し医師に引き渡しても、状態によっては別の病院への搬送が必要になる場合もあるので、そこで「引き受けた」という医師の最終判断が出るまでは、救急隊員はその場で待つことになります。

本人に意識がある場合、自分に何が起こったのか、どうなっているのかわからない不安と、状態によっては痛みやわけのわからない身体反応にパニック状態になってたりします。
そういう時、救急隊員のみなさんの冷静な処置、対応はものすごく心強く、何気なくかけてくれる言葉に涙が出そうになるほどでした。

受け入れた病院での医師の、救急隊員への対応は、どこも決して良いとはいい難いものでした。
しかし医師のほうも、深夜とかに次々運ばれてくる患者の対応に追われていて、そこまでかまっちゃおれんというのもあるかもしれません。
いづれにしろ、ひとりの人間を救うために多くの人が全力を尽くしています。

しかし残念ながら、それでも助からない人はいます。
この物語の発端はそこから始まり、終わりは「それでも救急隊員はその人を助けたいと全力を尽くす」という形で終わっています。

日明恩は、ガチ体育会系の骨太な主人公がほとんどですが、今回も思いっきりそういうタイプです。
「鎮火報」の登場人物たちもちょっと出てきていて、そっちを読んだ人にもこの小説は「お!」とかって感じで別の面白さがあると思います。

もうひとつ、日明恩の小説には、必ず「お前、それどうよ?」な感じのしょーもない人間が登場してくるのですが、今回も数人出ています。
ただし今回、どの人に自分なりのきっちりした決着をつけていて、そのあたりとても好感がもてました。

個人的には、救急隊員の皆様には無条件で感謝の念があるので、この小説も客観的に読むことができず(笑)
「もしかしたら死ぬかも」という状態の時、一番最初に関わる人たちです。
仕事とはいえ、感謝してもしきれない気持ちで読みました。

共感も共鳴もしない、でも・・・・〜サプリ 最終回直前

2009 - 10/27 [Tue] - 11:30

サプリ9 (Feelコミックス)サプリ9 (Feelコミックス)
(2009/07/08)
おかざき 真里

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おかざき真里「サプリ」が、あと1回で連載終了だそうです。
作者のおかざきさんが、ブログで「サプリ」の裏話を今書かれてます⇒ここ

正直、この話読むのにはいつも覚悟が必要でした。
うまく表現できないんですが、読むと精神的にダメージくらうっていうか、ダークサイドに引きこまれるっていうか、見なくていいもの見たいやーんな気持ちになるっていうか、それをひっかぶる覚悟みたいなものが必要って感じ?
なので、事前に気持ちの準備が必要でありました。

正直、主人公に好感欠片もなし。
女性キャラ全員、まったく好きになれないし、むしろ職場でいっしょになりたくない人ばかり。
男性陣も、個人的には関わりたいと思うような人はいませんで>もっとも周囲男性陣には、お目にかかる機会もないような人たちばかりですが

恋愛メインな話なので、そっち描写が多いのは仕方ないとしても、人生こんなに男と恋愛とセックスで埋め尽くさなければならないのかさっぱり理解できず、挙句に仕事にも著しくその影響出しまくりで、それなのに「ちゃんと仕事してます」描写になっているので、正直げんなりする部分も多数ありました。
読んでいる友人(女性)らもほぼ同じ意見で、そのあたりの密度が濃すぎて「うぇーっぷ」な気分になってしまうってことで、このマンガの評判そのものはあまりよろしくなかったです。

登場する女性キャラはみな、ある意味計算高いし、ある意味とってもこずるいと思います。
本人たちが思っているほどには強くないし、仕事に対する姿勢もかなり甘いと思う。
男に依存して甘える描写も多くて、でもだからといって恋愛マンガじゃないので、印象がネガティブになりがち。
読んでいて、「おいおい、そりゃちょっとだめでしょ」って部分大量。
読み終わった後、「う〜〜ん・・・」みたいな気分になります。

それでも読まずにいられなかったのは、そういう彼女たちの気持ちや行動が、我々女性のいろんな部分をそれぞれ凝縮した形で、どうしようもない自分、どうにもならない自分をどこかに見てしまうからなんじゃないかと思っていました。

現実だと、そういうものがあっても、そういう状態になっても、たいていの人は冷静に客観的に自身の中で対処していきますが、「サプリ」の女性たちは全部ダダ漏れ、大公開してきます。
だから、すごいレアで濃いキャラ印象になるし、読んでいてダークな気分になりますが、どこかに「理解はする」って部分がある。

それは、共感や共鳴にはなりえないものなのですが、どこかで「ああはなりたくない」みたいな気持ちをもちつつ、「でも、そうなってしまうかもしれない」という危うい自分に気づかされる・・・・みたいな感じなような気がします。

現実、こんなベタな恋愛しまくってたら、時間も体力も続かないし、仕事とプライベートと恋愛の部分の切り分けがない状態ってのはたいてい全崩壊していっちゃうものなので、こんな綱渡りみたいなことしてたら疲れるだけのような気もします。
楽しくもなさそうだし(笑)

ベタすぎるほどにベタな話、どこに終着点があるのか、かなり楽しみだったりします。
10巻完結ですな。

ブラックラグーン 新刊

2009 - 10/20 [Tue] - 10:23

ブラック・ラグーン 9 (サンデーGXコミックス)ブラック・ラグーン 9 (サンデーGXコミックス)
(2009/10/19)
広江 礼威

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ロベルタ編第二弾、長かったですがこれで終わりました。
連載時に大幅加筆修正、プラスラスト変更になっているそうです。

正義とか悪とか、実はひじょうに定義しにくいもので、世の中はファビオラの言うように“グレイ(灰色)”です。
正しいから正義ではないし、むしろ世界は勝者が正義をつかさどることが多い。
そこに虐殺、打算、謀略、殺戮、人でなしな行為があったとしても、意外なほどに「正しい」とか「正義」とか言われてしまっていたりします。
じゃあ悪はというと、こちらも同じように曖昧な中にある。
ただし、人間には倫理とか良心とか節度とかあって、悪というものはそれによってある程度尺度は定まっているような気がします。
しかし、いづれにしろどちらも個人の価値観や考えによって定義されるものなので、正義も悪も千差万別。
置かれた状況によっても変わるものです。

物語はロベルタを中心に、彼女を追うガルシアとファビオラ、米国軍海兵隊の精鋭部隊、ホテルモスクワに、三合会、ラグーン商会、シェンホア達が絡み、そこに暴力教会とNSA(国家安全保障局)が介入します。

この入り組んだ関係には、それぞれの正義と悪、想いや願いが絡み合い、その人の正しさが確実に存在しますが、結果として存在しているのは【ただの殺し合い】です。
ただ、もしかしたら彼らはそれを【ただの殺し合い】にしないために、おのれの正しさをそこに持っているのかもしれない。
読んでいて、そんなふうにも感じました。

その矛盾をまったくもっていない(少なくとも持っているとは見えない)のは、暴力教会のエダと張です。
彼らは最終的にガルシアがロベルタを救済するために暴いた、人々の持つ“正しさの矛盾”にはまったく関わっていません。
そういう面からいえば、エダと張は、“正しさ”なんて必要としていないのかもしれない。
もしそうであれば、一番怖いのは彼らです。

今回、ロックとレヴィはそれぞれ、ファビオラからおのれの持つ真実とダークサイドを指摘され、つきつけられました。
レヴィはそれを嘲笑し、ロックは落ち込みましたが、果たして今後このふたりがどういう道を選ぶのか、興味あります>とくにロック

ガルシアがとった行動と結果、私はやっぱり夢物語だと思いますが、現実的じゃないとは思いません。
ただ、張が言った「正しいことが、幸せな結末にいたれるとは限らない」という言葉に、すごく共感しました。
それは、キャクストン少佐の部隊の人たちがどうなったかを見ればわかります。

ガルシアのとった行動は、確かに“殺戮のダンスの輪”にははいらなかったかもしれません。
しかし、ロベルタを生かすために、無関係な人間がどれほどに死んだか。
ガルシアに直接関わったキャクストン少佐の部隊の人間の死は何だったのか。
自分の足元には、そういった人たちの死体が積みあがり、血だまりがあることを、彼は気づかないでいるのだろうか。
読んだ後、そんなことを考えました。

いやぁ、しかしなんちゅーかこのエピソード、ありえないほどに血なまぐさいし、暗いし、ややこしいし、読むのに体力いりました。
次のエピソードは、ちょっと気の抜ける感じのがいいなぁ。

このロベルタのエピソードは、2010年にOVAとして発売決定だそうです。
無理だろう、テレビ放映は(笑)
OVAでもどこまでできるか、ちょっと疑問なほど。
でもきっと買っちゃう(笑)

草原の家族の絵巻 〜乙嫁語り

2009 - 10/16 [Fri] - 14:07

乙嫁語り 1巻 (BEAM COMIX)乙嫁語り 1巻 (BEAM COMIX)
(2009/10/15)
森 薫

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「エマ」でブレイクした森薫の新連載は、19世紀の中央アジアです。
前作とはまったく違った趣、でも描きこみの緻密さはかわらず、物語もまるで丁寧に織られたタペストリーのよう。

物語はシンプル。
「ある村の12歳の跡取り息子のところに、遠い村から20歳のお嫁さんが嫁いできましたとさ」

いやぁ、設定からもうすでに、いろんな意味で大炎上だ(笑)

まだ少年のカルルクは、それでもしっかりとした落ち着いた立派な夫で、20歳のアミルはそんな夫をしっかりと立てている清廉な乙女です。
ふたりの間には肉体的なつながりはまだなく、しかし夫婦としてしっかりと結ばれています。
そんなふたりが交わす笑顔や視線、カルルクの言葉に頬を染めるアミル、まだ男としての一歩を踏み出せないでいるカルルクなどなど、思わず微笑んでしまうような、でもちょっとドキドキするようなシーン満載。

1巻は、嫁にだされたばかりのアミルを、アミルの実家が自分勝手な都合で取り戻しにやってくるというエピソードがはいっていますが、嫁ぎ先の一家が嫁を命賭けて守るという、心揺さぶられるシーンがありました。

年上の妻なんてのは、歴史上山ほどありますが、マンガでこういう描き方されるのは珍しいような気がします。
恋愛ものではけっこうありますが、カルルクとアミルは最初っから夫婦として登場。
初めて会ったのは婚礼の日でした・・・・という状態ですが、最初のページのふたりの出会いはとても印象的です。

そしてさすが森薫、彫刻をする老人、それを見つめる子供、人々の衣装、馬で疾走するシーンなどなど、1コマ1コマ、見入ってしまいます。

続きが楽しみすぎて、のたうちまわる。。。。

大奥 新刊

2009 - 10/15 [Thu] - 15:25

ooku
大奥 第5巻 (ジェッツコミックス)

大奥新刊が出ました。
すぐに感想書こうと思ったのですが、ちょっと間をおいて、いろいろ落ち着かせてたというかそんな感じです。

将軍綱吉の時代は、実は江戸時代の中でもわりといい方の部類にはいる時代だったらしく、政治経済においては落ち着いていたようです。
歴史的には生類憐れみの令から赤穂浪士討ち入りまでの方が有名になってしまい、しょーもない人みたいな印象がありますが、もちろんそればかりじゃかったはず。
ただ、女癖も悪かった人だったらしく、あっちこっちの細君婦女子に手をつけていたらしいという話も残ってはいます。
ただし、子供には恵まれませんでした。
生まれても、早くに亡くなってます。

それを、こういう一見天真爛漫自由奔放な女性キャラにしたのが、とにかくすごいと思いました。
実際、前将軍より女としての魅力を備えた人物として描かれていますが、新刊読んで、決して女性として幸せな人ではなかったんだとわかります。
一見、好き勝手にふるまい、あまり深慮な人ではないように描かれていた前巻とはうってかわって、新刊では彼女の深部に触れてきていて、その悲しみや苦しみが描かれていました。

外の世界では、男と関係を持つことすら難しい世の中で、見目麗しい男子を千人単位で抱えてかしずかれ、好き放題に選べる立場といえば聞こえはいいですが、その実は、継承者を産むために不特定多数の男に抱かれ、その男たちとの関係に悩み、母親として苦悩し、日本という国のために日々政務にはげまなければならない人生です。

だれかれとなく気に入った男を手にいれていたと見えていた綱吉が、実は、彼女に優しい言葉をかけ、その心を慰撫した男性に対してのみその手を伸ばしていたことが新刊でわかりました。
しかし、将軍といえども、人間の心までは手にいれることは出来ないし、その人の寿命や身体の機能までを変えることもできません。

子供を亡くして悲嘆にくれる綱吉に、父の桂昌院が「また気に入った男と寝て、子供を産めばいい」と言います。
それに対して綱吉が放った言葉は、たぶんこの「大奥」の中で最も衝撃的、かつ象徴的なものだと思いました。
女性ならばその言葉の重さがわかると思うし、その裏に秘められた想像を超える悲劇も理解できると思います。
読んでいて、ちょっとソソケたちました。

綱吉が、まだ少女の頃の吉宗と会見するシーンが出てきます。
家光から綱吉まで、愛する男性とは決して結ばれることのない(肉体的な意味ではなく)、女性としての悲しみを背負った人生が続いていましたが、吉宗は部分的に彼女らとは違います。

実際の吉宗は、将軍になる前にもうけた長男が身体的な不自由さを持っていたため、後継者をどうするかでいろいろありましたが、本人は名君として歴史に名を残しています。

1巻で、この話は春日局に依頼されて、大奥の歴史の真実を書き記してきた老臣から吉宗が話しを聞く・・・という流れできています。
この先あと少しで1巻の最初の物語につながる形になりますが、マンガ賞受賞の際、よしながさんは「まだ折り返し地点にもいっていない」というようなことを言っていたので、物語はまだまだ続くような気がします。
すごく期待。


アラフォー女たちのサバイバル 〜コンタクトゾーン

2009 - 09/30 [Wed] - 13:56

コンタクト・ゾーン〈上〉 (文春文庫)コンタクト・ゾーン〈上〉 (文春文庫)
(2006/11)
篠田 節子

商品詳細を見る

非常識と傲慢のリミッター解除、バブルスピリット全開なアラフォー女3人が、アジア小国の高級リゾートで国家崩壊と暴動に巻き込まれ、そこからいかにしてサバイバルし、脱出するかというお話です。

外務省ノンキャリアで、アウトドアしまくりな男まさりの真央子、大病院の娘で医師免許を持ちながらも自分探しに日々すごす、買い物依存症の祝子、不倫のストレスで美貌が脂肪にうずもれてしまったありさ。

旅先のアジアの国で、ありえないほどの傍若無人ぶりを見せ、失礼にもほどがある態度でガイドに対応し、買い物と男漁りに精を出しまくる3人に、冒頭、好感の欠片も持つことはできません。
政情不安定な国で、「政情不安で貨幣価値が落ちてるからこそ、高級ブランドが安く買える」と言い、危険だとみんなが叫ぶ夜の繁華街に「男探しに行く」とでていく3人。
ところが、彼女たちのそのしょーもない言動が、思わぬ形で彼女たちの命を救います。
破壊、混乱、虐殺があふれかえったその国の中で、彼女たちはサバイバルし、逃亡し、そして戦い、いつ来るかもわからない日本からの救助を待ちます。
果たして、彼女たちは無事日本に帰ることができるのか???

設定に反比例して、内容はしごく真面目でまっとう、シビアです。
彼女たちはヒロインではなく、彼女たちを救い出してくれるヒーローもいません。
異文化、異言語、異習慣の中で、彼女たちの持つ価値観や考え、物の見方は時に人々の命や彼女らの命を危険にさらし、時に救うことになります。

作者は登場人物をシビアに描く人なので、どの人物もひじょうにリアルで複雑です。

常識的で善意ある祝子は、ものごとの一面しか見ることが出来ず、そのために彼女たちを助けた人たちに迷惑をかけ、傷つけ、さらに命までも危険にさらします。しかし時にその無謀な善意は、思わぬところで人々を救うことにもなる。
穏やかなありさは、年齢と脂肪に埋もれてしまった彼女自身を別の価値観で見ることを知り、自分の選択で新しい生き方を選んでいきます。
男まさりな真央子は、高速で変わっていく状況にいち早く順応し、瞬時に状況を把握して対応します。

こりゃすごいな・・・とちょっとびっくりしたのは、真央子という人物。
ああいった状況の時、女性はレイプ(時に集団でのもの)の危険にさらされます。
初盤、3人はいきなりそういう危機状況に陥りますが、そこで真央子は、「伊達にこの歳まで男と遊んでないわよ!」と、他のふたりを退けて、自ら男を押し倒します。
その後も、解放軍と称するゲリラたちが無理やり女たちを連れていこうとした時も、子供のいる女性の身代わりを自ら申し出て、レイプ及び虐殺の可能性のある場へと赴いていきます。
彼女には犠牲的精神もなければ、大きな使命感もありません。
彼女にあるのは、三十代後半、独身、女という、自分のそれまでの歩みと自信、そして「ちきしょう!」な想いです。

序盤、ツァーガイドの工藤があきれ、軽蔑し、最低な奴らだと罵る3人の女性ですが、それぞれが抱える想いや悩み、つらさがその背景にあります。
しかしそれは、日本という国にあるからこその悩みやつらさ、生きにくさであって、命すらも危ぶまれるような異国の地では何の形にもなりえません。
次々といろいろなものが剥ぎ取られて、彼女たちに最後に残るものは何なのか、それがこの物語のいちばんの見所です。

以前から興味あって、やっとこさ読んだって感じの本ですが、久しぶりの面白さであっという間に上下読んでしまいました。
篠田節子は、三十歳前後の女性たちを描いた「女たちのジハード」という小説も書いていて、こちらもすごく面白かったです。
この作家、しばらく追いかけてみようかと思っています。

新しいマンガの形

2009 - 09/30 [Wed] - 11:14

おかざき真里さんのマンガがあるってことで、見てみました ⇒ ここ

資生堂がプロデュースした、いわゆる商品宣伝用のマンガですが、今まであったWEBコミックとはちょっと趣きが違います。

最近はWEBコミックや携帯コミックも一般的になりつつありますが、私はどうにも苦手です。
読んでいる時の集中力が全然違うし、間みたいなものも違うような気がします。
WEBだと、なんというか、消費するだけの読物という感覚があるのですが、本というのは形として存在しているもので、残るものですから、そのあたりの違いもあるかもしれません。

読むなら、紙でもネットでも同じじゃないかって言う人もいると思いますが、上手く表現できないのですが、五感で感じる何かが違います。

最近は、WEB媒体で復刻されているものもあるし、WEB掲載のみってマンガ家さんも増えているようです。
しかし残念なことに、WEB媒体で掲載されたマンガが本の形を取ることは少なく、コミック化されるケースも決して多いとは言えません。

残らないんですよね・・・・

資生堂サイトのWEBコミック、コマで上手くつなげて動きが出るような雰囲気にしています。
まるで映画見ているようですが、ためしにページごとに普通に見てみましたが、なんだか印象がまったく違いました。

どちらがいいとか悪いとかはなくて、たぶん好みの問題と思いますが。
私はやっぱり紙で読むのが好きです。

ベルセルク 新刊

2009 - 09/28 [Mon] - 09:54

ベルセルク 34 (ジェッツコミックス)ベルセルク 34 (ジェッツコミックス)
(2009/09/25)
三浦 建太郎

商品詳細を見る

まだ絵が出てないのが残念、新刊が久しぶりに出ました。

今回はガッツたちの登場はちらっとだけ。
メインはグリフィスの率いる新しい鷹の団と、すっかり変貌してしまったガニシュカの戦いです。

壮大なスケールで使徒(魔物)になっちゃったガニシュカに、グリフィスはやっぱり魔物で対抗することになりますが、鷹の団のメインの人たちも使徒なので、もちろんこぞって参加です。
あからさまな使徒の形態を見た人間たちに走る動揺に、巫女であるソーニャが「命を投げ出して戦うものに、使徒も人間もない!」と一括。
人間と使徒が共に手をとりあい、協力しあいながらの戦いになだれこんでいきます。

ってことで、壮大なスケールの展開になるので、見開きページが続き、すさまじい描きこみの絵が並ぶ1冊でありました。
なので当然、ストーリーはさほどに進んでいません。
ただし、大きな節目は迎えてます。

幽界(かくりょ)と現世(うつよ)のボーダーが吹っ飛んだことで、世界は混沌状態になりました。
人間にとっては生きることが難しい世界になっちゃったと思いますが、もともとはいっしょに在ったものなわけで、それが今後どういうことになるのかわかりません。

そもそもゴッドハンドたちがやりたいことって、何なんだろうかと、ここにきて疑問。
善と悪って単純なカテゴリーで分けられない物語なのですが、ここまでくると、ガッツとグリフィスの因縁の対決みたいなもの以上の何かが存在しすぎて、「どーなっちゃうの?」な感じします。
法王を伴って正義の使として世界を破壊しようとしたガニシュカを倒したのは、ゴッドハンドのフェムト。
あのままになっていれば、世界は確かに地獄絵図のままになっていたでしょうが、じゃあ幽界と現世のボーダーがなくなった世界は“救われた世界”の在り方なのか?ってと、これまた疑問。

物語はもう、ガッツとグリフィスの関係だけにはとどまらない状態になってます。

ベルセルク、全冊持っていたのですが、実は半分くらいありません。
以前友人だった人が「貸してほしい」と言ってきて貸したのですが、本渡したその場で、「私、借りたもの返すのけっこう忘れちゃうんですよね〜」とか言われ、本気でびっくり。
実際、返してもらえませんでした。
(返してくださいと連絡したが、宅急便で送りますよ〜と言われてそのまま放置・・・・)
そのうち買いなおそうと思っていますが、これ以後、本を人に貸すのが怖いです(笑)
いや、友人らは普通にちゃんと戻してくれるんですけどね。

エクソシストは語る

2009 - 09/15 [Tue] - 14:24

長年読みたいと思っていたガブリエル・アモス神父の「エクソシストは語る」の邦訳をやっと見つけたので購入して読みました。
だいぶ前に英語版買って読もうとしたのですが、宗教用語満載でまったく意味わからず挫折。
日本語で読んでも聖書からの引用が多かったりで、けっこう難しい内容。
一般書籍ではなく、宗教本とみなしていいと思います。

ガブリエル・アモス神父は、20世紀最高とも言われたカンディド神父の直弟子で、国際エクソシスト協会の創設者でもあります。
バチカン認定のエクソシストをたばねるこの協会は、今は後任の育成も行なっています。

エクソシストといえば映画が有名ですが、アモス神父他、実際にエクソシストに関わる神父たちはこの映画をホラー映画としてみていません。
実際に行なわれるエクソシスト、及び悪魔が何をどう行なうのかというのを描写したものと考えているそうです。

本書は、悪魔がはいりこむ、悪魔が行なうものがどういうもので、どういう事象がおきるのかということから、実際あったことを例にしながら説明がなされていますが、あくまでもキリスト教をベースにした見地からの内容で、信者でないと理解できないような箇所もいくつかありました。
また、キリスト教は基本的には他の宗教や信仰を認知しない形を取ることが多いので、この本の内容も、ニューエイジ的なものを含めたオカルトなものは基本否定しています。
(アモルス神父は、ハリーポッターも悪魔的示唆を含んだ危険な書物と指摘している人です)

エクソシストに関してのものを読むと、いつも浮かんでくる疑問は、宗教というものに基本疎い我々日本人に、果たして「悪魔憑き」というものが具体的にあるのか?ってところです。
我々が悪霊とかそういうふうに呼ぶものがそれに該当するのかもしれませんが、キリスト教の見地から見ると、悪魔が人間に影響を及ぼして災いを成すのはVS神という立場においてのもので、そうなるとキリスト教信者ではない我々にはその構図は成立しません。
仏教、もしくは神道、あるいは八百万の神をベースにした我々日本人から見ると、やっぱり微妙に理解不能な部分はあると思いました。

ただ、アモルス神父が指摘するオカルトなものに対する危険というのは確かにあると思います。
タロットや魔術、占い、超能力、霊能力などなど。
甘言にのせられて、いつの間にかとんでもない事態に追い込まれてしまうのは、国に関係なくどこも同じのようです。

しかしながら一番恐ろしいのは、エクソシストの方法などの部分ではなく、本書を含めたエクソシスト本のどれにも指摘される、悪魔憑きになるきっかけ/原因の多くが他の人間からの妬み嫉み、呪いからだというところ。
肉親からのものも数多く、悪意というものがどれほどに人に影響するのかがわかります。

症例にあがった中に、好きになった男性に婚約者がいたため、ふたりに呪いをかけて別れさせて、その男性と結婚したという女性のエピソードがありました。
その夫婦は離婚することはなかったそうですが、男は決して妻を愛することはなく、双方にとって大変不幸な人生を送ることになったそうです。

自分の欲求が通ることが幸せと考える人は世の中に多いです。
欲求を通すためなら、他人を陥れ、呪い殺してもかまわないという人もたくさんいます。

つまりは、一番怖いのは悪魔ではなく人間・・・・ということになるのかもしれません。

バチカン・エクソシストバチカン・エクソシスト
(2007/05)
トレイシー ウイルキンソン

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好きになるのに理由はない 〜 Love Hate Love

2009 - 09/09 [Wed] - 10:56

Love,Hate,Love. (Feelコミックス)Love,Hate,Love. (Feelコミックス)
(2009/09/08)
ヤマシタ トモコ

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BLではすでに大人気を博しているヤマシタトモコが、FEELで連載していた【男女】の恋愛を描いた物語が単行本になりました。

男女の恋愛なんだけども、いわゆる一般的な恋愛マンガじゃないっていうか、やっぱりヤマシタトモコっていうか、つまりは24歳年上の大学の先生に恋した、28歳バレエ教師、処女な女性のお話。

世の中、恋愛至上主義的な部分はまだまだあって、恋愛体質万歳!モテ度数=人間の価値指数!みたいな価値観ってのもまだまだあります。

いい歳して処女、童貞って何?
つきあった人がいないなんて気持ちわるーい。
なんで好きな人とかいないわけ?
とりあえずつきあってみればいいじゃん。

・・・・・などなど。
そんな個人的なこと、その人の好きにすりゃーえーやん!と思うのですが、常にスコア表にチェックはいらないととやかく人も世の中多いです。

どうやら世の中、人を好きになるにも、フレームにあてはめないといけない部分があって、みんなといっしょ、みんなに理解してもらえないと、あからさま迫害されるという傾向があるようです。

しかし、誰かを好きになるってのは、まさにケミストリーで、相手の男が30歳で身長が185センチで年収1千万で顔がキムタクに似てるから・・・ではないのであります>だから好きになるって人もいますがね

このマンガ、そういう部分がかなりしっかり描かれていて、不器用な主人公はそのたびに悔し涙にくれてます。
人を好きになるって、すごいシンプルなことが、関係ない他人の思惑にさらされて不純物がどんどんはいってくる様子がわかります。

相手の先生が、彼女を抱くか抱かないかってところで、「あなたに自分の裸を見られるのが怖い」というところ、思わず「うわー」になりました。
男性側にそういうことを言わせちゃうのは、さすが、ヤマシタトモコ!

西炯子も同じように、とっても年上な大学教授と30代後半(と思う)主人公の恋愛を描いたマンガを連載中ですが。
不器用で恋愛体質からほど遠い女性と、歳にあわずに純な老齢期さしかかった男性の組み合わせ、今の時代にあってるのかもしれません。

主人公がひとつひとつ、ゆっくり相手との隙間を埋めていく様子が、なんだかとっても愛おしいマンガでした。

拍手コメントお返事:

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